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ハイム道具屋の日常手記  作者: 夜眠
第1章:龍王祭の騒動
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19話:事件調査3

被害者たちが被害に遭った場所は、中町区の繁華街からは少し距離があったが、駐車場を見つけるのに意外と苦労した。


ようやく車を停め、三人は目的地に到着した。


「『魔法筋肉(まほうきんにく)』……ここがジムだと言われなければ、てっきりナイトクラブかと勘違いしますよ」


そのジムは路地の角にあり、三階建ての建物の一階に入っていた。


外壁のガラスは色とりどりのポスターでほとんど覆い尽くされ、中の様子は窺い知れなかった。


横に置かれたネオンサインが、店名を光らせている。


「外から見てもこれ以上は何も分からない。入りましょう」


祭はライラに手配してもらった黒いTシャツと灰色の薄いベストに着替えていた。疑われないように、腰のナイフは一時的に車内に置いてきた。


そう言うと同時に、彼女はドアを押そうとする。しかし、ロルは看板を凝視したまま立ち止まり、微かに眉をひそめた。


「兄さん、どうしました?怖いんですか?」


「いや……ただ、どうにも嫌な予感がするんだ」


「兄さんの嫌な予感は、ほとんど兄さん自身にしか起こらないものですよ。だから大丈夫です」


「つまり、私の身の安全は無視ってことか!」


そんな根拠のない言葉では、祭がドアを開けるのを止めることはできない。


ロルは大きく息を吸い込み、二人の後について店内へと入った。


店内は想像していたものとは全く違っていた。


薄暗いと思っていた環境は非常に明るく、室内の天井は、様々な種族のニーズに対応するためか、意図的に高くなっていた。


店全体は非常に広く、仕切りがないため、入った瞬間から多種多様なトレーニング機器が整然と並べられているのが見えた。


外側のガラスはポスターで覆われていて汚い印象を与えていたが、内部の環境はとても清潔で、空調も快適、運動時の汗臭さも空気中には全く感じられなかった。


店の外と内のあまりの違いは、かえって新鮮な好感をもたらした。唯一の問題は、客がほとんどいないことだ。多くの機材が使われておらず、閑散としているように見えた。


入口の横にあるカウンターの後ろには、成人男性の二倍はあろうかという蛇人族の男性がいた。彼は小さなサングラスをかけ、緑色の鱗の身体に花柄のシャツを着ていた。


「あの、私たちは——」


「ん?見慣れない顔だね?」


蛇人族の男性は、元々カウンターの奥で雑誌を読んでいたが、ロルたち三人の姿を見た瞬間、すぐに目を輝かせ、勢いよく飛び上がった。満点を超える笑顔でサービス精神旺盛な態度を見せる。


「いらっしゃいませ!会員登録かい?それともトレーニングコースへの参加かな?一日体験も試せるよ!今なら一日体験大サービス中!機材の試用ができるだけでなく、トレーナーから指導も受けられるよ!」


そのあまりの熱意あるサービス態度に、口を開こうとしていた祭は圧倒され、黙ってライラの背後に隠れた。


祭の気持ちは理解できないこともない。なぜなら、店主のキラキラと輝く、まるで救世主を見つけたかのような眼差しを前にして、私たちは調査に来た、などと口にする勇気はなかなか持てないだろう。


しかし、祭が一歩後ろに下がったことで、ロルはライラに前に押し出された。


これは私が悪役になれという意味か……。


「いえ、私たちは——」


「違うのか……はあ〜、お客さんかと思ったのに……」


ロルが言い終わる前に、蛇人族の男性はすぐにがっくりと肩を落とし、頭を垂れた。実に哀れに思える。


これでは、どう切り出せばいいというのか……。


「どうした、老蛇!また因縁をつけに来た奴らか!」


「今回は誰であろうと関係ない!俺たちが必ずこいつらに教訓を与えてやる!」


その時、二つの荒々しい声が響いた。


ジムの奥から、二つの人影がカウンターに向かって歩いてくる。


一人は狼人族の男性、もう一人は鳥人族の男性だ。


彼らはそれぞれ黒いスポーツタイツを着用しており、顔には無視できないほどの傷跡があり、加えて不機嫌そうな表情と相まって、心底恐ろしさを感じさせた。


これは一触即発の事態になるはずで、祭さえも身構えて相手の攻撃を警戒した。だが、ロルとライラにとっては、意外にも見覚えのある顔だった。


ライラはすぐに目の前の二人を認識し、穏やかに挨拶した。


「あっ、覚えてらっしゃいますか?お久しぶりです、お元気でしたか?」


最初、二人の獣人族は状況を把握していなかったが、すぐにライラに気づき、狼人族の男性は震える指でライラを指差した。


「待て!ライラ……あねご!?まさか!?ってことは……やっぱり大人も!?」


「やめてください、もう大人と呼ぶのはやめなさいと言ったでしょう」


雰囲気は一瞬で逆転した。二人は驚きと喜びで兄妹を指さし、先ほどの凶暴な態度は完全に消え失せていた。


「本当に大人とあねごさんじゃないですか!なぜ急にここに!本当に驚きました!」


「こちらこそ驚きましたよ。あなたたちは?ここの常連なんですか?」


「ああ!ライラあねご、ここは機材が多いし!値段も安い!俺たちはここが大好きでね!」


ライラと二人の獣人族が楽しそうに話し始めた一方で、ロルは心の中の嫌な予感が現実になり始めたのを感じていた。


「待て、お前たち二人がいるってことは……つまり——」


「王子様〜?本当にあなたでございますか〜!」


ロルが話を終えられないうちに、高らかな声がカウンターに響き渡り、ロルは全身に悪寒が走り、硬直したまま振り返った。


予想通り、見慣れた人影が自分の背後にいた。


オレンジ色の毛皮に黒い縞模様が交錯し、その壮健な身体は彼の実力を完全に示している。


しかし——


「エイヴァ……久しぶりですね……」


今目の前にいる、一見強靭な獣人族の男性は、顔が少し紅潮し、瞳がハートマークに輝き、ピンク色のスポーツウェアを着て、尻尾が抑えきれずに左右に揺れていた。


彼はロルを深く愛おしむように見つめ、その存在を確かめると、続いて制御不能になった猛獣のようにロルに襲いかかった。


「あたしに会いにわざわざ来てくださったのですか〜!あたし、とっても嬉しいわ〜!」


「待て!来るな!来るなあああ!」


相手のスピードにロルが反応できるはずもなく、為す術なく相手に抱きしめられ、無重力ゾーンを体験し始めた。体全体が空中で振り回された。


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