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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高次元存在の調査開始

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微調整

 気付いたらアン王女監視部屋で座っていた。空席が目立つ、ナーニャ、ノヴェナ、モノラースが居ない。少女の身体でニコニコ微笑んでいる女神が

「はい暗黒地帯北と南終わりー!次はアン王女を使って!ヘコムちゃんのマイナススキルとマリオンヌシステムの合体で出来た暗黒地帯自体の解除を目指すわよー!」

セイがやる気なさげに隣の空いた席を見ながら

「ナーニャは帰ったぞ」

少女は頷いて立ち上がり、俺の背後で晴れた夜空に祈っているアン王女を指差し

「彼女に信仰パワーを注ぎます!セイちゃん!派遣のボニアスさんは!?」

「ノヴェナさんに頼んで連絡したが、契約外だって言って拒否してる」

セイが肩を落とし、少女はしばらく固まると悔しげに顔を上げ

「うぐぐぐ!ナラン君!ボニアスタワーに行くから!」

俺に近づくと額を軽く突き、意識が落ちた。



 ……



 目を開けると、古びたテーブルの椅子に座っていて、向こうには神妙な面持ちのボニアスが座っていた。辺りはガラクタ塗れでどうやらここはボニアスのあの怪しげな家の中らしい。俺の隣に座る少女が真顔で

「あの!暗黒地帯の混沌粒子の微調整をお願いしたいのですが!?」

ボニアスは呆れた表情で目を細め、こちらを見ると

「まず、前任のシーネファルトさんとわしは上手くやっておった。彼女の統治の穴をわしの自由裁量で塞ぐという感じじゃな」

「そうよね!」

若干食い気味にボニアスを見た少女に

「そこのナランは、管理者の格ではない。例えばあんたが推してるサナーちゃんの方が惑星管理者としては適任じゃ」

少女は大きく首を横に振ると

「サナーちゃんは”窓”が付いてない。異次元からの観測者達がいる方が、客観性と公平性が高いでしょ」

ボニアスは大きくため息吐いて俺を見ると

「平凡で鈍感じゃ。本当に良いのか?」

少女は自信有りげに頷くと

「シーネちゃんが選んだ男よ!うちの愛娘の気持ちを信じるわ!」

「……でも管理者から降格して神罰は与えるんじゃろ?」

「うん。そこも大事でしょ」

「相変わらず他者の気持ちがわからぬやつじゃのう……」

ボニアスはブツブツ言いながら立ち上がると、1本角が生えたゴーグル付きのヘルメットを持って来て、テーブルにドンッと置いた。


 ボニアスは俺を見つめると

「これを被れ。微調整が自分でできるようになる。精神体でも大丈夫じゃ」

少女が喜んで立ち上がり

「ありがとー!」

サッとテーブルから取り去り、俺に勢い良く被せてくる。同時に意識が薄れて行く。



 ……



 目を覚ますとアン王女監視部屋だった。室内にはセイしか居らず、椅子も片付けられていた。俺はヘルメットは被ったままで透明なゴーグル越しに見ている。

「リブラーも新規接続した亜空間層の調整に行くんだと」

そう言って欠伸をしたセイに少女は頷き

「全ての準備ヨシッ!さあ!アン王女に世界中の女神教信仰パワーを注ぐの!」

やる気満々で立ち上がる。

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