メアリーとミーアの最終試験
僕とギンとマギーは北の大陸に行く予定だが、メアリーとミーアも一緒に行きたいと申し出があった。そこで2人を訓練することにしたのだが、訓練を初めて数か月が過ぎたころ、最終試験を行うことになった。
「2人にはここから30㎞離れたところの岩山にいるストーンゴーレムを討伐してもらうから。」
「ストーンゴーレム?」
「そうさ。」
「シン様。2人にストーンゴーレムは厳しいのではありませんか?」
「それぐらい倒せなきゃ、魔族が襲ってきた時にどうにもできないよ。」
「そうですね。」
すると、マギーが胸を張って言った。
「心配ないわよ!シンもギンももっと彼女達を信用しなさいよ!」
僕達は全員で岩山まで行った。ストーンゴーレムは以前に僕とギンが討伐したが、また増えていた。7体ほど確認できた。
「ミーア!行くわよ!」
「了解にゃ!」
2人が剣を抜いて駆け出していく。メアリーの剣からは青白い炎がゆらゆらと出ていた。ミーアはどうやら剣に風魔法を付与しているようだ。
ガキン!
ミーアの剣がストーンゴーレムの硬い身体に弾き返された。
「メアリー!体を攻撃してもダメみたいにゃ!」
「関節を狙いましょ!」
「わかったにゃ!」
ストーンゴーレムもただやられていない。当然パンチを繰り出して反撃してくる。だが、メアリーとミーアの動きにはついてこれない。
バキン ボキン
メアリーの剣がストーンゴーレムの右足の関節を砕いた。ストーンゴーレムは耐え切れずに片膝をついた。次の瞬間、ミーアが風を纏った剣でストーンゴーレムの頭を切り落とした。
「やったにゃ!」
「ミーア!油断しないで!まだ1体よ。あと6体いるんだから!」
「わかってるにゃ!」
その後はストーンゴーレムも考えたようで、関節を守りながら攻撃してくるようになった。メアリーもミーアもストーンゴーレムの攻撃を避けながら攻撃を仕掛けるが、うまく関節に当たらない。すると、ミーアが剣を地面に突き刺して、魔法を発動した。
『アースクエイク』
すると、地面が大きく揺れた。ストーンゴーレムは立っていられない。中には大きく転ぶものもいた。
「今にゃ!メアリー!」
メアリーとミーアが大勢を低くしたストーンゴーレムの頭を次々と斬り落としていく。
「終わったわね。」
「ふ~。終わったにゃ!」
2人が終わったと思った瞬間、岩山が崩れて中から金属製のゴーレムが姿を見せた。どうやらアイアンゴーレムのようだ。これは僕も予期していなかった。
「どうしますか?シン様。」
「2人にやらせてみようか。」
「危険よ!シン!あの2人がケガするわよ!」
「危なくなったら僕が助けるよ。」
突然目の前に現れたアイアンゴーレムに2人は驚いたようだが、すぐに戦闘態勢に入った。
「ミーア!私達でやるわよ!」
「当然にゃ!」
メアリーが手を前に出して魔法を発動した。
『ファイアアロー』
すると、アイアンゴーレムに無数の火の矢が放たれた。だが、アイアンゴーレムの身体には傷一つない。今度はミーアが剣で攻撃を仕掛けた。それをアイアンゴーレムが手で払いのけた。
「メアリー!あいつ、ストーンゴーレムより早いにゃ!」
「そのようね。」
アイアンゴーレムには普通の威力の魔法は効かない。かと言って剣の攻撃も通用しない。2人の勝てる要素が見つからないのだ。
「私、諦めないわよ!」
「私もにゃ!」
恐らく2人はこれも試験だと思っているのだろう。2人とも必死だ。すると、ギンが声をかけた。
「1人でダメなら2人で倒すのよ!」
ギンの言葉がヒントになったようだ。メアリーとミーアが同時に魔法を放った。
『ストロングファイア』
『ウインドトルネード』
すると、メアリーの放った業火がミーアの放った風の中に飲み込まれ、辺り一帯を焼き尽くすほどの高温の竜巻になった。その竜巻がアイアンゴーレムを飲み込んでいく。アイアンゴーレムは苦しそうに暴れるが、業火の竜巻からは逃げられない。そして、アイアンゴーレムはドロドロに溶けた。
「今度こそ終わりね!」
「疲れたにゃ!」
パチパチパチ
「2人ともおめでとう!合格だよ!」
「本当?!」
「ああ、本当さ。恐らく2人はSランク冒険者より強いと思うよ。」
「えっへん!やっぱり私達には才能があったにゃ!」
すると、ニコニコしながらギンがやってきた。
「確かに2人は強くなったと思います。でも、私やマギーほどじゃないですから。まだまだ修行を続けないとだめですけどね。」
「そうよ!あんた達、強くなったって誤解しない方がいいわよ!その油断が命取りになるんだからね!」
なんか、身体の小さなマギーがお姉さんになった気分なんだろう。
「メアリーもミーアもよく頑張ったね。そろそろ北の大陸に行ってもよさそうだね。」
「そうですね。シン様。」
「2人とも大分魔力も上がったしね。でも、まだまだ私ほどじゃないわよ!」
「シン君、ギンさん、マギーちゃん、ありがとう。」
「ありがとうにゃ!」
僕達は王都オリントのナダル伯爵の屋敷まで転移した。




