0218 二人の将校
盧安は土井から這い出て、頭の汗を拭った。
城には必ず井戸がなければならない。さもなければ包囲された時に飲み水に困って終わりだ。そして井戸を掘るのは骨の折れる仕事で、井戸の下は蒸し暑くて湿気が多い。もし盧安が自ら井戸に下りなければ、全体の仕事は非常に遅くなったかもしれない。
今のきつい仕事は、盧安が全て参加した。于憾三人の件で盧安は深く悟った教訓がある。それは、決して人に恨まれてはいけないということだ。
井戸を掘る時、盧安は最初に下りた。城壁を築く時、盧安は水車を作り、水力で土を突き固めた……要するに、盧安は傍らで果物を食べながら横になって、他人の仕事を見ているようなことはしなかった。
これにより、盧安は槐国全体で勤勉さと知恵により賢徳の名声を得ることになった。元一の報告によると、盧安は白晉がこの位面に絶対服従する兵士をわずか15人しか持たないことを知った。この15人は他の任務も抱えているため、分散している。槐国での良い評判を保ちさえすれば、憾事が起こることはないだろう。
盧安は自分の身を守るためにこれらのことをしたに過ぎないが、他の面で損をしたわけではない。食べるべきものは食べ、飲むべきものは飲んだ。水は沸かした泉の水だけを飲み、肉は獣の脚の肉だけを食べ、米は自分で石臼で挽いた餅だけを食べた。食は精を厭わず、膾は細を厭わず、寝るための草の敷物は毎日外に干し、住んでいる土の家は大きくはないが、炎で焼かれており、中に湿った臭いは一切なかった。
盧安が計算したところ、自分一人の消耗は他の人よりはるかに大きいが、彼は何の落ち度も残さなかった。なぜなら槐国の各方面の建設には、すべて盧安の影があるからだ。于憾の怠惰とは異なり、今の盧安は非常に自己規律が厳しく、そのため白晉でさえ憂鬱に感じるほどだ。
盧安が上へ下へと忙しく立ち回るのを見て、農作業を終えて休息し農閑期を楽しもうとしていた白晉は、盧安がまた簡易水車を作り出したのを目にすると、やむを得ず再び石のシャベルを手に取り、魚の池を掘り始めた。白晉は盧安のところへ行って愚痴を言いたくてたまらなかった。「なあ兄弟、そこまでしなくてもいいだろう。」
白晉は今や確信していた。盧安は絶対に同盟勢力の転生者だ。規則に阻まれ、盧安が自ら身分を明かさない限り、白晉は現地人に対するのと同じやり方で盧安に接するしかなかった。
|演変《演変》士官は自分の行動を妨害する現地住民に対して、陰謀や暗殺を用いることができる。低ランクの|演変《演変》士官はそれを好むが、白晉は今、盧安に対して非常に警戒している。なぜなら白晉は、盧安が戦闘員であり、時空傭兵は力を交換できることを知っているからだ。白晉はこれまで盧安の超能力が何かを発見できていないが、自ら恥をかくことは避けたい。陰謀で盧安を排除する?それも不可能だ。盧安は現在、勢力の中で完璧な人間であり、汚点をつけられない。
低等|演変《演変》軍官は任務を主導する時に自由にふるまいたい。白晉はこの世界の原住民を気軽に指導し、原住民の崇拝を受け、気軽にこの勢力を率いたい。しかし、白晉は今は自由にふるまえず、盧安は権限委譲では非常に協力的だが、盧安は今退職の準備でさえこれほど真面目に取り組んでおり、後継者としての白晉に高い道徳的基準を設けている。
この社会の時代はまだ原始社会であり、部族の中で能力のある者が王となる思想が残っている。もし完全に封建時代に入れば、それは血統による世襲制であり、後継者が過ちを犯さなければ、順調に地位を継ぐことができる。堯・舜・禹の禅譲制度は美談とされるが、歴史的には、堯の死後、その子の丹朱が位を継いだが、三年の間、臣下たちは舜に謁見しても堯には拝謁しなかった。舜は大禹の父を殺し、また大禹の治水の功績は非常に大きかったため、舜の子の商均は帝位にふさわしくないとされた。舜が大禹に位を譲ったことは、封建時代では想像もできないことである。孔子の言葉によれば、君主は君主であり、臣下は臣下であり、もし臣下が有能だという理由で皇帝の地位を取って代わることがあれば、「功高くして主を覆う」という言葉は存在しなかっただろう。
農閑期になると、白晉は自分がじっとしていられないことに気づいた。盧安が祭天などの様々な権限を彼に押し付けたため、白晉は今、自分が手にしたのは権利ではなく、盧安が厄介払いした面倒事だと感じている。
高さ3メートルの水車が水流の中でゆっくりと回転し、盧安と一群の士たちは筆に水墨をつけて木板に水車の製造工程と運転状況を記録していた。
この光景を見た白晉は、苦笑しながら光幕に向かって尋ねた。「|演変《演変》!もう十分観察した。今、推測があるんだが、あいつはあなたが私を監督するために送り込んだ人なんじゃないのか?そこまで私を信用しなくてもいいだろう?もし20年の任務中ずっと、この疲れ知らずのおやじにプレッシャーをかけられ続けたら、俺は気が狂ってしま宇田ろう。」
「あなたの抗議は無効です。今回の任務には死亡の可能性があります。慎重に対処してください。」|演変《演変》は光幕に表示した。「友情ヒント。この世界の力ではないものを使っている不審な対象の証拠を探してください。」
「証拠を見つければ彼を追い出せるのか?」
「証拠を見つけたら、彼と対話し、あなたと王強のタスク対抗から離脱させる。」
白晉はうなずき、それから苦笑しながら言った。「探したが、本当に見つからなかった。」
確かに白晉は盧安を見張っていたが、盧安の超能力の使い方はあまりにも巧妙だった。例えば、米を挽いて餅を作る際、盧安は超能力で機械エネルギーを導き入れ、本来なら一時間かかるところをわずか三十分で米のペーストーーにしてしまったが、白晉は一緒に挽いていなかったため気づかなかった。井戸に降りてレンガを積む際、盧安は導力経絡を使って筋力を強化していたが、白晉は作業環境の悪さを嫌って一緒に降りなかったため、やはり気づかなかった。レンガ窯を焼く際、盧安は皮膚の周囲に無障壁膜を張り、運動エネルギーが内部エネルギーに変換されるのを防ぎ、熱エネルギーも無障壁膜の外へ拡散しなかったため断熱できたが、白晉は暑さを嫌って一緒に入らなかったため、これにも気づかなかった。
その他の普通の生活環境では、盧安の走りや跳躍は一般人と同じように見える。これが前回の任務で盧安が成長した点であり、自分の持つ超能力に対して実用的な態度を貫き、誇示する態度を取らなくなったのだ。もしもまだ誇示する心があれば、人前で周囲と違う部分を自然に隠すことなど到底できなかっただろう。
今の白晉は、道徳と勤勉の競争に巻き込まれてしまった。
もちろん、白晉の悩みは|演変《演変》空間にとって問題ではない。|演変《演変》にとっては、任務さえ誰かが遂行すればそれで良い。盧安の今の行動は|演変《演変》の怒りを買うどころか、むしろ|演変《演変》が喜んで見ているものだ。この点において、|演変《演変》も元一もどちらもブラックな雇い主である。
北の龍部落では、王強たちが于憾三人を殺し、クーデターを起こした。
王強が今頼りにできる力は、自分に従って蜂起した奴隷軍であり、一方、龍部落の旧勢力は于憾三人と共に他部族を征服する中で成長してきた。新権力階級と旧権力階級の衝突は、王強を大いに悩ませた。そこで王強は各長老を招いた。
その夜、各派閥の長老たちが集まった。祭祀の篝火の前で、王強はそれぞれ思惑を持つ龍部の実力者たちを見渡し言った。「皆さん、よくわかっています。あなた方は私のことを気にかけておらず、中には結託して私を倒そうとしている者もいる。今、皆さんに一つ機会を与えましょう。」
王強は遠くない祭壇に差し込まれている二本の石刃の剣を指さして言った。「天神の祭壇の前に二本の剣がある。私に挑戦したい者は一本を取り、私はもう一本を取る。戦い、敗れた者は心臓を神に捧げ、生き残った者がその地位と全財産を継ぐのだ。」
先住民の元老が言った。「お前のような奴隷が、我々と戦う資格があると?」
「天神の意志だ、天神が私に勇気と力を与えた。もし私の力と勇気に疑問があるなら、その力、思い知らせてやろう。倒れた者は天神の御許へ還る。お前はどうだ?」王強はその先住民の元老を指さし、冷笑して言った。「臆病者は騒ぎ立てるだけ、臆病者の心臓は犬に食わせるのが関の山、神の御前に供える価値もない。」
「まったく腹が立つ……」この原住民の元老は侮辱されたと感じ、すぐに立ち上がって言った。「神がお前に力を与えるはずがない。私がお前を斬り捨ててやる。」この原住民の元老は土台に上がり、土台にあった石刃の短剣を抜き、王強もすぐにもう一振りを抜いた。
二人は祭壇の上で互いに見つめ合い、突然、この元老が飛びかかり、短剣を王強の首めがけて振り下ろした。王強は素早く一歩後退した。|演変《演変》空間で交換した強靭な炭素ベースの肉体には追加の力は付与されていないが、こうした身体能力頼みの戦いでは非常に優位だった。
王強は一歩下がり、三度かわし、相手の原住民の三太刀はいずれも空振りに終わった。そして王強は矢のように一歩踏み込み、一突きでこの原住民の心臓を貫いた。
この先住民が倒れた後、王強は彼の心臓を取り出し、舞台の下に向かって叫んだ。「これは勇者の心臓だ。天神が受け取った。まだ誰かいるか?勝者はすべてを手に入れ、敗者は心臓を神に捧げる。挑戦を恐れる臆病者は素直に服従しろ。」
この夜は血の夜だった。血が王強の全身を覆い、王強は合わせて十六人の挑戦者を殺した。最後の挑戦者が胸を切り裂かれると、もはや挑戦する者はいなくなった。
「もう誰もいないのか?!」王強は三度叫んだが、群衆は互いに顔を見合わせるだけだった。突然、王強の配下の兵士の一人が先頭に立って叫んだ。「神の戦士こそが王となるべきだ。」
群衆は同調しやすい。十六人の勇者が殺され、配下の兵士たちは皆茫然自失の状態にあった。王強が立て続けに十六人を殺すのを見て、彼らも王強が本当に神に選ばれたのではないかと疑い始めた。そして、この叫び声で、彼らははっと祭壇前で神に誓った「勝者は敗者の全てを手にする」という誓いを思い出し、「王に従え」と叫び始めた。
同調する者はますます増え、ついに異論はなくなった。王強はほっと一息つき、とりあえず龍部落の統治権を掌握した。




