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三界奇譚  作者: みや凜
第三章 大陸編
221/429

絆繋ぐ1-虹紲の術

 もうすぐ前進できそうです。


♯♯ 魔竜王国 ♯♯


 サクラは東の国境付近で、祠を探していた。


 あ♪ あれかな?


降下していると、


 あれ? あっちにも……あれも、そぉかな?


五つの祠が並んでいた。

その全ての祠が光っている。


 どれだろ?

 ま、順に入るしかないよね~


北から順に入る事にした。


「わぁ~♪ 玉だらけだぁ♪

光ってるのは……コレと~、コレだね。

んと……澄晴玉(チョウセイギョク)涼風玉(リョウフウギョク)ね♪

この前、東の国で貰った瀏虹玉(リュウコウギョク)の友達なんだね♪

じゃ、一緒に行こうね~♪」


全ての玉を浄化し、次の祠に向かった。


 今度は鏡の祠だ……光ってるのは――


双掌鏡(ソウショウキョウ)? 二枚一組なんだね?

移動用なの? じゃ、三組あるね♪」


浄化して――次は、鐸の祠。


「あれっ? キミは留尊鐸(ルソンタク)だよね?

キミ達も対なの? ん♪ 会いたいんだね。

じゃ、老竜の神殿に連れてってあげるねっ」


また浄化して――その次は、壺の祠。


「えっと……壺以鞠(コイマリ)ね。

キミは、壺美善に会いたいんだね?

うん♪ 行こうねっ」


ここも浄化して、最後に、やっとこさ璧の祠。


恵雨璧(ケイウヘキ)いる?」光ってる!「やった~♪」


璧達も浄化して、老竜の神殿に曲空した。




「長老様、こんにちは。

こちらの蔵にいる留尊鐸の友達を、東の祠群で見つけましたので、置かせてください」


「わざわざ、すみませんのう。

サクラ様は竜宝と話せますのかな?」


「はい。みんな友達なんです」


「友達とな。それは良き事。

神官殿も話せるのでしたな?」


「少しですが……は? その鐸が、王と……

サクラ様は、王なのですか!?」


「天竜の王に、お成りになったのですかな?」


「いえっ、竜宝の王を……兄と共に、させて頂いております」


「竜宝の……?」


「竜宝の声を聞き、正しく使う為に、竜と竜宝の懸け橋となる役目に御座います」


「そうですか。

その、もうおひと方の竜宝の王様とも、お会いしてみたいものじゃのう」


「今は、兄の体を浄化しておりまして、竜宝の中に入っておりますが、構いませんか?」


「姿など気には致しませんよ。

話し相手さえ、して頂ければ満足じゃ」


「では、また後程、兄と共に参ります」




 そして、竜宝の国へ――


「壺美善に会いたいってヒト、連れて来たよ」


【壺以鞠……お前……何処に居ったのだ?】


【魔竜王国の祠に……やっと会えた……あなた】


「ねぇ集縮、この二人は?」


【夫婦なのです】


「そっか~、会えて良かったね♪」


【壺美善は修復、壺以鞠は育成の壺。

竜宝の復元や再現のお役に立てます、高位の壺で御座います】


「じゃ、また陶芸家さん達に、頑張って壺美善の体 作ってもらわなきゃね~♪」




♯♯ 深蒼の祠 ♯♯


 夕刻、ハクが戻って来た。

「兄貴、そろそろ交替だろ?」


「そうか、ならば頼む。

そう言えば、聞いていなかったが、ハク、神界はどうだったのだ?」


「入り難くて大変だったよ」笑う。


「護竜槍は、どうやって手に入れたのだ?」


深神界(フカシンカイ)って、神界の奥の方の神竜が蔵で眠らせてて、家宝だからって、なかなか譲ってくれなくて苦労したよ。


結局、サクラに助けて貰ったんだがなっ。

唔器呟って竜宝に、護竜槍の魂を込めて、直接 話して貰ったけど、まだ渋ってなぁ。


そんで、サクラが闇の穴 開けて、神竜の魂を助け出して、そいつらと、神も わんさか連れて行って、皆で説得してくれて、やっとこさだよ~」


「いつの間に……」


「だろ? サクラ、動きっぱなしだから、次の交替は俺が引き続いて、アイツ休ませようと思ってるんだ」


「そうしてやってくれるか。

ハクも、まだ休んでいなくて悪いのだが……」


「いや、ミカンの所で休んだから大丈夫だ。

あ、アカ、結界の補強か?」


「いや、出来たから」矢を差し出す。


結心(ユウジン)か!?」キンとハク。


「今朝、クロが代替えの炮六杉(ホウロクスギ)を持って来た。

試して欲しい」


「では、大婆様の所へ行くとしよう。

ハク、ここを頼んだぞ」


「なら、アカで試してくれ。

その矢が出来たら喚ばれてくれるって神がいたんだ」


「そうか。アカ、それでいいか?」


「うむ」


「なぁ、兄貴……」


「なんだ?」


「アオの体、闇を感じねぇんだが……」


キンが掌を翳し、確かめる。


「そうだな……急に消えたな」


「大婆様に確かめて貰わねぇか?」


「運ぶか」「アカ、掴まれ」「うむ」



――長老の山。


「大婆様、アオの体から、闇が消えたような気が致しますので、お確かめ頂きたく、お願い致します」


「そぅか……

ほぅ、確かにのぅ。闇が消えたな」にこにこ


「では、竜宝が揃いましたら、アオを戻せますか?」


「そぅじゃな。もぅ揃うじゃろ。

アオの笑顔、早ぅ見たいのぅ」うんうん


「はい。もうひとつ。

結心の矢が出来ましたので、虹紲(コウセツ)の術をお願い致します」


「アカ、ほんに大したものじゃ。

ハク、その笛を貸して貰えるかの?」


「はい」笛を差し出す。


「そのままでな。

グリッターローズ様、結心の矢が出来ましてございます。

御力、お貸しくださいませ」


【そうか。全く大した子孫達だな】


カルサイとドルマイが現れた。


「カルサイ様、ドルマイ様、虹紲の立ち会い、宜しくお願い申し上げます」


【こちらこそ、宜しくお願い致します】


二神と大婆様が術を唱え、アカが天に向かって、結心の矢を射ると、光が飛来し、神が姿を現した。


【儂が持てる力、存分にお使いくだされ】


「アカ、神様と右掌を合わせなされよ」


合わした右掌の上に、護竜槍が浮かび輝く。


術が終わる時、その光は右掌に吸い込まれた。


【これにて、虹紲、結ばれまして御座います】

カルサイとドルマイが礼をして消えた。


【我が名は、金虎。三代金虎じゃ。

赤虎よ、宜しくお頼み申す】


「金虎様……では、人神様で御座いますか?」


【竜の神に認められ、神竜として生まれ直し、神と成り申した。

この上は、竜の神として力を尽くす所存。

方々、宜しくお願い致す】


「此方こそ宜しくお願い致します、大師匠様」




♯♯ 神界 ♯♯


【最高神、とうとう王子達は結心の矢を作りおったのだな?】


【はい。金虎様が大喜びでしたよ】


【そうか。ならば、私も心しておこう】


【アメシス様とヒスイは、如何ですか?】


【共に修行する事で、かなり加速している。

王子達が地下界に行く迄には、ヒスイを神にするつもりだ】


【では、覚醒まで、よろしくお願い致します】


【任せておけ。

ガーネに代わり、必ずや大神に育て上げる】


【あのっ、最高神様!】


大勢の神竜の魂達が来ていた。


【どうしましたか?】


【私達をお救いくださった方は、どのような御方なのでしょうか?】

【気がつきました時には、既に、いらっしゃらなかったのです!】

【どうか、お教えくださいませ!】


【そうですか】にっこり【では、こちらに――】

最高神殿に入って行った。


魂達がざわめく。


【どうしたのだ? 聞きたいのだろう?

遠慮せず入ればいい。

彼奴は、そんなに堅苦しい奴ではない】


【そ、そうでございますか……】【では……】

魂達は最高神を追って行った。





始【ったく! サクラのヤツ!

  こんなデッカイ結界なんか張りやがって!】


凜「シルバコバルト様♪

  今度は、結界の補修ですか?」


始【うわっ! なんで宙にっ!?】


凜「そこはお気になさらず~♪

  やっぱり、お優しいんですねっ♪」


始【うっせーっ!!】


凜「また逃げた……」


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