人は見かけで判断してはいけません、お兄さんとの約束ですよ?
学園ヒエラルキーというものがある。
こういったものは海外ドラマにありがちな運動部のエースとチアガールが学園内で幅を利かせているとかそういうのがあるが、まあ現実はそこまであからさまではない。
けれども、やはりそういった階級というか格の違いは確かにあるわけで……
僕はその学園ヒエラルキーではただの一般人ポジだった。特に何も危害を加えられないが、だからといって誰にも注目されない。そういった普通の位置、だったのだ。
しかし、それも今日までだ。
「水島博さん、私と付き合ってください」
僕は学園のアイドルに告白されたのだから
ラブレターという今どき古臭い手法で呼び出された体育館裏、僕は横島恵美さんに告白された。彼女は容姿端麗、品行方正、成績優秀、運動神経抜群、そしてクォーターで帰国子女というスーパーガールなのだ。
僕とは住む世界が違うと思っていたけど、どうやら違ったようだ。きっと彼女はそのハイスペックな観察眼で、僕自身も気づけない魅力に気づいて惚れたのだろう。なんということだ、一般人を装っていても僕の溢れ出すフェロモンは消せないということか。
そんなわけで僕は「はい、喜んで!」と告白を了承し、横島恵美さん……いや、恵美さんと付き合うようになった。
次の日、僕は最高にいい気分だった。なぜなら、恵美さんが迎えに来てくれたのだ。
登校中、周りの人々から寄せられる嫉妬の視線、これはいい。優越感に浸れる。
ふ、せいぜいうらやましがるがいい。どうせお前らはどうあがいたって僕の幸せを得ることはできないんだ。
「おい、そこのお前っ!」
お前とはなんだとこの野郎
さてはこいつ、恵美さんのファンだな?
「どうしたのかね君?なにか言いたいことでもあるのかね?」
僕はこれ見よがしに恵美さんの腰に腕を回し、密着した。ああ、恵美さんの匂いがする。フルーティ
「お前、僕たちの学園のアイドル、恵美様と付き合ってるんだよな!?もうその手の動きで分かってるけど一応聞くぞ!」
「ええ、どうやらそういうことです。僕は彼女から告白されましたので、それを了承しました。いやー、自分の口から言うのはお恥ずかしいことですね」
うひひ、いいだろいいだろ、うらやましいだろ?この手がいやらしく動いても彼女は何にも抗議しないんだぞ、ざまーみろ!
僕の行動に諦めたのか、恵美さんのファンはうつむいて僕の横を歩いていく。ただ、一言、捨て台詞を残していった。
「恵美様を汚してみろ、その時は俺が殺す」
できるわけがないことを言ったって怖くなんてないもーん。ばーか。
そんなことをしている暇があるなら、別のことに励むべきだ。そう、例えば勉強とか。ま、僕は勉強ができなくても、恵美さんがいるし?彼女という存在がノーベル賞以上だし?
ああ、恵美さんのことを考えているだけで時間が過ぎていく……気付けば昼休みだった。ああ、恵美さんと昼食!嬉しいなあ。きっと彼女お手製のお弁当をいただけるんだろうなー
「ごめんね!お弁当作ろうと思ったんだけど、寝坊しちゃって……」
ううん、別にいいよー。僕は気にしないから!君と時間を共有できれば泥団子でもおいしく頂けちゃうよー!
と、いうわけで学食に向かった。学食は生徒でいっぱいになっていて、恵美さんはきつねうどん、僕もきつねうどんを頼んで席を取りに向かったが、空いている席がなかなか見つからなかった。
「あ、ここの席空いてるじゃん」
僕が見つけた席は、学食の端っこのテーブルで、四人ほど座れるスペースがあった。誰もいないので、今がチャンスだ。
ささっと机をふきんで拭き、椅子にハンカチを敷いた。
「ささ、座ってください」
「ありがとう」
ああ、その笑顔で僕はもうお腹いっぱいです。
僕と恵美さんが楽しく食事をしていると一人の男が話しかけてきた。
「あの……」
「なんですか?あ、彼女はサインNGです。話ならまず彼氏の僕を通してください」
「すいません、席が埋まっているので、相席してもいいですか?」
なんという空気の読めない男だ。僕と彼女の幸せ空間を見て普通なら邪魔しないように外に出るなりなんなりするだろうに。今は12月の下旬だから外で食べるとしたら温かいものにするべきだな、肉まんとかおいしいんじゃないか?
恵美さんの方を見てみる。困惑しているようだけど、どうしてもこの男を排除しようとは思っていないみたいだ。ああ、やっぱりあなたは天使です。その清き心に僕はいつも癒されてます。
「まあ、相席くらいならいいだろう。彼女と一緒のテーブルに座れることを光栄に思うがいい」
僕は渋々ながら、表面は紳士を装って男に相席を許した。
男はいかにもオタクな風貌をした奴だった。黒髪で、眼鏡をかけてて、デブ。汗臭かったりはしないがなんか雰囲気的にオタクそのものだった。学園ヒエラルキーの中では最下位に属するものだ。正直言って虫以下である。
名前は山上昇。とりあえず山上と呼ぶことにしよう。
山上は僕と恵美さんの食事を邪魔したのを悪く思ったのか、それから遠慮して話しかけてこなくなった。
遠慮してくれるのは嬉しいけど、逆に無言になるとそれはそれで気まずい。仕方がない、天上の住人である僕が、地べたに這いつくばる蟻に話しかけてやるとするか。
「これこれ、山上くんとやら」
「なんでしょうか?」
「確かに僕たちは君と違って立場の違う人間だが、そんなに気を使う必要はないと思うのだよ。器量の狭い人ならば格下が話しかけてくることを許さないだろうけど、僕は違う。僕は温厚な人間だからね。だから、遠慮なく話しかけてくれてかまわない」
「そうですか、ありがとうございます。では、何を話しましょうか。そうですね、ではちょっとした話でも」
「ほうほう、聞かせてくれたまえ」
山上が話したのは、ちょっとした豆知識だった。豆知識自体はそれほど興味を惹かれるものではないが、彼の話し方がうまいのか、妙に聞き入ってしまった。なんだこいつは、噺家さんにでもなるのか?
気付けば予鈴が鳴っていて、僕はあわててきつねうどんをすすった。
今日はクリスマスイヴ。良い子のみんなは靴下を置いてサンタクロースのおじさんのプレゼントを寝て待つ日だが、僕たちにとっては性の6時間というイベントである。
正直告白されたのが最近なのでプレゼントは大したものを買ってやれなかったが、その代わり買ったコンドームの箱でエンジョイしまくろうと思う。まだキスすらしてないけどクリスマスイヴパワーならガードの固い彼女でも一発KOできるはず。
僕は舞い上がっていた。だって今日はクリスマスイヴ、しかも休日、それに天気予報ではホワイトクリスマスだそうで、なんというかもうムード満点で神でさえ僕らを祝福してくれているっていうかーなんていうかー
そんなわけで待ち合わせ時間の二時間前に僕は来て待っているのでした。いやー恵美さんが来るのが待ち遠しいなー
あれから8時間、音沙汰がない。僕は午前十時に来て、待ち合わせ時間は午後十二時、現在午後六時……おっかしいなー雪で前が見えないや……
もしかして、待ち合わせ場所を間違えちゃったとか?彼女って結構ドジっ子属性があって、携帯にメールしたりすると翌日口頭で返事が返ってくるんだよね。携帯見るのついつい忘れちゃうとか。普段僕といる時は携帯いじくってるけど、家ではいじくってないみたいだ。
「あれ?横島さんの彼氏さんですか?」
山上が僕に話しかけてきた。
「あのね、僕には水島博っていう名前があるんですけど、僕は彼女の付属物じゃありません」
「あ、すいません。無神経でした……それで、どうして雪に埋まってるんですか?」
「恵美さんを待っているんです」
「横島さんですか?彼女なら別の場所で男の人といましたけど」
「たぶんそれは彼女の兄貴だ」
「横島さんには妹しかいません」
「じゃあ妹が兄貴になったんだよ」
「現実を見てください」
僕は途方に暮れた。
「こんなところにいては風邪をひいてしまいますよ、よければですけど、私の暮らしているアパートに来ませんか?」
山上……ごめん、たぶんもう手遅れだと思う。でもいいや、好意に甘えよう。
「ここにいても仕方ないし、行ってあげてもいいかな。あくまで仕方なく、だけど」
「素直じゃないですね……やっぱり気が変わりました、別に来なくていいです」
「そんな……傷心している男一人置いて見捨てるような奴なのか、お前は!昔はあんなに優しいいい子だったのに……このクズ!慰めろ!」
「昔も何も知り合ったのは最近ですよね?」
そんなくだらない話をしている内に、アパートに着いたらしい。山上は鍵を開けて、「少し待っててくださいね」と部屋を少々片付けた後、僕を迎え入れた。
「なんていうか……普通の部屋だな、独り暮らしなのか?」
「そうですね、いろいろと事情がありまして……」
山上は山上で複雑な事情があるんだな……ま、僕には関係ないけど
暖房で部屋が暖まったら、今度は腹が減ってしまった。
「あーなんかお腹がすいてきた、やばい、死にそう」
「何か作りましょうか?簡単なものですけど」
「え?さすがにそこまで世話になるつもりはないって、適当にコンビニで食糧調達してくるよ」
「客人であるあなたをもてなすのが当然の義務ですから。座っててください」
そう言って山上は台所に行ってしまった。そこまで言うならお言葉に甘えることにしよう。
山上の作った料理は本当に簡単なものだった。肉と野菜を炒めたものと、ご飯とお味噌汁。
けれど、味はなかなかのものだった。炒めものの味付けが濃くて、ご飯がはかどる。最後に味噌汁を飲み終わると、どことなくほっとした。
「ごちそうさま!ああ、うまかった……」
「お粗末さまでした。どうです?少しは落ち着きましたか」
……そういえば、なんか前より気分が落ち着いてるような。
「お腹がすくと、心に余裕がなくなりますからね。おいしい料理を食べれば、少しは気がまぎれるかと思ったのですけど」
「うん、さっきは悪かったな。迷惑かけて」
「むしろ私は迷惑をかけるあなたしか記憶にないのですけど……なんて、冗談です」
「ははは……それより、一つ聞いていいか?」
「なんですか?」
「山上って、結構食べるんだな」
山上は5杯目をよそっていた。なるほど、だから炊飯ジャーが三つもあったんだな。僕は妙に納得してしまった。
次の日、僕は恵美さんの家を訪ねた。
悲しいとか、怒りとかは、この際どうでもよかった。ただ、彼女がなぜ昨日の約束を破って他の男と出会っていたのかを知りたかった。
その男が、彼氏なら、まあそれもいいだろう。このままモヤモヤを続けるより、決着をつけてすっきりしたかったのだ。
呼び鈴を鳴らす。
「はいはーい」
恵美さんが出てきた。
「あの、恵美さん。僕だけど……」
「げっ」
僕の顔を見た途端、彼女の顔が苦々しくなった。
「面倒臭いから正直に言うわ、あれは罰ゲームだったの」
「……どうして」
「この前彼氏とゲームしてて、あたしが負けちゃったから彼氏の命令であなたに告白したのよ。あ、紹介するね。彼、大学生なのよ」
「どもっす」
その彼氏という人は髪を金髪に染めていて、冬なのに日焼けをしていて、耳にピアスをしていた。どう考えても横島さんとは似つかない、真逆の人だった。
「なんで、僕に?」
「別に誰でもよかったのよ」
それは、とても分かりやすい答えだった。
「本当、あなたと付き合うフリをするのは疲れたわ。あたしから告白したからしょうがないけど、大して親しくないのにベタベタあたしに触れてくるし。ほんとキモかった」
「……」
「だいたい、あなたみたいなのに告白するわけないじゃない。容姿も普通、成績も普通、運動も普通。せめて金持ちだったらなー、あたしが一生何もせず暮らしていけるだけの財力があれば、付き合ってあげなくもないけど。んーでもやっぱセックスは駄目、無理」
僕は口を閉ざしてしまった。横島さんはそんな僕にかまわずに話を続ける。
「あーでも、一つだけ面白いことがあったわ」
「クリスマスイヴの日にね、あなたのクラスメイトを集めてあなたが待っている様子を近くのファミレスから覗いていたのよ」
「けれど、あなたは立ったまま動かないし、変化もないからあたし飽きちゃって……ゆーちゃん、えと、彼氏のことね。ゆーちゃんと一緒に遊びに行くことにしたのよ」
「でもまさか、あの時すれ違ったキモオタと一緒にクリスマスイヴを過ごすとは思わなかったわ。あー、もうちょっと待ってたら面白いシーンが観れたのにー」
「ま、いいけど。ちゃんと録画しておいたものを見たし」
「あ、見る?結構面白いのよこれ。8時間も待ちぼうけしてたあんたが、あたしが約束すっぽかして彼氏と遊びに行ったことを知った時の顔!雪に埋もれて真っ白な顔が、一気に青くなって倒れるんだもの!おかしいったらないわー」
「キモオタに体を支えられてるのに、あなたってば、虚勢を張るのよ!もうすでに情けない姿を晒しているのに、何を取り繕う必要があるっていうのよ!なんという馬鹿!どうしようもない馬鹿!」
「そんなあなたを自宅に運んだキモオタも同じくらい馬鹿よね、あたしならそこら辺に捨ててるところよ。やっぱり底辺は底辺同士、傷をなめあうのね!うげ、考えただけで気持ち悪いわー」
一つ一つの言葉が、僕を傷つける。けど、僕は覚悟してきたのだ。モヤモヤすることより、真実を知ることを選んだ。だから、これくらい、平気だ。
だけど、
「一つだけ、言わせてほしい」
「もう、人が気持ちよく話してるのに……なによ?」
「山上くんは、僕なんかとは比べ物にならないくらい、立派な人だよ」
彼がいなかったら、僕は立ち直れなかっただろうから
「おい水島聞いたか?横島さんの家、火事になったらしいんだとよ」
家に帰って風邪で寝込んでいたら、別のクラスにいる友達から電話が来て、さっきの台詞を聞いた。
「え、なんで?」
「なんか横島さんのファンがやらかしたらしいんだとさ」
名前を聞く限り、どうやら僕が横島さんと付き合っていて舞い上がっている時に現れたファンと同一人物らしい。
「あいつ、有言実行しやがったのか……」
「知り合いだったのか?」
「いや、全然知らない奴」
「なんだそれ。とにかく、彼のせいで一緒にいた大学生の男は男性器をバーナーで黒焦げにされて、横島さんは全身重度の大火傷をしちゃったんだって」
「えげつねぇ……」
「おかげで犯人の父親は多大な賠償金を支払うみたいだよ。一生何もせずに暮らせるだろうけど、こんな状態で生きながらえるなんて地獄だろうなあ……横島さん、かわいそうに」
確かに、横島さんはかわいそうだと思う、けど、それだけだった。
横島さんと付き合った気でいた僕なら、彼女の不幸に大いに悲しんだのだろう。いや、もしかしたら僕は大学生の彼氏と同じ末路を負ったのかもしれない。
けれど、それはもしもの話だ。僕には関係ない。
薄情だと思うけど、僕はもう気持ちを整理した。たまに思い出して胸を痛めたりするだろうけど、それでもすぐに立ち直るだろう。
まずはこの風邪を治すことに専念しよう。僕は電話を切ると、そのまますぐ眠ってしまった。
「山上くん、暇なんだけど」
「じゃあ、一緒にコミスパ行きましょうか?」
年末、上のような電話をして僕は山上くんとコミスパという同人誌即売会に行くことになった。
「なんかもう、あれだね、女はもうコリゴリだよ……」
「そんなことを言って、すぐに惚れるんでしょう?」
「あっ、この子かわいいっ!結婚したい!」
「コミスパに連れて行った私も悪いんでしょうけど、二次元の女に惚れないでください。それはただの逃げです」
「んだとこのオタクめ、てめえだってそんなこと言ってるけど二次元の女が好きなんだろ?」
「いいですか?私はあなたのように失恋したから二次元の女に逃げているわけじゃないんです。私は心の底から二次元という世界が好きなのです」
「うっせーオタク、そんなに二次元が好きなら二次元の世界に行っちまえ!」
「失恋した男が何を言っても負け惜しみにしか聞こえませんね」
これが俗にいうぐうの音も出ないってやつか。口では山上に勝てる気がしないな……まあ、適当にあしらってくれるので好きなだけ悪口を言えるからいいけど。
「すまないな、いろいろと付き合わせて」
「急にしおらしくなりましたね、気持ち悪いです」
「そんなこと言うなって、ほんと、お前には感謝してるんだから」
「そうですか……それで、これからどうするのですか?」
「どうって、そうだなあ……まだ何にも決めてないなあ」
「何も決めてないなら、勉強を教えましょうか?」
「山上くんって勉強できる人なのか」
「ええ、一応学年トップですから」
「そうかトップか、知らなかったなあ。ウチの学校って順位が表示されないし……ってええ?トップ!?なぜに!!」
「ちなみに運動も得意です」
「はあっ?何その完璧超人、ありえねーよ。お前デブだし」
俺の言葉にむっとなった山上は反復横跳びをした。残像のせいで山上が三人に見える。
「動けるデブかよ!やべえ!ぱねぇ!」
「自炊にハマってついつい食べ過ぎてるだけです。本気になればいつでも痩せられます」
ちなみにこれが私の痩せてる時のものです、と言って渡された写真には超絶イケメンが映っていた。
「……俺、お前のこと何も分かってなかった。勝手に同族だと勘違いしてた」
「別にいいですって、わざと目立たないようにしてましたし」
「目立たないって、どうして?ハイスペックイケメンだから?闇の組織に追われてるの?」
「いえ、山上一族の方針で男なら裸一貫から会社を立ち上げて見せろという戒律があって、私が将来立ち上げる会社の社員を探してました」
「なにそれ」
「ちなみに水島さんには私の第一秘書になってもらいます」
「なにそれ!?」
「そのためにもこれからビシバシ鍛えるつもりです」
「いや、あのー、僕なんか鍛えても、大してお役に立ちませんよ?もっと将来有望な若者をスカウトした方がいいと思いますよ?」
「私の目に狂いはありません。そうですね、君自身も気づけない魅力に気づいたとでもいいましょうか。大丈夫、安心してください。近い将来、あの時私に付いてきてよかったと思えるようになるでしょう」
「……あの、えーっと、これから、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
僕は明日からはじまるであろう目まぐるしい日々を想像して、ため息をついた。けど、まあ……これからは退屈しそうにないなと思うと、どこかワクワクしている自分がいた。
これは余談だが、冬休みの地獄の特訓を終えて新学期を迎えると、クラスメイトが一人も学校に来ていなかった。ノボルが言うには、陰ながら支えているらしい執事の忍野の仕業らしい。
そういえば、イヴに僕とノボルのあれこれを録画して馬鹿にしていたんだっけな、あいつら。
触らぬ神に祟りなしというが、これじゃ触らぬ山上に祟りなしだな。消されなくてよかった、俺。




