嫌がらせ。
夕方、ちょっと近くのコンビニ行ったときに、同級生の西川くんと会って、立ち話をしていた。
その頃、家では、リョウタが騒いでいた。
「京子、そこのコンビニ行っただけなのに、遅い。なにやってんだよお」
「もうすぐ帰ってくるわよ」
母親が、なだめるように言った。
「オレ、見てくるっ」
リョウタは、迎えに言った。
「やだー。西川くん。そんな昔のこと、言わないでよ」
「だって。本当だろ。京子がさー」
私は、西川くんと話を聞いて笑っていた。
すると、痛い視線が刺さった。
リョウタが、立っていた。
いつも、相手の男性に文句を言うリョウタが、哀しそうな顔をしていた。
「リョウタ・・」
リョウタは、なにも言わないで、行ってしまった。
「ごめん。西川くん。じゃね」
私は、リョウタを追いかけて、家に帰った。
「京子ー。リョウタくん、どうしたの。何も言わないで二階に行っちゃったわよ」
母親がリョウタを心配していた。
「コンビニで、西川くんと立ち話をしてたら、すねちゃったの」
「あら。まあ」
私も二階に急いで行った。
「なんだ、リョウタくんは、そんなに京子が、好きなんだな。イケメンで、モテるだろうに、いまだに、京子が一番か」
父親が、そんなことくらいで、拗ねるリョウタに驚いたのか言った。
「いつもは、もっと騒ぐのに、何もいわないなんてね。」
部屋に行くと、リョウタは、ソファで、いじけたように、背を向けて寝ていた。
リョウタは、いじけると、面倒くさい。
機嫌を治すのに、一苦労する。
「リョウタ。同級生の西川くんと、コンビニで、偶然会って、話しただけだよ。そんくらいで、気にしないでよ」
「京子。あの男と話して、楽しそうだった。他の男に、あんな顔するなんて」
もう、完全に、いじけてる。
「ただの同級生だよ。昔の話をしてただけだよ」
「相手は、そう思ってないよ。京子と話できて嬉しいと思ってるって。この間、香織って同級生が、京子は、モテたって言ってたじゃないか。その香織って人が好きだった男は、京子を好きだったんだろ」
くそー。香織のやつめ。
わざと、リョウタの前で、ああいうことに言ったに違いない。
わざと、私達を揉めさせようとしたに違いない。
自分が辛いときだからって、他のひとも、揉めればいいとかって、思ってんのが、ミエミエ。
どこまで、根性悪いんだ。あの女。
絶対、嫌がらせに違いない。
「リョウタ。私が、オッサンに興味あるわけないじゃない。若いリョウタの方がいいに決まってるでしょう」
同級生の男子には、申し訳ないが、こう言うしかない。
「ほんとか?」
「本当よ。どう見たって、リョウタのほうがいいでしょー。ねっ。」
「京子ー」
私は、よしよしと、抱き締めて、リョウタの頭をなでた。
はあー。どうにか、機嫌が直ってくれた。
私は、その香織が言ったことを、花江に愚痴った。
「でも、京子がテレビに出たのを見て、京子と仲良くやってた頃を思い出したのは、本当かもね。香織は、京子に会って、言い訳をしたかったんだよ。私は、香織と、そんなに仲良くなかったけど、香織って、そうでもないのに、自分を美化してるとこあるよね。そんなに性格よくないのに、良い人アピールするとこが、あったよ。京子は、男子から人気あったから、京子にくっついてれば、京子と同類タイプと思われると思ってたような気がする。」
花江は、香織のことを言った。
「花江は、私が35歳まで、結婚しないのを見下してた?」
「それはない。私は、羨ましかった。何でも出来る京子が。私は、取り柄ないし、仕事をバリバリするタイプじゃないし、早く結婚したけど。私も田舎から、抜け出して、都会行ってみたかったなーと思ってたときが、あった。頭悪いけど、大学行ってみたかったし。京子が、羨ましかった。モテるのに、男に、媚びないで、仕事してる京子に憧れてた。突然、リョウタくんを連れて、帰ってきて、店をやり始めたときは、びっくりした。京子は、こんなことも、出来るんだって。でも、京子がリョウタくんと帰ってきて、私の世界が変わったようで、嬉しかった。なんも変わらない田舎の世界が、動きだしたんだよ。」
花江は、今までを振り返るように言った。
「香織、本当は、京子に、帰ってきなよ。と言われたかったんじゃないかな」
どうであれ。香織は、自分が優位に立ちたかったのだあう。
人の小さなアラを探し、自分は、あなたより、優ってると、上からみるやつがいる。
努力した人が優るのは、当然だが、努力もしないで、人をひがむだけで、アラを探すやつは、それだけの人だ。
狭いところで、低いところで、上に立ちたがる。
そんなやつは、嫌がらせで、勝とうとしてるだけ。
そんなの、ちっとも偉くなんかない。




