表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様修行の旅  作者: バーチ君
68/145

7大精霊からの情報

 アスラ王国の自然災害やスタンピードはどうやら濃い魔素が原因のようだ。そこで、魔素を取り除く方法を考えたが、面積が広すぎてどうにもできない。そこで、ギンの提案の通り7大精霊にお願いしようと祈りをささげてみた。すると、目の前に7大精霊達がやってきてくれた。



 サラマンダーはどうやらかなり短気のようだ。



「早く要件を言え。」


 

 僕はこの国の置かれている現状について説明した。



「この国は魔素が多すぎて作物は育たないし、魔物は強力になってるんです。どうにか皆さんの力を借りてこの国を立て直したいんですが、協力してくれませんか?」



 すると、ノームが聞いてきた。



「この国をよくすることがお主にとって何の利益があるんだ?」


「別に僕に利益はないと思います。でも、困ってる人がいたら放っておけないんです。お願いします。協力してください。」



 僕は深々と頭を下げた。すると、ウンディーネがニコニコ笑いながら近寄ってきた。



「いいわよ。あなた可愛いもん。協力してあげるわ。」



 他の大精霊達は顔を見合っている。サラマンダーは腕を組んでそっぽを向いていた。そして、いきなり僕に言ってきた。



「協力してやってもいい。ただし、俺に勝てたらだ。どうだ?戦ってみるか?」



 するとギンとマギーが近寄ってきた。



「シン様。どうしますか?相手はサラマンダーです。かなり強いですよ。」


「勝てるの?シン!やめときなよ!相手は大精霊でしょ?魔族四天王だって勝てないわよ!」


「大丈夫さ。彼から殺意は感じられないからね。多分、僕の本気度を確認したいんでと思うよ。」



 僕は深呼吸して答えた。ギンとマギーは心配そうだ。他の大精霊達は何やら笑っている。


 

「わかりました。本意ではありませんが、協力していただけるならやりましょう。」


「お前、大精霊のこの俺に勝てると思っているのか?」


「わかりません。でも、何もせずに諦めたくないですから。」



 2人のやり取りをギンとマギーが心配そうに見ている。



「シン様。大丈夫ですか?」


「シン。無理しちゃだめだよ。」


「大丈夫だよ。ギン。マギー。この国の人達のためにやってみるよ。」



 僕とサラマンダーはみんなから距離を取って対峙した。サラマンダーは本気で戦うようだ。全身から燃え盛る真っ赤なオーラが溢れ出た。僕も今までにないほどに魔力を高めて、魔力を完全に開放した。治まっていた僕の銀髪が再び逆立ち青い瞳が黄金色に変化する。そして、全身からは七色の光が辺り一帯に放射された。



「なるほどな。ただの人族ではなさそうだな。どこからでもかかってきていいぞ!」



 僕は背中のマサムネを空間収納に仕舞い、最初に使っていた剣を取り出した。その剣を見てサラマンダーが目を細めた。



「行きますよ。」



 僕は瞬間移動でサラマンダーの目の前に行き剣を振った。サラマンダーはぎりぎり避けたが、サラマンダーの後ろにあった木々が見事に切断された。今度はサラマンダーの攻撃だ。サラマンダーは翼を広げてパタパタと始めた。すると、翼から出た火の粉が巨大な炎へと変化して僕に襲い掛かる。僕は目の前に手を出して結界で防いだ。



「なかなかやるではないか。」


「そちらこそ。やはり大精霊だけのことはありますね。」



 僕は手を天に掲げて魔法を発動する。



『ウォータートルネード』



 すると、大量の水がうねりながらサラマンダーに襲い掛かる。サラマンダーは目の前に炎の壁を作ってそれを防いだ。僕は瞬間移動でサラマンダーの後ろに転移し、剣に魔力を流し込んで上から斬りつけた。七色の光を放つ剣がサラマンダーの頭上ギリギリで止まった。



「俺の負けだな。」



 それを見ていた大精霊達がいきなり僕の前に来て片膝をついた。



「えっ?!何?何なんですか?」



 ウンディーネが言ってきた。



「大変失礼しました。あなた様のことを試させていただきました。」


「えっ?!ぼ、僕は普通の人間ですよ。」


「あなた様の御名前を教えていただけないでしょうか?」


「シンですけど。」


「やはりそうでしたか。」


「どういうことですか?僕のことを知ってるんですか?僕は記憶がないんですよ。もし僕のことを知っているなら教えてください!」


「あなた様のことは精霊女王様から聞いておりました。ですが、詳しいことは存じ上げません。申し訳ございません。」



 本当に知らないのか、知っているが答えられないのかわからない。でも、これ以上聞いたら大精霊達に迷惑が掛かりそうだったので、諦めることにした。



「皆さん。立ってください。僕は普通の人族です。ですので、そのつもりで対応していただくと嬉しいです。」



 すると、大精霊達が全員立ち上がった。そして、銀髪の少女が可愛らしく言ってきた。



「なら、これからはシンでいいよね!」


「はい。そう呼んでくれると嬉しいです。」


「ウイスプ!あまりなれなれしくすると精霊女王様に叱られるわよ!」


「なら、あなたは何て呼ぶのよ!シャウプ!」


「そうね~。シンちゃんがいいかな。」


「同じじゃない!」



ハッハッハッ



 その場の硬い雰囲気が一気に和んだ。そして、サラマンダーがやってきた。



「申し訳なかった。確かめたかったのだ。」


「いいですよ。気にしてませんから。」


「そうか。感謝する。では、我らの力を存分に使ってくれ!」



 それぞれの大精霊の配下がこの世界には無数にいるようだ。その配下達に命令してこの国の魔素を浄化してもらうことにした。



「ありがとうございます。皆さん。」


「いいのよ。また、何かあったら呼んでね。」


「シン!絶対に呼ぶのよ!」


「シンちゃん!またね!」



 大精霊達は帰って行った。すると、マギーが聞いてきた。



「シン!あなたやっぱり普通じゃないわよ。大精霊っていえば四天王だってよくて引き分けよ。何で勝っちゃうのよ!信じられない!」


「マギー。シン様はそういう方ですよ。」



 ギンは終始ニコニコしていた。



「なんか今日は疲れたよ。どこかに寝る場所ないかな~。」


「なら、街に戻ってガリレさんに家を貸してもらおうよ。ほとんど人が住んでないんだから、きっと空いてる家もあるわよ。」


「そうね。マギーもたまにはいいこと言うわね。」


「たまにじゃないわよ!いつもです!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ