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三界奇譚  作者: みや凜
第三章 大陸編
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次への7-新妖狐王

 苗木からの結心の矢も出来上がりました。


 翌朝、クロと姫が大婆様の部屋に行くと――


「あれ? 貴女は……」


【はい。

あの時は、お助け頂きまして、ありがとうございます】にこにこ♪


人界上空で助けた神竜の魂が、神と成って微笑んでいた。


「オニキス様の奥様だったのか……」


【あ♪ スミレ♪】【オパルス♪】

二神は楽しそうに話し始めた。


「クロ、オパルス様が、ワラワの神とお成りくださるのか?」


「ああ、そうだ」


「して、もぅおひと方は?」「アオの神様だ」


「あちらは?」「サクラの神様だ」


「皆、神様が居るのか?」


「キン兄が まだだけど、絶対 結ぶからな」


【静香様、こちらに】オパルスが呼ぶ。


【クロ様、護竜杖を】オニキスが微笑む。


(護竜杖、オレで使ったのに、いいのか?)


【はい。互いに夫婦の場合は可能です】


(婚儀は、まだだけど……)


【儀式など、術には関係御座いません。

互いの心の関係で御座います】


(護竜杖にとって、オレと姫は夫婦なのか?)


【はい】キッパリ。


(そっか……)嬉しさ溢れる~


【お気に障りましたか?】


(んなワケねぇだろ)頬緩む~


「クロ、何をニヤケておるのじゃ?

早よ、それを渡してくれぬか?」「あ……すまん」


【クロ様は、護竜杖の主として、こちらで立ち会いをお願い致します】


「オレ、ここなのか……」ふ~ん……

前日、立った位置には、サクラが立っていた。


【私が、術の立ち会い神であり、護竜杖が二組目の絆ですので】


「いろいろあるんだな……」


 やっぱオレ、知らない事だらけだな……

 昨日のサクラも……

 なんかオレ、迷惑かけてんだろなぁ……


(今日のサクラは、いつも通りじゃな。

昨夜のは、神か誰ぞおったのではないのか?)


(いや……気を探っても、神眼で見ても、大婆様とサクラしかいなかったんだ)


(我等のよぅに、気を消しておったのでは?

姿も消せる者が、ここにおったのでは?)


(神眼でも見えねぇヤツか……)


(術が始まったぞ)(あ……ああ、後でな)



 そのサクラは、アオと話していた。

(この後、キン兄の虹紲(コウセツ)だよね?

終わったら深魔界に進む?)


(紫苑殿と珊瑚殿も解放してもらったからね。

進みたいけど……)


(クロ兄の神眼待ち?)


(それも有るけど……)


(腕輪の干渉の方?)


(それも有るね。

俺達を介さずに、直接 話せた方が有利だからね)


(人数 多いからね~)


(そうだね。

それと、もうひとつ解決したくてね。

皆が魔界に揃っている時ならまだしも、人界、天界に離れると、魔界とは話せないからね)


(アオ兄と俺でギリギリだもんね~

そっちも問題だね~)


(とりあえず、魔界で戦う時の為に……そうだな。

天界に居るスミレが、魔界に居る俺と話していたな……

俺達とは話し方が違うんだろうな。

なら、神様を介して、皆と話せないのかな……)


(そっか! それ、試してみよ~♪)


(それと、皆の神様を、俺達が運ぶ事は出来るんだろうか……)


(俺もヒスイは連れて行けたよ。

誰か入ってみてもらう?

きっと、入れたら一緒に行けるよ)


【術が終わるわよ】(うん、次も頼むよ)



【オパルス♪ ちょっといい? ヒスイも♪】

スミレが、オパルスとヒスイの手を取って飛んで来た。

オパルスはオニキスと手を繋いでいて――


四神纏めてアオに入った。

(スミレ! いきなりっ!)【入れたわ♪】

(そうだけど……)【皆様、呼んだから♪】

(危険とか――スミレ!)出て行った。


スミレは絆神達を連れて、また入った。


【アオ、地下界に行ってみてよ】


(ゆっくり移動します。

何かありましたら、些細な事でもご遠慮なさらず、止めてください)

境界へ。



♯♯♯



(ルリ、闇障 保ってね)(解っている)

(越えます)一歩踏み出す。(大丈夫ですか?)


【平気よ♪】神達の驚きの声が聞こえる。


【地下界よね?】(深魔界だよ)【えっ!?】


スミレが出てきた。【出られるのね……】


(光を拒絶しているのは境界だけらしいんだ。

察知されたらマズいから戻って)



♯♯♯



 アオが大婆様の部屋に戻った。


(行けた?)(深魔界まで行けたよ)(♪)


アオから、ぞろぞろと絆神達が出た。


(昨夜のは、サクラの中に、神が誰ぞ入っておったのではないのか?)


(かもしれねぇな……)


 いや……あれはサクラだ。

 サクラは、いろいろ俺達に隠している。



「アメシス様は、先にいらしていたのですね」


フジが現れ、矢を持ったアカも現れた。


「では、始めましょうかの。

神様方々、よろしゅうお願い致します」


弟達皆で囲み、キンの虹紲が始まった。




♯♯ 人界 ハザマの森口 ♯♯


「紫苑殿、珊瑚殿……これはまた、随分と大きくなられましたな」


「慎玄様も、竜の気が輝いておりますよ」


「いえいえ、小さき力に御座います」


「若様♪ 姫様♪」「カリヤ様、何でしょう?」

「ですからぁ、ワタクシに『様』など――」

「私共も、何度も申しておりますよ?」

「ですが、正式に、妖狐王様の後継と――」

「カリヤ様っ!!」「あっ……」


「そうですか。おめでとうございます」


「いえ、何も……めでたくなど……」ため息……


「何を仰いますか!?

妖狐王とお成りあそばすのですよっ!」


「母と伯母達が、大層 喜んでいるのを見るにつけ、損な役回りを押し付けられたのではないかと……思ってしまうのです」


「まだ、そんな事 言ってるの?

二人の力を皆で認めただけなのよ。

何代か飛ぶのは通例なのよ」乗り込む。


「桜華様、おかえりなさい」


「嬉しいわ♪ その『おかえりなさい』って♪

只今、戻りました♪」


「母様、国で何かなさっていたのでは?」


「あとは姉様達に任せたわ♪

王太子を御護りせねばなりませんからねっ♪」


「母様……」揃って、ため息。


「でも……あなた達……

将来、結婚とか考えているの?」


「えっ!?」顔を見合わす。「まさか……」


「何を考えてるの? それぞれよ」当然でしょ。


「いえ……全く……」揃って俯く。


「でしょうね。ホント、仲良過ぎだわ。

ま、そうなったら、ここから子狐 作りましょ♪」


「その水晶は……?」


「あなた達から溢れた力が入っているの。

もう十分、作れるわ♪」


「まだ器が不十分だったのですね……」


「力が大き過ぎるのよ!

……器は私より、ずっと大きいわよ」ふくれる。


「え?」また顔を見合わす。そして笑顔に。


「あなた達、出来る事が増えてるんだから――

どこに行ったのかしら?」


「天界のようですね」


「一瞬で……」ため息。




♯♯ 大婆様の部屋 ♯♯


「紫苑、珊瑚、それは曲空か?」


「さぁ、同じか否かは存じませぬが」

「姫様を追いましたら、こちらに」にっこり。


「狐殿も来ておるぞ」


「おや……コギ殿」「あら、天竜尊貴嫗(ソキウ)様」

「ここは……」二人、慌てて大婆様の元へ。



(姫様、こちらに)(フジか!?)

振り返ると、兄弟と絆神達が集まっていた。


(神様方に中継して頂いているのだ)


(キン殿……では、皆と話せるのですか?)


(アオとサクラが思いついたらしいんだ♪)

【鏡で反射するが如しだ】肩を組んでいる。



(アカ、せっかく奮闘してくれていたのに、すまない)


(いや、丁度いい。腕輪は千里眼にする。

先程 試した限りでは、魔界と天界では、神を中継には出来ぬからな)


(すっご~い♪ さっすがアカ兄♪)

(それなら、干渉しないんだね?)


(別物だからな)


(千里眼って事は、城や長老とも話せるんだね?)


(当然だ)



(アオ殿、そちらのお支度は如何ですか?)


(紫苑殿……)振り返る。(もしや、誰とでも?)


(はい♪)もちろん揃う。


「天竜尊貴嫗様、ありがとうございます。

話せました!」


「そぅかそぅか」うんうんにこにこにこ。





 これにて、まずまず準備が整いました。

あとは、少しずつ進みながらです。

という事で、大陸編はここまでです。


 次回からは魔界編――ではなく、

オマケを挟みます。


凜「もう魔界に進んでもいいって思えたの?」


青「絆神様は揃ったし、心で話せるように

  なったからね。

  あとは、進みながら高めていくよ」


凜「隠し部屋の方は?」


青「それも進みながらね。

  戦線維持もしないといけないんだからね」


凜「人数の多さを生かすのね?」


青「もちろん。これまでは、攻め込まれて

  対処するばかりだったけれど、

  これからは進攻するんだからね」


凜「すぐに入るの?」


青「オマケを書くんだよね?」


凜「うん。書くよ」


青「なら、もう少し準備と……

  あ、その前に皆と話さないとね」


凜「またアオのお屋敷に集まるのね?」


青「そうなるだろうね」


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