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神様修行の旅  作者: バーチ君
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港町ヤオズに到着!

 僕達は王都オリントを出発した後、アルカンに寄った。そこで、学園の先輩だったランボとステラに会った。ウエスト公爵家とノース公爵家の2人が結婚したと聞いて凄く嬉しかった。どうやら、アルベル王国にあった公爵家同士の勢力争いはなくなったようだ。そして、港町ヤオズの手前までやって来た。



「潮の匂いにゃ!」


「そうね。」


「美味しい海鮮料理あるかな~?シン!早く!早く!」


「マギー!坂道を走ると転ぶわよ!」


「ギンは心配性なんだから!大丈夫よ!」



スッテン



「いたたた~!」


「大丈夫か?マギー!」


「やっぱり転んだにゃ!」



 仕方がないので僕は『ヒール』でマギーの怪我を治した。



「ありがと。やっぱりシンは優しいわね!」



 街まで降りると、いろんな人種の人達がいた。人族、獣人族、ドワーフ族だ。だが、エルフ族だけはいなかった。昔、エルフ族はそのように美しさから性奴隷にされることがあったらしい。そのため、あまり人族の大陸には来ないのだろう。



「シン様。すごい船の数ですね?」


「北大陸との貿易船だろうね。」



 すると、ミーアの表情が変わった。



「どうした?ミーア。」


「あ、あいつらにゃ!」


「何が?」


「あそこにいる連中が私を攫ったにゃ。許さないにゃ!」


「ミーア!ちょっと待て!」



 飛び出そうとしているミーアを止めた。



「どうして止めるにゃ?」


「あそこにいるので全員とは限らないだろ!仲間がいるかもしれないし、どうせ退治するなら全員まとめての方がいいじゃないか!」


「そうね。シンの言う通りよ。ミーア、ここは我慢よ!」



 僕達は港町ヤオズの冒険者ギルドに行くことにした。冒険者ギルドで話を聞くと、どうやらこの港町ヤオズには人身売買の裏組織の連中がいるようだ。だが、尻尾を掴ませないため、国としてもギルドとしてもどうにもできないでいるらしい。



「シン様。向こうにいる連中がこちらを気にしているようですが。」


「気にしなくていいよ。要件があるなら向こうから何か言ってくるからさ。」


「わかりました。」



 僕達は街で食堂を探すことにした。先ほど冒険者ギルドで僕達を見ていた人間が後をついてきていたが、一人だけだ。もう一人の姿はない。



「みんな。この店に入ろうか?」


「うん。」


「私、このカニ料理を食べる!」


「マギーちゃん。食べきれるの?」


「大丈夫だよ。メアリー。マギーは僕の数倍は食べるからさ。」


「昔の私と同じにゃ!」



 僕達は食堂に入った。マギーはカニ料理を注文した。他のメンバーは全員が海鮮定食を頼んだ。マギーの料理が運ばれてきた。大きさ3mほどあるカニが丸ごと1杯だ。そこに、僕が考え出した調味料が数種類一緒についてきた。多分、調味料につけて食べろということだろう。



「マギーのカニもおいしそうにゃ~。ジュル」


「ミーア。よだれ!よだれ!」


「なんか昔のミーアみたいだな。」


「だって、マギーにゃんの食べ方がすごく美味しそうなんにゃもん。」



 すると僕達の料理も運ばれてきた。生の魚の切り身や油で揚げたもの、皮ごと焼いたものがのっている。



「美味しそうね。いただきましょ。」



 僕達はじっくり味わいながら食べた。僕とメアリーは食べきれない。残りをマギーとミーアで分けて食べてくれた。



「あ~。美味しかったわ!久しぶりに満腹よ!」


「その小さな体によく入るよな~。」



 すると、ミーアが自分の大きな胸を触りながら言ってきた。



「確かに不思議にゃ。私はここに蓄えるにゃ。でも、マギーにゃんはどこに蓄えるにゃ?」


「いいのよ!ほっといてよ!」


「大丈夫よ。マギーちゃん。私もマギーちゃんと同じ年頃の時は同じようなもんだったもん。」


「メアリーは今何歳なの?」


「16歳よ。」


「なら同い年じゃない!慰めにならないわよ!」


「まあ、いいじゃないか。僕は今のマギーを十分かわいいと思うしさ。」



 すると、ふてくされていたマギーがほほを赤く染めた。



「べ、別に私は気にしてないもん!」



 僕達が食堂を出て通りを歩いていると、前から目つきの悪い男達が数人やってきた。その中にはあの港で見かけた人さらいの連中もいた。



「お前達、あまり出しゃばった真似はしない方が身のためだぞ!」


「何のことですか?」


「てめえ、しらばっくれるのか?さっき、ギルドでこそこそ聞いていただろ!」


「別にこそこそ聞いてないですよ。堂々と聞きましたから。」


「もう我慢ならねぇ。ちょっと面貸しな。」



 すると、僕達は男達について家の裏の空き地にやってきた。



「女の前だからって調子に乗ってるんじぇねぇ!」



 いきなり男が僕の顔面をめがけてパンチを出してくる。僕が普通にそれを避けると、さらに頭に血が上ったようだ。男達は一斉に腰の剣を抜いた。



「もしかして、あなた方は人攫いの仲間ですか?」


「うるせ~!」



 男が斬りかかってきた。僕はマサムネを抜いて一振りすると、男の持っている剣が2つに斬れてしまった。仲間の男達はまずいと思ったのか一斉に逃げ出した。



「みんな!こいつらは人攫いの仲間だ。捕まえるよ。」


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