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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0063 途中、匪賊を射る

 紅木の香りが満ちる貴賓車両では、壁の吊り戸棚に各種の酒類飲料が並べられている。車両の天井には比較的安全な白熱灯が照明として使われていた。車両全体に大量の木製装飾が施されているが、直火の危険は極力避けられている。


 これが北頜(ベイハー)が銀貨四枚で借り切った車両だ。二十一世紀の中国の物価に換算すると、約二千元に相当する。この貴族用車両は、様々な匂いが混ざった庶民用の車両と比べると、格調が高い。


 いわゆる格調は、対比の中でこそ現れるものです。例えばピクニックで、他の人々がパンやサンドイッチをかじっている中、あなたの傍らの使用人が小さなテーブルを取り出してあなたの前に置き、それから保温容器をいくつか開けて、トマトと卵の炒め物、白菜の炒め物、豚の角煮が入った料理を、皆がじっと見つめ羨む中で食す、これこそが上品で格調があるというものなのです。


 高級クラブのような場所では、実物を売っているのではなく、サービスを受ける側の自尊心を持ち上げるプロセスと感覚を売っているんだ。この種のサービス業は、ここで消費する人に、自分が他とは違う高貴さ、いわゆる快感を味わわせるものだ。その理屈は「金を使えば使うほど、より快感が得られ、より高貴になる」というものだ。もし社会全体がこの「貴族の価値観」を認めれば、確かに快感と高貴さを買ったことになるが、もし社会が認めなければ、例えば地球の21世紀の中国でいわゆる「貴族趣味の教育」を買おうものなら、笑いものにされ、金箔を貼りたがる成金だと思われてしまう。中国文化の大再編の時代にあって、外国からの舶来品は言うに及ばず、自文化の貴族趣味でさえ、とっくに徹底的に批判され尽くしてしまった。


 経済的に恵まれ、気品があり、威武にも屈せず、富貴にも淫せず……それこそが真の貴族の気質であり、サービス業によって高められた快感ではない。


 今の盧安(ルー・アン)は、身だしなみが整い、健康的な食生活を送り、顔色も良く、さらに現代的に形成された人格が加わり、封建時代の権勢に対しても羨むことなく恐れることなく、頼ることもへつらうこともない。この民主共和の時代にはごくありふれた資質が、この時代にあっては非常に際立ってしまう。古代の人々の目には、盧安(ルー・アン)の全身から放たれているのは、まさに貴族の風格に映る。


 十四歳の盧安(ルー・アン)は鼻筋が通り、目は幽玄に澄み、肌は清潔で、一身に藍色の衣服をまとい、非常に控えめに見えながら、まるで華美な衣装を脱ぎ捨て、お忍びで俗世を遊歴する名門の公子のようである。盧安(ルー・アン)自身も、この世界でこれ以上普通の人のふりをし続けるのは難しいと自覚しており、いっそ自然体でいることにした。


 これは、工業時代以前では、底辺の労働者と生活に余裕のある小康状態の人々は一目で見分けがついたからだ。貧しい家の子供は、厳冬には水を汲み薪を割り、炎天下でも麦を刈り脱穀をしなければならなかった。一方、二十一世紀の学生は、夏に最も長く日光に晒されるのは軍事教練の時であり、冬に最も長く寒風に吹かれるのは登下校の時間に過ぎない。いわゆる苦難とは、教室でチョークの粉を吸い込み、長時間うつむいて読書し目を酷使することだ。人は炎天下にいれば肌は確実に黒くなり、寒風に吹かれれば肌にしわができる。長時間農作業をすれば、手の肌がきめ細やかであるはずがない。これらの内面的・外面的な様々な細部は、注意深い人の目には、隠しようのないものなのだ。


 盧安(ルー・アン)は自分のノートを開き、鉛筆を使って各知識の応用を復習している。紙の上の偏微分の計算は目が回るようだ。集中している盧安(ルー・アン)は学生らしい雰囲気を漂わせている。


 傍らでお茶を飲んでいる北頜(ベイハー)は、何時間も盧安(ルー・アン)を観察していたが、盧安(ルー・アン)には殺気など微塵も感じられなかった。


 これは北頜(ベイハー)の経験の中では非常に稀有なことだ。盧安(ルー・アン)のような年齢の時空傭兵で、強力な殺傷能力を持つ者は、皆その目に狂おしいほどの高慢さを含んでいる。反抗期の中二病の少年だけでなく、二十代から三十代の多くの時空傭兵も、しばしばその鋭さを隠しきれないものだ。


 もし盧安(ルー・アン)の戦闘技術と遠距離狙撃能力を知らなければ、北頜(ベイハー)はこのような少年が、刃の上で踊るような戦場で生き延びられるとは到底信じられなかっただろう。


 北頜(ベイハー)は盧安(ルー・アン)を観察しており、予演能力を持つ盧安(ルー・アン)は当然北頜(ベイハー)が観察していることを知っており、予演の問答を通じて北頜(ベイハー)が何を不思議に思っているのかも分かっている。


 自分には殺気がない——予演の中で北頜(ベイハー)がそう自分を評価するのを聞いた。盧安(ルー・アン)の思考は遠い昔に遡り、前世の第三次大戦がまだ勃発していない頃、自分は平和な時代の普通の人だった。そして第三次大戦の勃発時も、盧安(ルー・アン)はずっと直接人を殺してはいなかった。


 もちろん、間接的に殺してきた数は多い。画面越しにレーダーシステムで画面上の戦闘機をロックオンすれば、空の戦闘機はほぼ確実に死ぬ。一群のミサイルを直接ぶつけて、空にある1メートルを超える物体を全て粉砕する。しかし盧安(ルー・アン)は自分が人を殺しているとは思っていなかった。なぜなら自分はただレーダーでロックを制御していただけで、ミサイルの発射ボタンを押したのは自分ではなく、発射基地の将校だからだ。自分は軍のデータリンクシステムの一環に過ぎないのだ。


 新たに生まれ変わってから、自分はほとんど人を殺したことがなかった。自分が生活している世界でも、任務世界でも。今のところ、盧安(ルー・アン)が唯一殺したのは、幽霊のような輪廻者だけだ。そしてこの任務世界でも、盧安(ルー・アン)は人を殺していない。パチンコを放つたびに、相手を負傷させて戦闘不能にするだけだった。


 自分の手で、自分の目で、自らの行為が同類の死を招くのを目撃しなければ、人を殺したことにはならない。殺気がなく、殺戮に対して拒否感を持ち、常に殺戮を避けようとするから、殺気がないのだ。


 しかし、盧安(ルー・アン)は心の中で嘆いた。「人を殺していない、それは人を殺す現場と向き合いたくないだけの自己慰撫だ。殺戮を避ける?元一(ユエン・イー)空間の中では、川辺を歩けばいつか靴が濡れるように、予演異能は避けがたく強大になっていく。殺戮に抵抗するのは、蟷螂の斧のようなものだ。」


 43分後、盧安(ルー・アン)は学習を終え、目を閉じて休んだ。数分後、盧安(ルー・アン)は目を開けて車窓の外を見て、北頜(ベイハー)に言った。「前に言った面倒なこととは、あれらのことかもしれないね。」


 この世界の中国は、古典的な中国の人文環境が産業革命初期の環境に留まっている状態だ。列車の時速30〜40キロという速度は、しばしば悪漢たちの欲望を引き寄せる。


 これらの緑林好漢たちは馬刀と火打ち石式拳銃を手に、かけ声をあげながら列車に迫ってくる。これは西部劇でよく見られる光景で、映画ではよく列車強盗が出てくる。広大な東方の華夏の大地も、こういった匪賊の生息に適していたが、ただ時代の進歩が速く、民国が成立して数十年も経たないうちに、国家は徹底的に変革され、山賊が生き延びられる環境ではなくなっていった。


 車両のドアが開き、護衛局の護衛が入ってきて北頜(ベイハー)に言った。「北會長(ベイ・カイチョウ)、しばらく避けていただけますか。」


 北頜(ベイハー)は盧安(ルー・アン)を見た。盧安(ルー・アン)は立ち上がり、引き出しから自分の牛皮のパチンコを取り出し、一歩踏み出して言った。「ちょっと上に行ってきます。」


 盧安(ルー・アン)の言葉を聞いて、護衛は困った顔で北頜(ベイハー)を見た。


 北頜(ベイハー)は護衛にうなずいて言った。「彼を行かせてやりなさい。」


 車両を出ると、盧安(ルー・アン)は他の公共車両が混乱しているのを見た。北頜(ベイハー)が貸し切った車両は第三号車両で、前の二両も予約されていた。この二つの車両の客も裕福で地位が高く、また護衛が護衛していた。


 強盗が狙うなら当然金持ちを狙う。だから護衛である彼らは今、大敵に立ち向かうような気構えだ。護衛長が他の二つの車両から出てきた護衛たちに拱手して言った。「皆の者、今日我々は同じ列車に乗り合わせた。どうか心を合わせて協力してほしい」


 別の車両の武士が拱手して言った。「当然そうするべきだ」


 盧安(ルー・アン)は彼らの挨拶を聞かず、直接車両内の鉄梯子から車上に登った。その時、車上では凌遠鏢局《リン・ユエン・ピャオチュー》の護衛が風の中で叫んでいた。「遠方からの客人よ、我々は四十枚の銀元を用意した。杯を交わして恩讐を忘れようではないか」


 下で馬に乗っている山賊たちは明らかにこの金額に不満だった。彼らは言った。「我々は事前に探りを入れて調べた。お前たちの車には四匹の肥えた羊がいる。それぞれから少なくとも二百銀元は搾れるはずだ。三百銀元がなければ、兄弟たちは帰っても酒どころか、かゆをすすることさえもできやしない」


 护镖的老镖师は首を振りながら言った。"三百?あなたたちは欲張りすぎだ。"


 盧安(ルー・アン)は価格交渉を聞いて眉をひそめ、弾弓を取り弾丸を挟んで引き絞り、列車のそばを走る馬匪に向かって叫んだ。"お前たち、よく聞け、十秒以内に馬の頭を回せ。"


 盧安(ルー・アン)の突然の叫び声で、元々馬匪と交渉していた镖师は恥ずかしい思いをした。これらの镖师にとって、顔でこの馬匪の一団に対処できれば、刀を抜かないのだ。


 下の馬匪は盧安(ルー・アン)の叫び声を聞いて、大声で叫んだ。"どこから来た毛玉、口が乳臭い。俺が捕まえたら、後ろの花を別様に赤く咲かせてやる!"この匪徒は盧安(ルー・アン)が美男子なので、大家の男妾だと思い込み、卑猥な言葉を吐いた。


 その時、一筋の冷たい光が馬の首をかすめた。馬上の賊は音を立てて倒れ、頭から血を流した——盧安(ルー・アン)が円刃を発射したのだ。


 盧安(ルー・アン)は連続して矢を射るように、腰の小さな箱から次々と円刃を取り出し、一つ一つパチンコで撃ち出した。2秒以内に、5人の馬賊が音を立てて倒れた。3秒後、銃を抜こうとした馬賊もいたが、手が腰に届いた途端、バキッと手首が折れて血が噴き出した。


 馬賊たちは馬の首から血を吹き出すか、武器を持つ手から血を流した。わずか12秒で、17人の馬賊全員が馬から落ち、列車の後方に投げ出された。その効果は機関銃掃射のようであり、むしろそれ以上だった。機関銃の発射速度は速いが、必ずしもここまで正確には撃てない。


 風が盧安(ルー・アン)を吹き抜け、髪の房が耳たぶのあたりで舞っている。彼は車の屋根に微動だにせず立ち、眼光鋭く、高い位置から馬賊たちを見下ろしていた。盧安(ルー・アン)は片手にパチンコを握り、もう一方の手でパチンコのゴムひもに挟んだ円刃を頬の近くまで引き絞っていた。日光を浴びた円刃は一筋の冷たい光を反射し、盧安(ルー・アン)の頬の上でひらめくと、飛ぶ虹となって再び残りの匪賊めがけて次々と放たれた。指は腰の匣とパチンコの間を、蓮の花が咲き開くように流暢かつ優美に動き、射撃を完了させる。


 車の屋根に立つ護衛たちは、盧安(ルー・アン)が二十秒のうちに強盗の半数を片付けたのを呆然と見つめていた。残った強盗たちはこの恐ろしい打撃に遭い、必死にかかとで馬の腹を蹴って逃げ去っていった。


 盧安(ルー・アン)が突然仕掛けた理由は、この馬賊たちが全く交渉する気がなかったからだ。それに、もし彼らが這い上がってくるのを待っていれば、盧安(ルー・アン)の手にかかって死ぬ馬賊はもっと多くなっていた。今は、ほとんどが落馬し、ひどいのでも手首を切断されただけで、とりあえず馬賊は誰も死んでいないはずだ。


 人をあまり殺さないために、盧安(ルー・アン)は先に手を出すことにした。そばにいた護送役人たちは盧安(ルー・アン)を見る目つきが少し乱れており、彼らはかすれた声で言った。「わ、若様、お見事なお手前です。つかぬことをお聞きしますが、江湖でのお名は?」


 盧安(ルー・アン)は答えた。「穿山甲(センザンコウ)だ。」

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