表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逆行死神令嬢の二重生活 ~兄(仮)の甘やかしはシスコンではなく溺愛でした~  作者: 猪本夜
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/132

27 妹は思春期?

 家に帰ると、麻彩が走って抱き付いてきた。


「おかえりー!! 遅いよ!」

「ごめんね、まーちゃん。ただいま」

「……さーちゃん、お肉の匂いする。今日焼肉?」

「ううん、鉄板焼きだよ。まーちゃんは?」

「スペイン料理食べた。友達のママが最近はまっているらしくて、連れて行ってもらったよ」


 麻彩は体育祭の準備で居残りし、友達を迎えに来た親と一緒に食事をしてから帰ってきたのだ。そんな話をしながら、私は自室に荷物を置く。


「まーちゃん、お風呂まだだよね。先に一緒にお風呂入ろうか」

「うん」


 二人で風呂に入りながら、話をする。


「今度の『歌ってみた』は何にするか決めた?」

「決めたよ! 二曲なんだけどね」


 曲名を聞くと、私も知っている曲だった。少し昔の曲である。


「それなら私も歌えるかも」

「じゃあ歌って! 私ハモるから!」


 風呂場でカラオケ大会である。よくやるのだ。とはいえだ。

 実は私は音痴なのである。麻彩は上手なのに、姉妹でこの差。おかしいな。

 私にハモるという高度な技は絶対に使えないので、私が普通に歌って(いるつもり)、麻彩が私に合わせてハモるのだ。まあ、麻彩が歌に入ってくると、途中から私は麻彩に音程をつられるんだけどね。なんでだ。


 それでも歌うのは楽しいので、二人で歌ってたらのぼせてしまった。


「暑いねぇ」

「アイス食べようー」


 風呂上りにアイスを食べながらまったりして、それから自分の髪をドライヤーで乾かし、麻彩の髪を乾かしてあげる。

 そしてリビングでソファーの下の床に座り、二人で話をしていた。


「今度の『歌ってみた』の衣装はね、ロングTシャツにレザーパンツにするの。でね、髪とメイクはこんな感じにしたい」


 麻彩が画像を私に見せる。


「パンクみたいな感じにするのね。オッケー、ちょっと勉強しておくね」


 麻彩の『歌ってみた』のヘアアレンジとメイクは私が担当しているのだ。

 動画を見ながらどうやって麻彩をいじろうか考える。その間、麻彩はぐだっと横になり、私の太ももに頭を乗せて、歌う練習を始めた。


 そうやって過ごすこと、三十分。兄が帰ってきた。


「おかえり」

「ただいま。……それ、寝てるの?」

「うん、ごめん」


 実は麻彩が歌いだして、いつのまにか私の太ももの上で寝てしまったのだ。歌いながら寝れるとは、器用である。


「……わかった。もう少し待てるか? 俺風呂入って来ようかと思うけど」

「入ってきていいよー。私まだメイク勉強中だから大丈夫」

「そうか。じゃあ入って来るな」


 それから兄が風呂から上がって来るまで待っていた。兄は風呂から上がると、ペットボトルの水を飲みながら私の後ろのソファーに座った。


「父さんとの食事、金曜にしたけど、いいか? 麻彩は行けるって言ってたけど」

「いいよー」

「……麻彩は爆睡だな」

「体育祭の練習とか準備とかで疲れてるんだよ。アヤシイ気がしたから、先にお風呂だけは入ったんだよね」

「よくやった。紗彩も疲れてるだろう。もう寝た方がいい」


 兄はペットボトルの水をテーブルに置くと、麻彩を抱き上げた。私は兄に先回りしてドアを開け、麻彩の部屋の電気を付ける。そして兄が麻彩をベッドに寝かせた。


「あと任せていいか?」

「いいよ。私も寝るね」

「ああ、お休み」


 部屋を出て行こうとする兄の腕を引いた。


「……ん?」

「お休みのキスは?」

「……ああ」


 兄は思い出した、という顔をし、私の頬にキスをする。そして私も兄にキスを返す。


「紗彩だけだぞ、キス欲しがるの。麻彩は俺のはいらないって言うから最近はしてないし」

「……そういうのって、なんて言うんだっけ? ……倦怠期?」

「なんでだよ」

「まーちゃんは、私がキスすると嬉しそうにするよ?」

「麻彩は紗彩からなら、何でも欲しがるだろ」

「じゃあ、やっぱりアレかな? パパは嫌! ママがいい! みたいな?」

「ははは……それに近いかもな」


 乾いた笑いをする兄。少しショックなのかもしれない。


「お兄様、悲しまないで! 代わりに私がいつもキスを欲しがるからね!」

「フォローをどうも。じゃあお休み」

「お休みなさい」


 部屋のドアを閉め、私も麻彩の寝ているベッドに横になる。


 日本は家族間でキスすることはあまりないが、帝国は一般的にあいさつ代わりにキスをする。だから、麻彩が小さい頃から私がキスして接していたので、麻彩も家族間でキスするのは抵抗ないはずだが、ここにきて兄に反抗期、もしくは思春期だろうか。寂しそうな兄が少し不憫だが、反抗期なら仕方ない。誰もが通る道。兄よ、頑張れ、と思いながら眠りにつくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ