エルフ王国到着
僕達はアニム王国の武術大会に現れた魔族達を討伐した後、レオン国王に王城に呼ばれた。そこで、僕達のことや中央大陸や東大陸の国々ことを話した。レオン国王はこのからのアニム王国の進む方向性を見出したようだった。そして、僕達は王城を後にした。今、ベンガルとともに王城の外にいる。
「シン殿はこれからどうするつもりかな?」
「ここからだとドワーフ族の国とエルフ族の国のどちらが近いんですか?」
「エルフ族の国ですね。ここから北西に行くといくつか街がありますが、それを越えてさらに進んで行くと大きな森が広がっています。その森全体がエルフ族の国です。ですが、エルフ族の国には女王の許可を得た者以外は入れませんよ。」
「なるほど、それで攫われた子ども達の中にエルフ族がいなかったんですね。」
「メアリー殿の言う通りですよ。」
「ああ、そうだ。ベンガルさん。これをこの国のために使ってもらえませんか?」
僕はレオン国王からもらったお金をベンガルに渡した。
「どうしてこのお金を私に?」
「ベンガルさんはこの国のいろんなところを旅してるんですよね?なら、この国のどこにお金を使えばいいかよく知ってるんじゃないですか?」
「それはそうですが、いいんですか?」
「ええ。僕達が持っていても使い道がありませんから。それより、人々の役に立ててもらった方がいいですからね。」
「そうですか。それではありがたく使わせていただきます。」
僕達はベンガルと別れてエルフの国を目指した。僕達がエルフの国を目指して歩いていると、ベンガルが言った通り馬耳族の街と栗鼠耳族の街があった。僕達が魔族を討伐したことがすでに知れ渡っているようで、どの街にも大歓迎で迎えられた。ところが国境までの最後の街である牛耳族の街で困ったことが起こったのだ。
「ギン。なんかこの街の女性がみんな僕を見てくるんだけど。」
「どうしたんでしょうね?」
すると、胸の大きな女性が声をかけてきた。
「あなた達は魔族を討伐した英雄さん達ですか?」
「そうですけど。」
すると、その女性がいきなり僕の手を握ってとんでも発言をしてきた。
「あの~。あなたの子どもが欲しいんですけど。ダメですか?」
するとマギーが怒鳴った。
「あなたいきなり何なのよ!」
「すみません。無理ならいいんです。」
女性は走って行ってしまった。すると、メアリーがもじもじしながら言ってきた。
「シン君。もしかしたら、彼女達は発情期かもしれません。」
「えっ?!」
「私も本で読んだだけですから詳しいことは知りませんが、年頃の獣人族は年に一度発情期を迎えるようなんです。そこに、魔族を討伐した英雄が現れたんですから。」
するとマギーが僕を守るように前に出た。
「シン!早くこの国から出ましょ!危険よ!」
「どうしてマギーがそこまでムキになるんだよ!」
「わ、わ、私は別にシンが誰と子どもを作ってもいいんだけどね。ギンやメアリーが悲しむでしょ!」
すると、ギンがマギーに言った。
「マギー!私とメアリーさんのせいにするつもりなの?マギーだってシン様が他の女性と子どもを作るのは嫌なんでしょ!」
「そうですよ。マギーちゃん。酷いわ。」
なんかメアリーはもじもじしながら言っていた。
「大丈夫だから。僕はまだ未成年だし、そういったことにはあまり興味ないからね。」
すると、3人が驚いた顔で僕を見た。そしてメアリーが真っ赤な顔をして聞いてきた。
「シン君は女性に興味がないんですか?」
メアリーの質問にギンもマギーも僕をじっと見ている。
「まったく興味がないわけじゃないよ。ギンやマギーがお風呂に入ってきたときはドキドキしたし、メアリーが手を繋いできたときもドキドキしたからね。でも、なんていうかな~。
他の女性にはドキドキすることがないんだよね。」
3人の顔が一気に輝いた。
「シン!疲れてるわよね!後で肩揉んであげるわね。」
「私は足を揉んであげるわ。」
「なら、私は昔みたいに膝枕させていただきます。いいですよね?シン様。」
なんかこれはこれで少し厄介だ。でも、悪い気はしない。彼女達は僕のことを大切に思ってくれているんだから。僕も彼女達を幸せにしてあげたいと思った。
「シン様。いよいよ大森林です。」
「シン君。私達女王様の許可なんてもらってないわよね?ベンガルさんが言った通りエルフ王国にたどり着けなかったらどうするの?」
するとギンが答えた。
「メアリーさん。大丈夫ですよ。私達がここに来てることはすでに女王様に伝わっていますから。」
「えっ?!どうして?」
今度はマギーが説明する。
「私達は大精霊達の知り合いなのよ。すでに精霊達が伝えているんじゃないの。」
「なるほど~。そういうことか~。」
僕達は森に入って行く。不思議なことに目の前の木々が僕達を避けて道を作ってくれる。僕達はその道をただひたすらに歩いた。どれほど歩いただろうか、木々に覆われていて時間の経過が分からない。
「暗くなってきましたね。どうしますか?」
「魔物もいないようだし、ここで野宿でもしようか?」
「え~!こんなところで寝るの~!魔物の森の家に行きましょうよ。」
そんな話をしていると、僕達の目の前に青く丸い輪が現れた。その中からエルフの男女が現れた。
「シン様御一行とお見受けしますが。」
「そうですが、お二人は?」
「申し遅れました。私はエルフ王国第1王子のアノーリオンといいます。」
「私はエルフ王国第1王女のアリエルといいます。」
「もしかして道案内に来てくれたんですか?」
「はい。女王アイナノア陛下に命じられて参りました。」
「ありがとうございます。」
僕達が青く丸い輪の中に入ると一気に景色が変わった。恐らく転移魔法の魔法陣だ。
「シン様。到着しました。王宮で女王陛下がお待ちです。」
「わかりました。一緒に行きましょう。」
僕達は王宮の謁見の間に行った。そこには物凄く奇麗な女性が玉座に座っていた。
「よくぞお越しくださいました。お待ちしていましたよ!」
「やはり大精霊さん達から聞いたんですね。」
「その通りです。大精霊様は皆さんのことを自慢げに話してくれましてね。早く会いたいと思っていたんですよ。」
「そうですか。」
「精霊女王様も会いたがっていましたから、明日にでも世界樹に参りましょう。今日はこの王宮で歓迎会を準備していますので。」
「ありがとうございます。」
どうやら僕達がここに来ることを大分前から知っていたのだろう。その後、僕達はそれぞれの部屋に案内された。




