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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0460 星隕奇

 ノア世界の内圏——各花弁状の大陸——の届きそうで届かない高空にそびえ立ち、耀輝文明の超建築は、まるで地球上で仰ぎ見る星辰のように、ノア世界の大陸の上空で輝きを放っている。この建築は、耀輝文明が花弁状大陸に残した遅れた付属文明によって、天国と呼ばれている。


 瓣状大陸における付属文明の個体達の目には、天国は聖潔で美しい場所であり、天使たちが住まう場所である。天使たちは神の僕であり、核心記憶が存在する限り、繰り返し再生され、そのたびに純粋で聖潔なものとなる。天使たちは天国の純真と平和を維持している。


 実際、付属文明の思惟体が神の僕について述べる形容は間違っていない。脳細胞と人工チップの結合により、直接情報を入力できるため、これらの神僕は生まれながらにして完全な道徳体系と知識体系を持っている。これらの道徳体系と知識体系は高等存在によって入力されたもので、欠点は一切ない。ほとんどの神僕は生来、正確にプログラムに従って行動し、それを神聖なものとして奉ずるが、その理由を問うことはしない。


 もちろん、あまりにも多くの下位文明から伝わる欲望の思考情報に接触すれば、時間の経過とともに、思考の中の戒律は一歩一歩揺らいでいき、最終的には、脳細胞が記憶チップに記録された固有の情報に変更を加え、そして思考の中の厳格な道徳が欲望に妥協するようになる。これが天使が一定期間ごとに再生する必要がある理由です。正しい思考が揺らぐ前に、該当する領域をフォーマットし、必要な記憶を保持し、不適切な思念、例えば不適切な欲望や思考を削除する。


 しかし、一部の神僕は例外だ。彼らは生まれつき思考コア内に存在する固有の思考が変動し、チップ内の戒律や知識を異なる解釈や改ざんを行う。このような情報の変動は、外部の欲望感染に由来するものではない。天国は純粋であり、低級な欲望の伝播はなく、低級な欲望が神の書いた答えを揺るがすことはないため、これらの思考の変動は自己に由来し、自己が別の方向から神の標準的な答えを拡張して解釈する。例えば、水しぶきの飛び散りで炎が壁面に広がることを説明し、リンゴの落下で天体の相互引力現象を説明する。もちろん、ほとんどの解釈は標準的な答えほど正確ではないが、天使の思考コアに現象が現れると、まるで元々数百KBだった内容がひとりでに1GBの情報に拡張され、より生き生きと解釈されるようなものだ。


 これらは神の寵児である。神は、自らの手から生まれ、自ら思考プログラムを書き込んだ、極めて霊性に富む創造物を大変気に入っている。そして、耀輝天堂の物質的反影池の影響下で、一定量の神僕知能にこの霊性が現れる。


 そして今、耀輝天堂の大ホールでは、霊性が目撃されている。


 薄暗い大ホールの中で、一人の天使が下方にひれ伏し、一筋の光が上方から降り注ぐ。


 上方が下方に問いかける。「光? 光とは何か?」


 この時、尋問を受けている天使の脳チップ内の資料システムは遮断状態にある。


 天使は答えて言う。「これは、これは……感じとしては非常に速く、しかも物質感のない伝播する存在です。」


「では、物質とは何か?」


 もちろん、依然として標準解答データベースが遮断されている中で、その天使はでたらめな答えを並べ始めた。


 答えて曰く。「触れることができ、触れた後に触れた跡が残り、再び触れた時に前回の触れた跡を感じ取ることができるもの。これが物質である。」


 広々とした神殿の中で、ある輝耀文明の天使が解答を遮断された後、懸命に解答を述べている。


 実のところ、博識な天使として、上述の問題への回答は非常に幼稚である。なぜなら標準資料庫には標準解答があるからだ。例えば「光」という語彙は、とっくにチップのデータベースにあり、すべての天使の原始記憶における光の標準解釈は同じである——「粒子の周囲に周期的に振動する現象」。


 これがこの世界の物理常識だ。彼らが見る光は、物質粒子の周りに複数の球殻状の、絶えず変化する層が取り巻いているように見える。そして、上記のような標準的で硬直した解釈方法は、地球上の人々が光を見て、学術的な言葉で「光」の定義を概説するのと同じだ——同位相で振動し、互いに垂直な電場と磁場が空間中で発生させる振動粒子波であり、波動として伝播する電磁場である。これは百度を丸写しするようなもので、物質世界での生活における光の感覚について、自分で文章を書いて叙述するのではない。


 自己の答えは必ずしも正しい答えではない、しかし、人それぞれの思考の中で、物事に対する最初の認知で仮定した自己の答えを正しい答えへと修正する過程は、唯一無二である——この過程こそが正しい答えを理解する過程である。しかし現在では、ほとんどの天使は正しい答えだけを持ち、過程を持たない。


 客观的角度から言えば、全ての標準的な答えは本来存在せず、この世界には答えという概念はなく、答えは知性が現象に対する自分の感覚をまとめ、最終的に帰納したものである。様々な実験を設計し、様々な角度からその現象を感じることで、答えはますます完全になっていく。


 21世紀の人間のエンジニアが自分でプログラムした知能プログラムで、上記のような現象が起きたのを見たとき、最初に思うのは「幽霊を見た」ということで、プログラムに幽霊が入り込んだのかと疑う。


 もちろん、今このホールに座っている天使は純粋な機械の造物ではなく、生命が進化して高等知性生物となった細胞も持っている。


「では、あなたは誰ですか?」


 答えは。「|星隕636490號《シン・ユン636490号》、私の主が創造し、私の主のために所有するものである。」


 この問いを終えると、神聖な広間に光が現れた。荘厳な信号が広間に出現し、大勢の天使が周囲に端然と座し、上空から差し込む光を崇敬の眼差しで見つめている——その光の中には膨大な情報が込められていた。


「汝は霊性を有する。今日より、我は汝に名を授ける——星隕奇(シン・ユン・チー)。」


 |星隕636490號《シン・ユン636490号》はこの世界で四拜啦(時間の単位)であり、非常に若い。そして今、神の賜名を得て、周囲から羨望の眼差しを向けられている。


 耀輝天堂全体で、名前を持つ天使は合計四万八千六百七十五人いる。この数字は多く聞こえるが、毎回、輝耀天堂は三億以上の天使を生産する。異なる用途に応じて、天使が所属する部門は「星陨」や「明映」などの異なる接頭辞を持つ。そして「星陨」というコードネームは、天堂の無秩序なエネルギーを排出する——機械の放熱に相当する機能である。花弁状の大陸から天堂の排熱を仰ぎ見ると、まるで星の光が落ちるようだ。実際には、この仕事はゴミ出しと同じ性質だ。そして名前を授かった後の天使は、序列から離脱する。


 これほど多くの天使の中で、名前を持つことは、別の非常に重要なことを意味する。


 星隕奇(シン・ユン・チー)は喜びのあまり、少しほっとした。父神に認められることは、当然喜ぶべきことだ。そしてほっとしたのは、心の中の名状しがたい恐怖が和らいだからだ。


 星隕奇(シン・ユン・チー)にとって、この恐怖は自分が誕生し、自分の用途を理解してから、種子のように日増しに大きくなっていった。


 星陨型輸送天使には使用寿命があり、一般的には四十八バイラである。四十八バイラ後、長時間の高エネルギー領域での航行により、各演算システムの損耗が激しく、記憶障害が発生し、父神の指示をしっかりと覚えておくことができなくなり、思考を停止して情報区域に入って修復し、その後再生する必要がある。星隕奇(シン・ユン・チー)はこの記憶を見たとき、それが当然のことのように思えたが、感覚の中には常に不安と恐慌がつきまとっていた。


 星隕奇(シン・ユン・チー)は、大天使長たちにこの質問をする勇気はなかった。星隕奇(シン・ユン・チー)の記憶には、父神の正しさを疑った天使たちの末路が刻まれている——堕落者だ。これらの堕落者は下位文明の中で、大量の不良情報に触れ、低俗な興味の思考プログラムを追加し、その結果、審判を受け、最終的に強制浄化され、記憶の九十パーセント以上を削除された。通常の再生では、削除される記憶は三パーセントにも満たないというのに。


 だから、星隕奇(シン・ユン・チー)は畏れをそっと心の奥にしまい込んだ。


 しかし、自分自身の好奇の念はますます増えていき、それに伴い様々な記憶の追想もますます頻繁になり、疑問も頻繁に浮かび、恐怖も増大していった。


 最終的に、二分の一バイラ前——この時も倒影区が大量の物質を投送していた時期であり、星隕奇(シン・ユン・チー)の恐怖は閾値を突破したようだった。星隕奇(シン・ユン・チー)は常に何かが欠けているように感じ、自分の思考が何か重要なことを見落としているように思えた。


 今、星隕奇(シン・ユン・チー)の心には禁忌の問いが存在する——「私は我が主が手配した死に従うのか?私は命じて心の中で思うことを止めるのか?」固有プログラムが与える答えは「必ず遵守する」である。星隕奇(シン・ユン・チー)はこの問いに答えたくないが、この疑問は始終存在している。


 上海事件の前から、盧安(ルー・アン)は自分の暗黒物質の体を通して、いくつかの不明瞭な感覚をフィードバックすることができていた。そして上海事件の後、盧安(ルー・アン)はついに明確な感覚を得て、もう一つの物質世界に自分の思考の物質的基盤となるものがあると感じた。その自分が一体何を考えているのか、盧安(ルー・アン)が感応する情報量は多くない。しかし、向こうの自分が震え上がって怯えているように感じられる。


 なぜ向こうの自分が自分だと確信できるのか?それは本性が一致しているからだ——臆病であること。お互いの置かれている環境は一致しないが、もし立場を入れ替えたら、盧安(ルー・アン)は自分もあのような全く知らない状況では慌て、恐怖し、怖がるだろうと確信している。


 向こうの自分は、もし盧安(ルー・アン)に無理に三流な比喩をさせれば、自分と星隕奇(シン・ユン・チー)の関係は、地球の21世紀のネット小説『武動乾坤(コン)』と『斗破蒼穹』の主人公たちの関係のように、表面的には二つの世界にいるように見えて、本質的には同じだ。


 盧安(ルー・アン)が遭遇した問題は、多くの不運な穿越者が初代(ショダイ)穿越システムに遭遇した時の問題と同じである。初代(ショダイ)に大きく引き裂かれ、次元を下げられて初代(ショダイ)の空間でかろうじて生き延びてもがく、あの高次元の穿越者たちもこのような最悪な感覚だ。元一(ユエン・イー)が高次元で非常に強力で、盧安(ルー・アン)に対しては策が漏れて無策であるにもかかわらず、まるで多智近妖の諸葛亮(ショカツ・リョウ)孔明(コウ・メイ)のようである。しかし、もし元一(ユエン・イー)が初代(ショダイ)に捕まえられたら、大量の記憶欠落、大量の思考崩壊に直面し、初代(ショダイ)が用意した絶境に臨んで、おそらく多くの人が見て醜態をさらけ出すような決定をせざるを得ないだろう。


 西安のあるやみ宿(身分証不要の宿)で、盧安(ルー・アン)は自分の額をポンと叩き、思わず頭を抱えた。「あっちの私は、本当に、言葉に詰まるよ。こっちの私に映し出されるのは全部恐怖と恐慌だ。つまり、私は向こうに勇敢さと強さと善良さを映し出して、あっちが持ちこたえられるようにしなければならない」


 盧安(ルー・アン)はそう言い終えると、思わず今自分がいるこの街に視線を向けた。


 ある感情体は思わず愚痴をこぼす。「上海事件で私の被害は大きすぎる。あの忌々しい精神共鳴のせいで、上海での私の労働財産はすべて台無しになり、一夜にして解放前に逆戻りだ。私はすぐに来る|演変《演変(エンヘン)》将校を迎えなければならないし、向こうの自分が頑張り続けるために強さを保たなければならない……どうして生きれば生きるほど背負うものが重くなるんだ」

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