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神様修行の旅  作者: バーチ君
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アニム王国の国王レオン

 僕達が武術大会を観戦していると、猿耳族の男から魔族の魔力とオーラが溢れだした。その陰から4人の魔族も飛び出した。魔族は四天王シリウスの100人隊長サガンとその配下だった。僕達は魔族達を討伐した。すると、ベンガルと馬耳族の男がやってきた。さらに貴賓席から慌てて王族達も降りてきた。



「私はこの国の王のレオンです。もしや、あなた様は神様なのでしょうか?」


「いいえ。普通の人族ですよ。」


「ですがそちらはフェンリル様とお見受けします。それに天使様まで従えていらっしゃるではありませんか。」


「ああ、そうでしたね。でも、僕達は主従ではありませんから。みんな旅の仲間なんですよ。」


「それは誠ですか。ところで、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」



 すると、ベンガルが代わりに答えた。



「国王陛下。この方はシン殿ですよ。」


「そうか。シン殿か。是非、王城にお越しいただきたい。話を聞かせてください。」


「わかりました。ではお伺いしましょう。」



 その後、武術大会はベンガルが優勝ということになった。優勝したベンガルとともに僕達は王城に行った。その途中、ベンガルがいろいろ聞いてきた。



「シン殿。もしかして、ジパンに現れた魔族を討伐して内乱をおさめたのはシン殿達ではないのか?」



 僕が困っているとマギーが正直に言った。



「そうよ。私達よ。ナルシア王国の魔族を討伐したのもね。」


「やはりそうであったか。それで、タカモリもシズヒサ様も無事だと知っていたんだな。」


「そうですね。黙っていてすみません。」


「何か事情がるんだろうから、別にいいけどな。ところで、シン殿は本当は何者なんだ?それも秘密なのか?」


「いいえ。本当に僕も知らないんです。自分では人族のつもりなんですけどね。」



 するとギンが答えた。



「シン様は記憶がないんです。これは本当ですよ。」


「そうなのか。だが、俺にはシン殿が普通の人族には見えんがな。」



 そんな話をしていると王城に着いた。王城では謁見の間ではなく応接室に案内された。そこにはレオン国王とライネ王妃がいた。



「おお、来てくれたか。そこに座ってくれたまえ。」



 すると、レオン国王は執事に命令して大きな袋を用意させた。



「何ですか?これは。」


「これは感謝の気持ちです。受け取ってくれませんか。」



 どうやらお金のようだ。受け取ろうかどうしようか迷っていると、マギーが国王に言った。



「ありがとうございます。遠慮なくいただきます。」


「マギー!」


「いいじゃない。お金はあっても困るものじゃないし、それに自分達のために使わなくてもいいんだからさ。」



 確かにマギーの言う通りだ。困っている人達の役に立てるかもしれない。



「わかったよ。マギー。」


「レオン陛下。遠慮なくいただきます。」


「ところで、シン殿達は旅をしているようだが、他の国の話を聞かせてくれないか。」


「いいですよ。」



 それから僕達は中央大陸の話、東大陸の話をした。すると、レオン国王は不安そうな顔で聞いてきた。



「シン殿。太古の昔、魔族と他の種族の大戦争があったことは知っているかね。」


「はい。聞いています。」


「そうか。何やらシン殿の話を聞いていると、再び魔族が戦争を起こしかねない様子なのだが。」


「そうならないように僕達は旅をしてるんですよ。」



 するとマギーがレオン国王に言った。



「誤解しないで欲しいんですけど!戦争を起こしたのは魔族じゃなくて、一部の魔族ですから。魔族の中にも平和を望んでいる者達もいるんだから!」



 するとベンガルが不思議そうに聞いた。



「何やらマギー殿は魔族に詳しいようですな。」



 マギーは言葉に詰まってしまった。ここでギンが説明した。



「マギーは堕天使族です。確かに魔族ですが戦争を嫌っています。他の魔族達にも同じように戦争を嫌っている者もいるんです。それに、マギーはいろんな国で善行を施して、今は天使族に戻りかけていますから。」


「そうだったのか。すまない。わしは魔族全体が争いを好むものだと思っていたが、違ったようだ。本当に済まない。」


「いいえ。わかってもらえたらいいんだけど。」



 そして、レオン国王は真剣な顔つきで僕達に聞いてきた。



「シン殿達は様々な国を見てきたようだが、この国におかしな点があれば率直に教えて欲しい。」



 僕は何と答えようか悩んでいたが、ギンがレオン国王に説明した。



「全体的に見てこの国の文明はかなり遅れています。それに、武術大会を見ても分かりましたが、命の重さが分かっていません。」



 これにはレオン国王もライネ王妃も悲しそうな顔になった。



「やはりそうか。中央大陸との貿易を通して感じていたよ。この国の文明が劣っているとな。どうすればよいかの~?」



 そこで、僕はベンガルを見て言った。



「文明が劣っていること自体が悪いわけではありません。ベンガルさんも知っている通り、東大陸のジパンは中央大陸の国々よりも文明は遅れています。ですが、国民達はみんな元気で街が活気で溢れています。」



 レオン国王が身を乗り出して聞いている。僕は話を続けた。



「東大陸の人達は幸せの意味を知っているんですよ。お金や権力よりも他人の笑顔こそが自分の幸せだと思っています。この国でも同じ考えの人達がいます。ですが、獣人族はプライドが高すぎて、強さに執着しすぎているのではないでしょうか。」


「シン殿の言う通りだな。先代の国王が種族の壁を取り除いた。ならば、わしはこの国の国民の意識を変えよう。強さよりも大事なものがあるとな。」


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