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渾沌魔王とショッピング side-A/Actual

 ひとまず、中央の通りに向けて歩いた。

 後ろからは、ぶらぶらと適当な調子でバカンスさんが着いてくる。

 滅茶苦茶ダルくてかったるそうなのに、テキパキと歩く私に余裕で着いてくる。てか、私にペースを合わせているだけで、本人は適当にチンタラしてても私より速いのだろう。

 彼は、ヤシの木頭がインパクトあるが、樹木系のタト族ではない。犬のタト族の上位種、ワードッグのタト族だ。特徴は犬の犬歯があるだけだが、脚力も当然私よりも何倍も優れている。あくまで、そう見せない様に演出しているのだ。

 レベル100超えの犬の獣人に私のスピードでは端から勝てる訳もなかった。

 それでいて『ボク、のろいでしょ?』と言わんばかりの動きで着いてくるのが、申し訳ないけれどちょっとイラっとする(笑)。


「さぁて、まずはどこの店に行くんだい?」


… … …


「まいどありニャ〜!」


 私は、行きつけのボローニャとナナフシ堂を廻り、20パカシ程払って陶器の破片を頂いた。元来は金接ぎなどで修復も出来るのだが、ここで頂くのは、買取時に引き取った修復不能なゴミ(骨董を整理する時に出た売り物にならないモノを引き取らされたもの)を処分の代わりに私が引き取っているのだ。

 当然、破片は売り物ではないので、私が払っているのは手数料というやつだ。

 ゴミの処分費用が掛からず、小金が手に入る彼等と、昔は良品であっただろう欠片を素材に出来る私とウィンウィンな取引である。


 以前、私が骨董の勉強をしていると話しているので、彼等は快く良品の破片を用意していてくれたりする。

 それで私は、良品をリサイクルするのだ。


 同様にして、古着屋や裁縫工房などで端切れや糸くずを、大工さんの家や木工所で端材や木屑を手数料と交換していく。


「あのー、コトさん?買い物って、手数料払ってリサイクル業をする事なのかい?」

「んー……まあ、私の生業の一環ですからねぇ〜」

「いや、それはそうなんだけどさぁ〜、買い物らしい買い物をしてくれないと、ボクが修業を付けられないだろぉ?」


 あ、そういう事か!何を目的に着いてくるのか、分かってなかったよ。


「ああ、分かりました。こっからはきちんと買い物としてお金を使いますから!」


… … …


 次に私が向かったのは、玉手箱商会であった。

 バカンスさんを連れていくのは正直憚られる気がするのだけど、ケヒタ婆にあげて無くなった薬草を是非とも補充しておきたいのである。次に会う時にも、彼女とは絶対にまた薬草交換を行うつもりなのだ。

 シトリンを通す購入方法も考えたのだが、彼女の実家そのものが薬草を栽培・採集しているのではなく、リオレ地方の山々に点在する山村などから買い取ったものを豊穣会が仲介して販売される形だから、実家に行けば確実に手に入るという訳でもないのだ。

 それに、スキルを教わる事になった以上、ぷみらさんには時折繋ぎを付けておく位が丁度よい気がする。

 それらを総合して考えた結果の訪問である。私はケヒタ婆にも、シトリンとその家族にも、ぷみらさんにも損得で付き合いをしたくないのだ。彼等に損をさせてまで一人で得をしたいとは思えなかった。


 取り敢えず、今回はアポ無しにならない様に通信を入れて薬草購入の為にと用件込みで訪いを入れてみると、ぷみらさんからは快くOKが貰えた。

 いきなり行って、マロ何とかさんが店番に居てもヤダしね。


 店舗へと向かうと、ぷみらさんとライラックさんが三人の女性達に陳列の指示をしながら、軽く打ち合わせをしているみたいであった。


「こんにちはー!」


 業務中に申し訳ないが、挨拶をしてみる。


「あら、コトさんよく来て下さいましたね……って、ツレがおりますのね(汗)」

「あの、いやー、その、済みません……」

「やあ、ぷみら。先日ぶり!コトさんをつけ回して廻ってたら、こんな所まで来てしまったよ。面白い展開ではあるが、場違いとか言わないで貰えると有難いね〜」

「何を付きまといなんてしてますの?ストーカーでしてよ!」

「ハハハ……いや〜、コトさんに値踏みのスキルでも伝授して、相場の把握と根切りのコツを教えようかと思ってさぁ〜」

「根切り宣言してウチに来店とは、ケンカ売ってますの?」

「バカンスさんっ、もうカンベンして下さいよーッ!私はもう、玉手箱商会と争いはしたくないんですよ!」

「いや〜、参ったねぇ。骨董屋や古着屋で廃品回収した次は此処って、完全にボクの予想外だよね〜、流石にA級ランカー相手に根切り宣言してディスカウントがまかり通るとは思えないなァ〜。『まからないのに、まかり通る』とは、これ如何に!」

「も、もう黙って下さいよ〜!」

「コトさんにはまけても良いかとも思ってましたが、貴方がいるのならまける気が失せましたわ!」


「ぷみらさん、済みません!じつは遠方エリアの薬師さんと知り合いになって、ぷみらさんから買った薬草を渡したら、とても良い品だって凄く喜んでたんですよ!それで全部あげちゃったので、また買いたいかと思いまして……」

「コトさん、それは良いのですが、無理にわたくしの所で買わなくとも、貴女なら豊穣会から卸値で買っても良いのですよ」

「いや、それも可能かもですが、それって私が得するだけで、ぷみらさん達も豊穣会も、利益が出ませんよね?末永くお付き合いするのに、そういう事を続けていくというのはちょっとどうかなと…」

「コト殿、前回来店時依頼だな。渾沌を同伴とは恐れ入ったが、以前の事を考えれば、まあお互い様というところだな」

「ライラックさん、ご無沙汰しております。何か、お騒がせしちゃいまして恐縮です!」

「ウチの商会に筋を通してくれるというのは有難いが、しかし何だな、キミも律儀なものだ」


 ライラックさんは、呆れた様な、面白がってる様な感じで鷹揚に微笑んだ。


「ねえ、ねえ、まおーだって!角とか触手とかは生えてないんだねー!」

「アレがリオレの魔王?初めて見た!」

「何か、五浪位してる浪人生みたいな雰囲気?第二形態とか、あるのかナ?」

「いや〜、キミたち言いたい放題だよね〜」


 三人組が楽しげに好き勝手言っている。


「あ……あの、ぷみらさん!私、ぷみらさんに師事させて貰うって事で良いんですかね?」

「ええ、勿論よ。ただ、今はアレを師事してる様だし、また時期をみて日程を調整しましょう。その時は、うちの採集隊に加わって貰うつもりよ。ねえ、ライラック?」

「はい。コト殿、うちの若手を三人、紹介させてもらうよ」


 ライラックさんはそう言って、はしゃいでた三人組を手招きした。


「二等薬剤師の若手三人組だ。ウチに研修に来る時は、彼女等と一緒に採集をしてもらう事になる」


 ライラックさんの声に、元気が溢れてる感じの中肉中背ピンクセミロン癖っ毛娘、早口めでヒョロヒョロのっぽで前髪パッツンなピーナッツバター色のロン毛娘、控えめな感じに喋る淡いエメラルドグリーンなボブの丸眼鏡ちびっ子という三人組が、挨拶をはじめた。


「シイノ・クヌギだよっ。スタート時期が近い子は少ないから、研修楽しみー!」

「はじめまして!二等薬剤師のキーラ・キラルルです!お噂はかねがね!」

茴香(ウイキョウ)と言います。よろしくなのです」


 三人とも、普通に挨拶してくれる。タイプは違えど、三人は普段から仲が良さそうに見えた。


「コト・イワクです。部外者ながら、ぷみらさんに一時、ご指導頂ける事になりました。よろしくお願いします」

「三人はウチでは一番新人の部隊の所属だが、変な癖がない者達を選んだつもりだ。コト殿もBNGで研鑽を積んでいるのだから、お互いによい刺激となる筈だ。仲良くしてやってくれ」


 なるほどね。私自身がさっき、もう揉めたくないと言ったが、先方もそれを危惧してこの人畜無害そうな三人を紹介してくれたらしい。まあ、もしかすると裏でこちら側の情報を収集するのに長けた人材なのかも知れないが、少なくとも誰かさんみたいに表立って事を荒立てるメンバーではないのは分かった。

 それに、仮に情報収集に長けていたとしても、知的に会話・交渉が出来る相手ならば逆に有難い位である。


 その後私は、本日の店番担当である三人娘とわいわいお喋りしながら買い物をする。

 内訳は、30%ポーションを13本、80%ポーションを9本、中級薬草を40枚購入する事にした。

 合計20300Pである。が、三人はぷみらさんに言い渡されていたっぽくて、端数を引いてくれた。

 毎度毎度、便宜を図ってもらってばかりで有難いやら申し訳ないやら、である。

 だからこそ、今回は挨拶とお礼を兼ねた訪問をと私は考えていたりしていた。

 まずは、挨拶がてらこの三人に渡してみるか……

 

… … …


「それで、修業の進捗は如何ですの?」


 大口客が来た時に商談をする座卓でキャッキャしている四人を遠目に、カウンター内のぷみらが言った。

 カウンターの向かいには、一応出してもらったコーヒーをちびちびとやっているバカンスがいる。


「ああ。まずまず順調かな。今日僕がスキルを教えて……あ、えーと、うん。後はトモが行えば一通り完了かな」

「……。そう、ギルマス、サブマスで完了な訳ね」

「いや、なんか済まない。挑発をしたりするつもりはないから、気に触ったなら謝罪する」

「いいわよ、別に。聞いたのは私だし。それに、あの子達にみっともない所は見せられないわ。それよりも、少し変わったわよね?」

「え?」

「スキルとは違う所が!」

「あ、ああ!デュアルエレメンツね。僕等も驚いたよ」

「予定外ってこと?」

「何かでフラグが立って、変容したらしい。一応恩恵だけど、出処の詮索には誓約が掛かっているらしくてね。冗談抜きに僕等にも教えられないってさ」

「そう。確かに、恩寵っていうのは、気安く得られないものよね。でも、あの子ちょっと危ういわ。きちんと見てあげられてる?」

「ハハハ……手厳しいなァ。殴路羅やカトブレパスなんかの事言ってる?」

「ええ。それだけでは済んでない様にも思えるのだけれど……あの子、グイグイ突き進んでいくのだもの。放っておいたら、冒険の最中でフッと消えてしまいそうよ」


 隣にいたライラックは、内心で心底驚いていた。

 バカンス・デカダンスが来店した事もそうだが、BNGのギルドマスターと店内でぷみらが話しているという事実が、どこか現実味を欠いて見えた。

 ぷみらという人物について、他者が恐らく抱いているイメージは、冷徹、排他、狂信みたいに感じるかも知れない。

 過去に栄光を極めた同志達の仇としてトモを絶対悪とし、聖法国の異端審問官にして、第三司祭である。そう思われるのも当然の事だろう。

 だが、リアルの同僚にして友人であるライラックから見れば、それは少し違うと思っていた。

 ゲームにおいては後輩の立場である自分は、裏方を仕切るのが得意だった。だからライラックは、玉手箱グループのサブマスとして事務や庶務の大半を仕切り、後進を育てて来たのである。

 ゆえに、自分達の組織の立ち上げ役であるぷみらを否定はして来なかったし、異端審問として仇敵を屠れるのであれば、それは良いと思っていた。突っ走って、すぐ死ぬタイプならば止めもしようが、彼女は慎重かつ執拗だった。

 熟考して成す作戦ならば、大きく反対はすまいというのがライラックのスタンスだ。

 だが、復讐こそすべてとするのは、後進と今を楽しむという観点からは、正直言って思う所があった為、今の変化は好もしいとも感じた。

 復讐の尖兵へと考えて唾を付けたコト。それを敵方に取られて、あわや一触即発かという頃合いに、メンバーのマローニェの暴走。

 商会としては悪手であり、ぷみらの本懐を遂げることの妨げに他ならなかったが、それが逆に功を奏したのかも知れない。

 ライラック自身のぷみらの評価は、仲間思い、責任感、生真面目である。その3つの暴走によって、復讐の鬼と化していたのだ。先に暴走して暴発したマローニェの責任により、BNGと歩み寄りとも言える会見があり、死んだ仲間から、今の仲間へと責任感がシフトした。また、玉手箱商会とBNG、奇しくも当事者同士できちんと会話を行った事で、ぷみらの中の熱病じみた毒が抜けた感があった。

 それは当然とも言えよう。交通事故が起こったのなら、それは立派なトラブルだが、警察や保険屋を介しつつ謝罪や今後の話し合いを通して、拗れた内容を明確にし、不幸ながらも納得していくものである。

 ぷみらとしても、仲間を殺されたとはいえ、大勢で仕掛けたのもこちら側なのである。その後に話し合いや落とし所をさぐる事を一切せずにここまで来たのだから、日増しにわだかまりが募り、憎悪が強くなっていった結果がこれまでだ。彼女は旧団でも癒し手であり、決して戦闘隊長や暴力装置ではなかった。

 一人ぼっちで示談も成らず、死んでいった仲間への責任と仇を取る義務感で復讐鬼へとなっていたのだ。

 だからこそ、今後トモと話を着けるにせよ、きちんと話せる理性的な、いつもの彼女であって欲しいと切に願うのだった。  

 

「いや~、ぷみらは優しいんだなぁ。その考えは至極当然なんだけどさ、僕等は危険だからと言ってあの子を雁字搦めや説教漬けにはしたくないっていうのもあるのよ。そりゃ此処は後悔が先に立たない場所なんだけどさ〜、あの楽しげに色んな方向へと向くベクトルを管理し始めてしまうと、あの子の持ち味がなくなりそうだろう?このゲームつまんないってなっちゃったらさ、退会するしか無くなるじゃん。それでは本末転倒でしょ?それに、僕達の元まで追い付いてもらうには、優しくするだけじゃいられないしね〜」

「なっ……ばっ……バッカじゃないの!優しくなんてないわよ!もう、カップ下げるから、もう帰りなさいよっ!」

「えー、おかわりないのぉ?」


 そんなやり取りの中、三人娘がカウンターに飛び込んで来た!


「ぷみら様ぁー、ライラック様ぁー!見て下さいっ、これッ!!」


 何やら興奮気味で収集がつかない三人に代わり、その後ろから来たコトが説明を始めた……


… … …


 数分前の事。


「あの、御三方は、ちょっとしたアクセサリ……ちっちゃい紋章とかを身に着けるならどこが、そしてどんな留め具がいいですか?いや、何でもという訳ではないのですが、ピンズか、鎧用のマグネットか、とかそんな感じで!」


 私は、自分が身に着けているクローバーピンズと、肩がけ鞄に着けている各種ピンズを見せた。


「何これ、カワイー!」


 可愛いかどうかは正直微妙だが、見たことない小物を三人は珍しがってくれた。


「これ、拙いですが私のハンドメイドなんです」

「へー、すごーい!」

「器用なんですねー」

「お店でも、こういうのは見たことないです」

「で、お近付きの印に、よかったらちょっとおまじないを掛けて差し上げたいかなーって」


 キャッキャと騒いでいるので、興味は持ってくれたみたい。


「で、これは布地に着けるピンズなんですけど……取り付け方法と、おまじないで伸ばしたいステータスを教えて下さい」

「私は法衣に着けるから、そのままでいいかな。ステータスが上がるなら、スピードだねっ」

「私は腕力をつけたいですね。普段はローブですが、戦闘時はブレストプレートに鎧下を着けます。ピンズかマグネットか悩みますね……」

「私は棒杖(ワンド)を使うので、メンタル上げたいです。アクセサリは指輪とか欲しいです」


 シイノ、キーラ、茴香の順にそんな返答が返ってきた。

 なるほど、やはり装備は皆それぞれ色々だね。


 私はちょっと考えて、まずは聖法国のシンボルである雫石のピンズと、スピード上昇の白マグネットを取り出して、シンセサイズを使用した。

 今の私なら、きっと出来る!


 予想通り、合成は成功し『白い雫石のピンズ』となった。

 その調子で、次は雫石+赤マグネットで『赤雫石のマグネット』と、小さなメダリオン+ナットリングで『スチールメダル』(メダルはマグネットに付かない材質だったので、ナットリングと合成して鉄の性質を合成)を作成し、鎧にはマグネットで、布地にはマグネットとスチールメダルで布を挟んで固定するものを作成。

 さらに雫石+緑マグネットに+ナットリングを合成して『緑雫石の指輪』も完成した。


「「「キャー!」」」


 三人が、渡された品を手に取って騒ぐ。彼女達はすぐに身に着けてみてステータスを確認し、理解したらしく、ぷみらさん達の元へと駆け寄る。


 見て見てと大騒ぎの三人を掻き分け、私はぷみらさんとライラックさんの前に立つ。


「三人には、お近付きの印を。そして、良くして頂いてるぷみらさんとライラックさんにも、ささやかですが贈り物をさせて下さい!」


 三人娘同様にして、お二人の希望を聞く。

 ぷみらさんはメンタルが高く、地属性魔法で力と耐久をカバー出来るとの事で器用さを補強したく、ライラックさんは神官系なので、耐久値が欲しいとの事。

 そしてアクセサリーは二人ともペンダントがお望みだった。


 なので私は、器用さの青と耐久の黄色マグネットにそれぞれ雫石ピンズを合成。そして、ワッシャータグを更に合成して『青雫石のペンダント』と『黄色雫石のペンダント』を造り出した。


 受け取ったお二人が、ステータスを確認する。


「これは……凄いな。1ポイントとはいえ、この場でのハンドメイドでステータス上昇を成せるのか……」

「コトさん、これは大きい1ポイントでしてよ。成長過程にいるものは鍛え方で数値を上方修正出来ますけど、ランクもAになると成長も頭打ちに近付き、良い武具等で補正を掛けようにも、そんなに都合良く、より高いステータス上昇が付いた高位武具が手に入るかは分からないわ。今のひと時でわたくしのポイントを上昇させたのはとても大きい事でしてよ」

「でも、重ね掛けは出来ないんです」

「それでも、感謝ですわ。ただ一つ、手軽に1ポイント上げられる人物と知られるのは、注意して下さいな。餓狼の様な凶悪で飢えた連中も、世間には多く居ましてよ!」

「はい。これは、フレンドに相応しい人への特典にしたいと思っています!」


 私とぷみらさんがそう話す中、横合いからバカンスさんが、情けない感じの表情で覗き込んできた。


「あのー、コトさんや。僕ぁ、それ見るの初めてだよ。多分、他の皆も」

「あっ……」


 普段から強キャラ感出てるせいか、強化に関して結び付いてなかったかも。マグネットにしても、贈答品程度にしか考えてなかったよ……


 私の声と共に、店内は皆の微妙な雰囲気に包まれるのであった……


… … …


NAME:【曰く付きの骨董(ミスティック・アンティーク)】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)


LV58 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C

STR216 VIT212(+1) DEX214 MEN208 SPD211


《所持金》

1008365P


《師事》

『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ


《習得技能》

【工芸】(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。

【目利き】(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にUP。

【体術】(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。

【シンセサイズ】(LV44) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。

八十五式和合婚刻拳(ブライドアーツ)】(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。

【活眼】(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。

【調理】(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。

【暗闇の歩法】(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。

【狼煙】(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。

【四換】(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。✡変換可能物質:小石(地属性)、煤塵(闇の加護)

【魔銃】(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。

【魔力撃】(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。

【睡夢撃】(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事で高位の相手にも催眠効果が見込める。✡加護により成功率上昇。

【魔睡銃】(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。✡加護により成功率上昇、弾速上昇。

【乗馬】(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。

【反作用受け】(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出された固有技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。

【気功】(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。

【縮地】(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルレベル、オーラ、SPD依存。

【部分獣化】(LV7) ※タト族及びチト族の獣人(ライカン)病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。

闇刃(あんじん)】(LV1) ※暗闇となった場所に指を入れて発動する闇の刃を指に宿す生活魔術。殺傷力は低い。

闇刃(あんじん)(かい)】(LV1) ※高位の夜魔の力で改良が施された闇の刃。斬れ味が高品位の剣程度に底上され、殺傷力が上昇。✡追加能力:魔力消費で短剣→小剣に変化。霊体・魔法生物に攻撃可能な戦闘用の闇刃。

星の飛槍(スターダストジャベリン)】(LV1) ※星空の下で極星(ポールスター)を指差して発動。指先が煌めいた状態で光の槍が射出可能。象獏族の固有術で星空の夜限定。邪悪な存在、霊体、不死者に特攻。

月光刃(ムーンシックル)】(LV1) ※月の魔力を具現化した光の小型鎌。月に両掌ないし片掌を翳して発動。手持ち武器、投擲に使用可。月の霊力を宿し、幻夢境の生物や闇属性の者に特攻。技の開祖たる闇の道化師との制約により、良き闇の眷属に使用すると無散して精神力がゼロになり昏倒する仕様。

暗雲の瞳(かすみめ)】(LV1) ※視線の先に50cm程の闇の霧を発現させる。複数発現が可。有効射程は視界内だが、距離に応じて消耗が多いので注意。

崩閃禍(インパチェンス)】(LV1) ※護身魔法。任意の手に爪紅をさす。爪紅は術式装填数を示し、手による攻撃で対象の神経系を1秒麻痺させる。殺傷力はない。肉体を持つ生命にのみ有効。


《タト族の力》

◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。


《フィート》

*【闇の加護】∶夜を紡ぐものの加護。属性に闇を加え、闇の力を帯びた攻撃時と被弾時にプラス補正が入る。

*【夢渡り】∶念じる事で、辺獄(リンボ界)へと渡る事が可能。

【綺羅星の加護】∶NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。

【寄り道の王者】∶秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。

【応用技術万能】∶組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。

【野生の超反応】∶不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。

【進化創造の手】∶生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。


《装備品》

木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの(ハイ・デイライト・ウォーカー)』、毒喰の山刀(どくばみククリ)、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付

(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)


《所持品》

水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×20、80%ポーション×10、中級薬草×40、月光草(薬用素材)×5、夜光草(強化素材)✕5、夜陰草(毒物素材)✕5、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×62、小さなメダリオン×66、リサイクル・ピンズ×68(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石5ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、ワッシャー・タグ×36、付与マグネット×21(内訳:赤4、黄6、青4、緑2、白5)、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×35、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール×35、山伏茄子×3、蛇玉×1


《アーティファクト》

鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。

蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。

夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。


《所属ギルド》

【B・N・G】

◆【混沌(コントン)】バカンス・デカダンス

◆【禍つ女(マガツメ)(トモ)

◆【檮杌(トウコツ)】ブキョウ・キナガシ

◆【饕餮(トウテツ)】ゲイン・バショク

◆【窮奇(キュウキ)明石・暮紅人(アカシ・クレコウド)

◆【獣王(スタンピード)】ふらりぃ

◆【インビジブル】NON(ノン)EMPTY(エンプティ)

◆【大蟒蛇】魅酒螺(ミシュラ)

◆コト・イワク

◆ミミナガ・メデカ


《フレンドリスト》

●『第三使徒』【治の司祭】ぷみら・みにま

●ぐすたふ

●アイアン

●ライ・クライ

●エスプレッソ・デミタス

●『メルティ・ローズ』【奈落に咲くもの】ヘルベティア・ローゼンリース

●【採集者】ロータス・ピットフォー

●『黒閃』【十輪の剣匠】TOWA

●『第四軍司令』【百錬将】方天画戟

●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ

●『戦闘代行業者(バトルジャンキー)』【喧嘩屋】殴路羅

●『梟熊(アウルベア)』【ねじくれ】ちろる

●『梟熊(アウルベア)』【闇食い】ハクア

●【試し屋】リュウザ・ラッシュ

●【棘山猫】ローゼン・リンクス

●【オーバーキル】レッド・ナイヴス

●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン

●【白き玄武(タートル・パラディン)】グレゴル

●【流騎士】フランベル

●【五色の雲舞う】韮井カナエ

●【飛刀使い】エンジ

●【楽匠】久遠

●『第十一使徒』【黄の司祭】シャンメリー・スパークル

●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン

●【木陰の瞳】エルツェ

●『剣の獣王』【片角】サクラン

●『死霊術パティシエール(マジカル・スウィート)』【煉獄の蔓薔薇(フロレンティーナ)】ふろらんタン

●『黒き魔弓(エクリプス・ルナティカ)』【蒼丘の主】ラン・(チーア)・ストラトス

●『黒き輝き(リュミエール・ノワール)』【瞬速の貴公子】ステイン・グレイ

椎野くぬぎ(シイノ・クヌギ)

●キーラ・キラルル

茴香(ウイキョウ)


《従士隊》

◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)

◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)

◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)

◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)

◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)

◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)

●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)


《積載獣》

◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀

◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀


《ギルド部屋の金庫(99)》

ロセオの花瓶、クルリエの錆びたスプーン、クルリエの錆びたナイフ、クルリエの錆びたフォーク、クルリエの錆びた包丁、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー


《工房の所持物品》

古びた荷車、空の頭陀袋×42、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1


… … …


 東門を出て、北へ向かった。

 以前、魅酒螺さんと修業した時の逆の道行だ。

 なんだかよく分からないが、私の買い物では修業にならないらしく、今はバカンスさんの案内で修業に適した店へと向かっているらしい。

 おかしいよね、私の買い物だって、充分にごく一般的な普通の買い物のハズなんだが……


 でも、この先ってアレだよね?市門内に入れない、荒くれや不貞浪士達の集まるスラム街。

 一体、どんな店に連れて行かれるやら……


「おい、アンタら!そこで止まれっ!ここは北壁東の統括クラン、『骸骨小隊(スカル・カンパニー)』のシマだぜ!」


 スラム街に入ってすぐの所で、鉄の鉢金、鉄のマスク、トゲトゲガントレットのモヒカンが難癖をつけてきた。


「あれ?ボクは『双壁連合』のフリーパス持ってるんだけど、コレ!」

「何だよ、パス持ちか。なら文句はねえ」

「あ、でもこっちの子は持ってないみたいだね!」

「何ぃ!そいつは頂けねぇな〜。おい、嬢ちゃん!不法侵入者って事ならこの俺、防衛隊長の『鉄面』のクラッシュがヤキ入れてやるぜぇ〜」


 また、コレかよっ!!


 モヒカンは拳を振るって突撃して来た。


「もう『エターナルなんちゃら』はいーよッ!」

「北西の連中と一緒にするなよ、俺の鉄拳を喰らえや〜っ!!」


 うんざりしながらも、私の拳とモヒカンの拳が交錯したのだった……


… … …


「へぇ、こんなとこに店があるんだ〜」

「そっすね、ここが『〜奇跡の掃き溜め〜スキマ堂』でさぁ!」

「なんか、大仰な名前だね」

「なまくらから掘り出し物まで、色々と取り揃ってる故買屋です。ダンナとお嬢が壁内から探しに来るだけの品揃えはありますぜ」


 ……って、なんでクラッシュが案内してるのかよく分かんないけど、ぶっ飛ばしたら何故か掌返して案内人みたくなったんだよね。

 そんで、この店がバカンスさんが修業ついでに私を連れて来たかったという店だという事だ。


「さぁ、ここで値踏みスキルを習得してもらうよ。ヘンな怪しい物が山積みだから、キミも趣味と実益になるだろう?」


 そう言われると、なんだがガラクタばっかりに見えた古道具達がいわく付きの品に見えてくるから不思議である。

 さっそくモノクルを……


 取り出そうとした私だったが、バカンスさんが腕を振ると、手から一瞬で無くなってしまった。


「あーーーッ!!」

「スキル『掻っ攫う(ピック・ポケット)』。この訓練では鑑定は使えないよ〜」


 そう来ましたか。今のまっさらな状態から覚えろって訳だ。


「いや〜、緊張感も大事だからさ、今日中に習得出来なかったら、この片眼鏡はボクに譲渡してね〜」


 何ぃ〜!!私の商売道具、取られてたまるか!こうなりゃ俄然やる気が出てきたよ……


「ではルール説明。その①、この店にあるすべての商品から好きなアイテムを3つピックアップする。その②、三点それぞれの予想額を私に告げる。その③、カウンターにいるコルク爺さんにそれらを買うと告げる。その④、爺さんがそれぞれの額を言って合計を告げるので支払う。その⑤、有り金が無くなる前に予想額がピッタリかニアピンしたらクリア。当てられなければ失敗とする」


 これは……初来店の店で金額予想か。有り金無くなったら終わりって、いらんもの買って破産はリスキーしかない。少しは予測の付きやすい物を買わなきゃならんし、ガラクタで破産もしたくない。スラムの故買屋って事は盗品かつボッタクリもありきかな?


「続いて補足ね。まず、この店の店主であるコルク・プルトップ老は、従来は適正価格に近い売り方をするが、遊び心から10品に一つ位、ボッタクリや安売り価格を付ける。つまり、たまに気まぐれ価格があり、それは地雷にもなるので、一概に適正ばかりと思わない事を推奨する。次、はじめはボクがヒントを出そうとも思ったけど、折角ゲストが来てるので、クラッシュ君とだけは予想を話し合ったり、情報を聞いたりしても良いとする。最後に、温情として10〜100パカシ代の品はヒト桁、1000〜9999パカシの品はフタ桁、10000以上の品はミ桁までの差額は不問とする」


 クラッシュの予想って……このモヒカン、宛になるのか?


「えーと、クラッシュ氏はこの店の品や金額、詳しいの?」

「いえ、あっしは金勘定は苦手でさぁ!店にはお宝目当てでよく来ますがねぇ」


 ダメじゃん。……いや、でもよく来てるって事は、値段の傾向は分かるかも?

 そして、10〜99パカシまでの品は1の位、9999までの品は10の位、それ以上の額は100の位までを端数と考え、当てなくても良い訳か。確かに7248Pでーす!なんて言われて当てられる訳もないし。

 よし、決められた条件を元に、いっちょやってやろうじゃないの!


 こうして、バカンスさんの値段当てゲームが始まったのであった……

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― 新着の感想 ―
バカンス編突入~ってバカンスおまえが振り回されるんかい(笑) 結構初期からええもん作ってるな…結構配ってそうやからじわじわ作成者が知られていきそう。 商売道具がかかった緊張感ある修行、コトの目利き楽し…
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