表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/175

ヘルプ

リョウタが、翼くんと、久しぶりに飲みに行った。

翼くんが、再婚してから、奥さんの連れ子の娘さんもいるので、飲みに行く回数が減っていた。

しかし、今日は、翼くんの奥さんが妊娠したらしく、翼くんも、親と同居のことで、色々悩んでるらしい。


「オレの子供ができたから、親が喜んでるんだけど、産まれたら、うちの親、孫を平等にしてくれるか心配でさ。これを機に、親と別居したほうがいいのか悩み中」

奥さんの連れ子のルカちゃんと、産まれてるくる子供は、翼くんの両親の初孫だから、両親が、孫を平等に可愛がるか心配してるみたいだ。

「奥さんは、なんて言ってるんだよ。別居のこと」

「べつに。別居しなくてもいんじゃないみたいな。里帰り出産もしないみたいだし。ここで、産む気みたいだ」

奥さんは、翼くんの両親に、不満はないようだ。

話を聞けば、ルカちゃんの幼稚園の送り迎えを翼くんの両親がして、可愛がってるみたいだ。可愛がってるなら、問題がないと思うが、翼くんが、言うには、今まで可愛がってたのに、翼くんの子供が産まれたら、手のひら返して、初孫ばかりを可愛がったら、ルカちゃんが、傷つくのではないかと言うらしい。


「翼の両親に聞いたらいいじゃん。孫を平等に可愛がるかって。聞いてから、別居するか、しないかを考えるとしてさ。翼の両親だって、ルカちゃんを可愛がってるんだから、みんな出ていかれたら、寂しいんじゃないのか」

リョウタは、翼くんに言った。

「それとも、孫を平等に可愛がらないなら、別居すると言って、釘をさすとか」

「そうか。そうだよな。女房は、子供二人になるんだから、孫の面倒を見てくれると、助かるからと言ってたしな」




2時?リョウタが帰ってこない。

リビングにもいない。2時って、田舎の居酒屋が、2時までやってるはずがない。スナックだって、12時で、終わる。

リョウタは、スマホを忘れていった。


リョウタのスマホを見ると翼くんから、メールが入っていた。

『リョウタ。今日はありがとう。話を聞いてもらって、スッキリしたよ。』

えっ。ということは、翼くんと別れたということだよね。


『翼くん。京子です。リョウタと何時頃別れたの?リョウタが、まだ帰ってきてないの』


私は悪いと思ったが、リョウタのメールで、翼くんに、聞いた。


『12時前に、別れましたよ。リョウタ、歩いて帰りましたよ。まだ帰ってないんですか』


12時前って。歩いて帰ったとしても、あの居酒屋から15分くらいだよね。


「お母さんっ。恭ちゃん見てて。私、リョウタを探してくる」

「リョウタくん、帰ってきてないの?」

「翼くんが言うには、酔いを冷ましながら、歩いて帰るって、リョウタ歩いて帰ったみたいんだけど。とにかく、探してくる」

私は、車で居酒屋までの道を探した。


「いてー。」

リョウタは、堀に落ちて、動けなくなっていた。

「リョウター」


私は、堀に落ちて、動けなくなってたリョウタを見つけた。

さいわい、 堀には水があまりなかった。


「京子ー。足いてー」

「足痛いの。どこ?」


骨折したのだろうか。右足がはれていた。


「飲みすぎて、堀に落ちて気づけば寝てた」


寝てたって、田舎の夜中なんて誰も気づかないのに危ない。

私は、リョウタを救急病院に連れていった。


「骨は異常ないですね。捻挫ですね。松葉杖貸しますので、一週間くらい歩かないようにしてください」

病院の先生は、言った。


「酔っぱらって、気づかないで寝てたら、この辺の2時なんて、物騒だから危ないですよ。ボコボコに、されてかもしれないですよ。奥さんに探してもらって良かったですね。」

先生もいうように、田舎なんて街灯もろくにないし、危ない。


「京子、ごめんな」

「もう気を付けてよ。お金かかっても飲んだら、タクシーで来てね」

でも、捻挫ですんで良かった。


家に帰るのと、心配したのか両親が起きていた。

松葉杖で帰ってきたリョウタを見て驚いていた。


「お義父さん、お義母さん。心配かけて、すいませんでした」

リョウタは、両親に謝った。


「でも、無事で良かったー」


捻挫だと説明すると、両親は安心したようだ。

私は、翼くんも心配してるから、メールするように言った。




「リョウタくん、大丈夫なの?!」

松葉杖で、出勤したリョウタを見て、花江が驚いてた。


「リョウタさん、歩いて大丈夫なんですか」

野菜を配達にきた駿くんも言った。


リョウタに、仕事休むように言ったんだけど、行くと言い張るので、レジだけしてもらうことにした。

ランチは混むけどキッチン一人で、花江にはホールやって貰うしかない。



「あっ。夜、今日、潤くん大学のゼミで、休みだった。」

お父さんにきてもらうしかないかな。


「オレ、手伝いにきますよ。東京いたとき、カフェで、バイトしてたし」

駿くんが、手伝うと言ってくれた。

「ありがとうー」


「店長、大丈夫ですか」


お客さんが、リョウタが、歩けないのを知って心配してくれた。

たまたま、ランチに和津が来てくれたので、ホールを手伝ってくれて助かった。



ディナータイム。

「おつかれっすー」

カンジくんが来た。

「オレ、呼んだんですよ。カンジも居酒屋のバイト長かったんで」

駿くんが言った。


二人も、手伝ってくれるなんて助かる。

しかもRSKのメンバーが、揃った。なかなか、貴重なホールじゃないですか。


「きゃー。来て良かったー」

会社帰りに来たOL達が、喜んでいた。

「店長、大丈夫ですか」

咲ちゃんが来て心配してた。


しかし、お客さん達はRSKのメンバーがホールしてると、メールで教えたのか、店は、続々お客さんが来て混みだした。

私一人で、キッチンがきつくなってきた。


花江と、和津が、心配して家族を連れて様子を見に来た。

和津の息子さんは、RSKのメンバーが揃っていたので、喜んでいた。花江と和津に、キッチンを手伝ってもらい、ホールはRSKのメンバーに任せた。


「京子、断然ホストクラブに行くよりいいわ。やばいね。イケメンばかりのホール」

花江は、キッチンからホールを見渡して言った。


「これじゃあ花江が、調理師の免許を取るって、やる気もでるはずよね」

和津が言った。



夜にリョウタの足のシップを変えようとすると、恭ちゃんが、リョウタの足を触った。


「ぎえー。やめろー触るな」


リョウタのリアクションが面白いらしく、恭ちゃんは、きゃきゃと、リョウタの足を何度も触った。


「恭っ。やめろつーのっ」

「恭ちゃん。パパの足にシップを貼ってやって」

私は、恭ちゃんに、シップを渡した。


「優しくしろよ。優しくなっ」


恭ちゃんは、勢いよく、バンっと、リョウタの足に、シップを貼った。



ぎえーー。



リョウタの声が響いた。

心配させたから、これくらいは、おしおきしないと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ