ドタキャン。
土曜日。ディナータイム。
「いらっしゃいませ。今日は、友達は?」
リョウタが、常連のOLさんに聞いた。
「またドタキャンされたんです。友達に彼氏ができて、ドタキャン当たり前になりました」
常連のOLの松子さん。26歳。いつも友達と来ていたのだが、最近、友達に彼氏が出来たらしく、彼氏優先になり、ドタキャンが多くなり、一人で、来店されることが多くなった。
「ドタキャンするなら、約束しなきゃいいのに。こっちだって、約束した日は、予定いれないようにしてたのに、ほんと約束するだけ無駄なんで、もう約束しませんよ。どーせ、会っても、ノロケ話を聞かされるんですよ。私、イケメン好きだから、友達のブサメンとの彼氏とのノロケを言われても、羨ましくないんですよ。」
松子さんは、注文したワインを飲みながら、パスタを食べながら、リョウタに、愚痴った。
松子さんが言ってることは、すごく解る。
私も独身時代、彼氏優先にして、やたらドタキャンする女いた。そんなら女友達と約束しなければいいのにと思うのだが、彼氏と会えないときの暇潰しとして、女友達との約束は、補充用なのだろう。
そして、彼氏と別れると、『やっぱり女友達よね』と調子のいいこと言って誘ってくる。
「最近、一人で、出掛けるのが楽しくなってしまったんです。一人で、好きな時間で、好きなとこに行って、好きなお店に行って、好きなもの食べて、見て。なんか、一人が、ラクになりました。」
その気持ちも解る。しかし、その一人行動が長引くと、男と付き合うのも、おっくうになるかもしれない。
「イケメン好きだから、私は、彼氏できないんですけどね。なのに、彼氏欲しいからって、焦って、誰でもいいって、気持ちにもなれないんです」
松子さんは、妥協はしないわけだ。確かに、彼氏が欲しいと、焦って、適当な好きでもない男と付き合うのも、きついだろう。
「私、イギリスの俳優Aが好きなんですよ。近くに、そんな人いるわけないんですよ」
んっ?イギリス俳優?
「いらっしゃいませ。あっ、駿くん。カンジくん。」
カンジくんを見た松子さんは、思わず立ち上がった。
松子さんの瞳は、恋する乙女になっていた。
リョウタは、松子さんの衝撃に気づいたのか、駿くんと、カンジくんを松子さんの隣の席に案内した。
「カンジくん、こちら常連の松子さんです」
リョウタが、カンジくんに松子さんを紹介した。
「初めまして。坂上松子と、言います。26歳。OLしてます。」
「よろしく。カンジです。オレと同じ年だね」
「カンジさんは、趣味は、なんですか。」
早速、松子さんは、カンジくんに質問をする。
「趣味っていうか、バンドやってたんで、ドラムかな」
「ドラムできるんですね。私も町のサークルで、和太鼓やってるんです」
無理矢理、共通の趣味にしたようだが太鼓同士だし、まあいいだろう。
「へえー。和太鼓か。すごいね」
「カンジくんさ、松子さんに、この町のこと色々教えてもらうために、このあと、松子さんと飲みいったら?」
リョウタは、気を効かして言った。
「カンジ行ったら?この町で、友達増やしてもいいだろうし。オレは、彩が待ってるから二人で行ってこいよ」
駿くんも、気づいたのか言った。
「ぜひ、行きましょう」
松子さんは、行く気満々だった。
「じゃあ。行きますか」
カンジが言った。
「私、個室の居酒屋知ってますー」
やはり、個室がいいのだろう。
こうして、松子さんと、カンジくんは、飲みに行った。
朝、酔っぱらっていた松子さんは、目を冷ました。
「寒いー」
隣にはカンジくんが眠っていた。
「んっ。なぜ、ここに。憧れの俳優が?」
松子さんが、起きてみると、二人とも裸だった。すっぽんぽんだった。
ひえーーっ。
松子さんは、悲鳴をあげた。
その後、二人は、どうなったのかは知りません。




