第二話 希望の光2
通常魔法を使う時、どんな魔法を使いたいか想像して、言葉で具体化、杖を媒体に体内の魔力を引っ張り出すことで魔法を使用できる。
そのため手元がほんのり暖かくなるのが特徴で、杖がないと普通魔法を使うことができない。
魔力は有していても魔力は動かせないのが普通だった。でも私は体の中の魔力を捉えて動かすことができるようになった
ならきっと杖がなくてもいつか魔法が使えるはずだ。
自身で魔力を動かせるようになったとはいってもまだまだ練習が必要になるけど、暗闇で過ごすのは今までと変わらない。時間は殺されない限りたっぷりある。
もし魔力を自在に動かせるようになって魔法を使えれば…
いまある傷を治せる。手足だって生やすのも…流石に無理か……でも、例えば土魔法で手足を作って操ったりもできるんじゃないかな。ゴーレムみたいに。もしかしたら操らなくても肉体と土魔法で再生した手足の部分を魔力で繋げれば自由自在に動かせるかもしれない。
なんでもいい魔法が使えれば、動ける。きっと帰れる。それに、なによりも、、私をこんなにしたやつらに復讐できる!
溢れそうな喜びを噛み締めていたら、鞭を打たれなくなった。
「ふぅ……うし、もう、鞭打ちはこれで充分だろう」
「あぁ。全身傷だらけになったし、消毒してやるか」
!!…消毒。化膿を抑えるためにも良い事のように聞こえるがこれも拷問の一つだ。最悪な拷問の仕方だ。
消毒では消毒液に逆さまから入れられる。その状態から私が一度溺れて暴れてから動かなくなるまで放置される。傷が染みて痛い。叫べば口の中の空気が出ていって忽ち溺れてしまう。私が溺れ死にかけないと止めてくれないから、暗闇に逃げることも出来ない。
体を鎖で結ばれて上に引き上げられる。苦しいのは嫌だなぁ…
ゲポッ…口から消毒液と胃液がでて目が覚める。
「がっ、げほっげほっ、う”ぉえ」
胸を何度も圧迫されていた。
「あ″、や″、や″め″、て」
「あ?なんつってるんだ?」
「じ、じんじゃ、うがらっ」
視界が暗くぼやけた頃に圧迫していた手が離れた。
「げほっけほっけほっ…」
「ギャハハッ、かわいそーww消毒液がまだ残ってるのかなー?俺が吐くの手伝ってやるっよっっ!ww」
鳩尾を殴られる。息が一気に吐き出されて気絶しかける。その前にもう一度鳩尾を殴られる。
「ヴッッ……うぅっ…」
「クックックッ泣いてんのか?苦しそうだなw」
泣いてたのなんて最初の頃だけだった。
だけど、
この苦しみから解放されると思うと涙が出てくる。