↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
高次元存在の調査開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/345

透明な籠

 リースがもっと自由になれるのならば、協力しないという選択肢はないので

「やります」

そう言うと女性は頷き

「とりあえず、ナランさんがこのアン王子ぃの周囲に張った亜空間層の中心付近に居れば効果があるようです」

モノラースがうんざりした表情で

「暗黒地帯にあった亜空間層をな。リブラーが真似た上に、アン王女の周囲に貼り付けている。ちょうどこの部屋と同じ大きさだ」

意味が分からないので、モノラースを見返すと

「……透明な見えない籠の中にアン王女は常に居ると思っておけばいい。そして、その籠は我々にしか分からない」

女性が黙って、アン王女の近くを指さしたので近づく。アン王女は急に腹を抑えると

「うっ……キツさがなくなったら、お腹が……お花摘みに……」

サッとローブを被って着ると、小走りで移動し始めた。俺は横で立っているだけで、勝手に周囲の景色が変化して行く。


 アン王女は扉を開けて、廊下を進んでいく。そしてトイレへと駆け込んだところで姿が消えた。同時に周囲の景色も消えた。モノラースが

「俺がプライバシーはある程度守れと言った。生理現象までナランが観察する必要はない」

「つ、つまり、アン王女は今トイレの最中ってことだよな?」

分かりきった馬鹿な質問をしたが、モノラースは真顔で

「そうだ。見たいのか?」

「いや!見たくない!……今のうちに俺がどうすればいいか教えてください」

女性の方を向くと、ぼやけた顔で微笑んで

「とりあえずはゆっくり観察してください。我々はそれでスキルのデータを取りますので、アン王女の生態はナランさんが望めば、全て見ることができます。内臓の動きまでも」

「……いや、これでいいっす……」

アン王女のトイレの様子や、内臓の動きまでも見ていられない。


 緑髪の女性は去って行き、モノラースが椅子を用意してくれたので礼を言って座る。モノラースも少し距離を空け椅子を起き、座ってきた。前に怒られたのを思い出し

「フォッカー、帰って来たぞ」

「ああ、見ていた。あいつ、サナーのことを忘れつつあるな。浮気な男だ」

「……そうかもなあ」

などと言っていると、目の前にローブ姿のアン王女が急に姿を現しビクッとなる。


 アン王女は廊下を足早に歩きながら

「ふー……謎の頭痛も治まりました。これで教国に行けますわ。聖者になれば……愛しのナラン様も……」

などと嬉しげに呟いている。よく分からんが元気になって良かった。と思っていると扉が開いてノヴェナが入ってきた。


 ノヴェナは現実世界でないにも関わらず相変わらずキャットスタイルのままだ。

「あーここが、新しいアトラクション?」

モノラースがジッとノヴェナを見ながら

「リブラーが勝手に精神世界内の住人達に宣伝してるらしいな」

「みたいだねー色んなスキルを近づけたいんでしょ?」

ノヴェナは手元にパイプ椅子を出現させると俺とモノラースの間に置いて座る。部屋に戻り大きな旅行カバンに私物を詰め始めたアン王女をのんきに眺めながら

「やっぱさー生々しい女の生態が見たいよね。今後の参考の為に」

モノラースが真顔で

「男性経験はないそうだ」

ノヴェナが本気で残念な様子になり、急に閃いた顔で立ち上がるとアン王女をビシッと指差し

「ヨシッ!教国でたくさん男性経験させてあげよう!」

モノラースはまた真顔で

「異性関係から最も遠いのが宗教的修練だ」

ノヴェナは意味ありげに笑うと

「ふふふ……この部屋にボニアス師匠も呼んで……」

すごい怖いことを言った気がするが俺は聞かなかったことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。