0530 潜伏する幽霊
力は山を抜き、気は世を覆う霸王も、戦馬、武器、そして江東の勇士たちがあってこそ、千軍万馬を薙ぎ払える。川辺に兵も将もなく、己を恃み誇るのみでは自刎するしかない。
地球の二十世紀、指揮官が千里のかなたで決断し、瞬く間に一国の全武装を破壊するには、衛星が必要であり、空軍基地が必要であり、一連の膨大な軍事兵站体系が必要である。もしこの指揮官が解任され、軍の営倉に閉じ込められれば、単なる匹夫になってしまう。
宇宙時代において、文明の単体意識は惑星上で誕生し、惑星全体の全ての生産を制御し、あらゆる戦艦と連携し、宇宙に来襲するすべての敵を一掃するが、依然として惑星上の物質に頼らざるを得なかった。
そして今、盧安が今日ここに聖臨したのは、何もない宇宙空間であり、強大でありながらそれを十分に物質で体現することができなかった。これはこの次元の盧安の悲哀であり、さらに飛船上の原初人類たちの悲哀でもあった。だから、ここにいる人類は眠りにつくことを選び、筒の中の人類に演じさせ、宇宙飛行が目的地に到着するまでそうしていた。
荊州4313号のここの人々は、自らここを荊州天下と称している。この飛船内の工業水準は第一次世界大戦レベルにあり、情勢は地球の戦国時代のようである。
ここは大争の世にあり、全部で六十三の国がある。最も強力な四つの国、趙、楚、斉、秦はすでに互いに一万四千年も争い続けており、その長さには驚くべきものがある。長い間決戦の場となってきた戦場では、土の中の骸骨が砂浜の貝殻のように多い。
ここの歴史は、国を立て、そして滅ぼし、復興し、また簒奪される……というものだ。趙を例にとると、何千年もの間、この土地は趙の国号を継承してきたが、皇室の姓はすでに何度も変わっている。新たに権力を手に入れた一族も、以前の国号をそのまま採用し、別の国号を立てることはない。それは、長い戦争の中で、国が最初の家族制から民族制の国家へと変わっていったからである。
新しい家族が権力を得た後、元の国号を使い続けて民族の人心を集める。これはヨーロッパのドイツやフランスで国家を統治した王族貴族に似ている。国号のような概念は、国民全員から称賛され、国民に共感を呼び起こす機能を果たす。その媒体自体には何の意味もない。紙幣自体に何の価値もないのと同じだが、貨幣の廃止が物々交換への回帰を引き起こすように、国民の理想を結びつける精神的な媒体が突然否定されると、国家が偉大な理想を完成させるために感情を交流する媒体も廃止される。それ以前には、国家の誰もが同じ媒体、同じ出発点を用いて、偉大さとは何かを説明することができた。
このような媒介を廃止した結末は、解体したソ連を参考にできます。赫魯曉夫(Nikita Sergeyevich Khrushchev)は権力を握るとすぐに斯大林(Joseph Vissarionovich Stalin)を否定し、赫魯曉夫が失脚すると、次に権力を握った者に否定される……ついには、葉利欽(Boris Nikolayevich Yeltsin)さえも戈爾巴喬夫(Mikhail Sergeyevich Gorbachev)の足を引っ張っていた。この偉人の名号を作り出して人心を凝集させることが好きな民族は、以前に人心を凝集させたその媒介を頻繁に否定し、それによって「絶対に破れない同盟」は思想が混乱し、攻められなくとも自壊する烏合の衆へと変貌した。
ソ連の結末はこのように総括できる。この媒介と指導者を結び付けないか、例えばアメリカのように宗教に結び付けるかだ。もし結び付けるのであれば、合格した人、すなわち規律を厳守し、死を誓って栄光を守り抜く指導者集団に結び付けなければならない。
一万年前、この国には八百の諸侯が存在し、長い歴史の中で国号を乱して変更したため、国号と民族の概念を結びつけられなくなった国家はすべて滅びた。盧安という分意識が配置されたこの国、国号は斉国である。人工知能はその出生集団を、進化速度が明らかに速い集団——皇室——に設定した。
盧安のこの分意識は路顓と呼ばれる。路顓の父親は今の皇帝と兄弟関係にある。この関係こそが、嫡子を巡る争いにおける高い死亡率を決定づけている。嫡子の座を勝ち取れば皇帝となり、敗れれば、勝者は他の兄弟が再び争いを起こすのを防ぐため、殺さねばならず、様々な口実を使って殺す。それゆえ、一度の対外戦争での失敗で、鉄道の整備を遅らせた後方支援を担当していた路顓の父親は、皇帝によって「涙ながらに」大義に基づき親族を処罰する形で、全国の軍民将兵に納得のいく説明を提供することになった。同様に、粛清されたのは路顓の父親が皇子時代に抱えていた数名の幕僚たちも含まれていた。
もちろん、路顓は口封じされなかった。つまるところ、ここの皇室は依然として家族制を重視している。皇室の家族は国内の他の家族と競争関係にあり、もし族内の若者を大規模に殺戮すれば、族内は衰退し、斉国の路家王朝は終わりを迎えてしまう。
もちろん、これも皇室の子弟が凋落しているためだ。この皇帝陛下は早年に人を殺しすぎて徳を損ねたらしく、数人の息子たちは様々な不慮の事故で挫折し、遊興に身を持ち崩すか、戦場で若くして命を落とした。路顓は比較的健康でまともな皇室の子弟である。
全体的に見て、路顓は今かなり成功している。趙明意が意識群における剣術と修行のまとめ役だとすれば、路顓はあらゆる意識群における重工業技術のまとめ役だ。路顓は父の資産を継いだ後、大規模な産業改革を行い、鉄鋼業の技術開発を主導し、数十社の重工・軍需企業を管理している。
路顓の経営は、すでに皇室にとって欠かせない一部となっている。毎年の正月には、皇帝陛下が自ら訪れ、実の息子のように路顓と親交を深める。そして路顓は毎年こう叫ぶ。「今年はより多くの大砲を、より多くの蒸気動力戦車を生産し、陛下のために最高の鉄甲艦を建造します」と。
路顓の工業地区での地位は非常に安定している。なぜなら皇室には本当に有能な者がいないからだ。本家の子弟に支配させることができれば、皇室の産業を決して外部の者に任せたりはしない。
「しかし、もし自分(路顓)に何か過ぎた考え、例えば謎の自信による王位簒奪のような衝動があれば……」路顓は、あの優しい皇帝の伯父はおそらくすぐに手のひらを返すだろうと考えた。
路顓の目には、「たとえ皇帝に残されたあの息子が臆病で愚かで、独りよがりであっても、やはり彼の息子だ。自分がどれだけ有能でも、やはり彼の甥に過ぎない」と映っている。帝国の軍隊をよく見れば、皇帝は暗黙のうちに、あるいは密かに数人の皇子が軍隊に介入するのを助けており、路顓には軍部の大臣を一人も紹介していない。
今、工場で機械を操作して鋼材の品質を検査している路顓は、布でほこりまみれの手を拭いた。京城のとある小新聞の内容を見て、路顓は嘲笑の笑みを浮かべた。
新聞には、宮廷の裏情報が記されている。「皇帝。甥たちに皇位を継がせる可能性を排除しない。」
「私の皇伯伯がそんなに寛大なはずがないだろう。あの従兄弟たちを牽制するために、私をこんな風に引っ張り出してこき使ってるんだ。」路顓は冷笑しながらつぶやいた。考えてもみろ、皇帝は昔どれだけの人を殺して、やっとのことで皇位にありついたんだ。路顓は、彼が年老いて精進料理に仏拝みをするようになったなんて信じちゃいない。
路顓は深く息を吸い込み、歯を食いしばって言った。「てめえ、死ぬ前に悪さをする気か?!こっちは争いたくないのに、てめえからちょっかいを出してくるんだ!」
確かに、宮中には多くの噂があるが、一つだけ本当のことがある——皇帝の体調が思わしくないことだ。
盧安は心の中で自分の手札を数え上げた。30万人の重工業労働者、600万人の関連産業の人員、帝国の軍需生産の7割、8000人の工場防衛隊。工場防衛隊は退役した古参兵や下士官で構成され、体制改革後、彼らの家族は工場の福利厚生制度に組み込まれている。鉱山や工場も含めて。もちろん、鉱山や工場は今や名目上は皇室や一部の大資本家の所有で、盧安は管理を代行しているだけだ。しかし、よく言われる「すべての権力をソビエトへ」の言葉がある。この世界では、ほとんどの人は盧安が工場の関連改革を行った後、労働者組織の構造にどんな裏の目的が仕込まれているのかを理解していない。
しかし、心ある人々には見えるだろう、改革後、工場の生産力は増加したが、路顓の工場労働者に対する統制力と影響力もまた強くなりすぎ、帝国内の多くの勢力が路顓を揺るがすことができないほど、皇帝さえも及ばないほどになった。
地球上では、まず思想があり、その思想の指導の下で厳密な組織が築かれる。しかし路顓は今、すでに先に組織を作り上げ、管理の中で多くのキーワードとキーコンセプトを浸透させている。これらの私的な意図は、特別な言葉で置き換えられている。これらの言葉が描く思想は、まるで琵琶を抱えて半ば顔を隠すかのように、今は皆が安定した生活を送っているため、これらの言葉の全体的な意味を連想することはないが、いざ安定が覆された時には、路顓に最終的な解釈権がある。
盧安が小さな新聞を石炭ストブの焚き付け用の紙の束に放り込み、急いで食事に向かった後、遠く千里離れた斉国の首都。権力の中枢である宮殿の中、ある暖房で斉国の皇帝が激しく咳込み始めた。
この皇帝は威厳を失わない顔立ちだが、長患いで青白くなっている。今の皇帝はまるで年老いた虎のように、息遣いは弱いものの、威厳はなお健在だ。
彼は一束の手帳のような秘密報告書を開いた。これは皇帝直属の特務が収集した情報で、王公大臣たちのあらゆる探査記録がここにあり、もちろん、遠く千里離れた工場で「間抜けに」鍛冶仕事をしている皇甥も含まれている。
この密報には、路顓の工場における私兵の状況と、沿海の官僚や海軍将校との一連の交流が記録されている。皇帝は路顓の報告書を見て、習慣的に眉をひそめた。
帝国内において、路顓に対する皇帝の態度は複雑であると同時に単純でもある。複雑なのは、路顓に能力があるため、その能力が大きくなりすぎず、分をわきまえることを望んでいる点だ。そして単純なのは、路顓が全心全霊を傾け、鞠躬尽瘁、死して後已まんことを期して、己の息子を補佐することを望んでいる点である。
皇帝は路顓に関するこの最新の密報を開いた。複数の密偵が述べるところによれば、宮廷で噂が流れた後も、路顓には明らかな異常は一切見られず、他の権臣と連絡を取ったり、他の家族と結びついたりすることもなかったという。
路顓に野心の表れがないことを確認すると、皇帝の眉はわずかに緩んだ。
これからの数通の密報には、彼の数人の息子たちの悪行が記録されており、またこの皇帝を激怒させて血を吐かせた。




