表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/175

イベント。

今度の日曜日に、市民広場で、特産品まつりが行われることになった。そこで、町のイケメンに選ばれた三人衆は、宣伝することになった。


で、今日のローカル局の夕方の情報番組に出ることになった。

中継で都会の街頭で、地元の宣伝をするコーナーである。

「今日は、○○市○○町から、イケメン三人が、起こしくださいました」

地方局でベテランのおばさんレポーターは、テンションが高かった。

「こんばんはー」

リョウタ、真吾くん、駿くんの三人は声を揃えて挨拶した。

「なにぃ?市のイケメン投票で、選ばれた三人なんだって?」

おばさんレポーターは、年下だと思ってか、やけに馴れ馴れしい話し方だった。

「はい。おらがの町のイケメンに選ばれました」

「一位のリョウタくんは、パスタ屋さんの店長さんです。二位の真吾くんは、米専業農家の跡継ぎさん。三位の駿くんは、野菜専業農家の跡継ぎさんだそうでーす。みんな、かなりのイケメンだもんね。もう芸能人みたいっ。素人さんイケメンに思えない」

おばさんレポーターは、かなり、はしゃいでいた。

「そんなことないですよ。顔で選ばれたわけじゃないですから」

真吾くんが、言った。

「またまたーっ。こんなイケメン三人滅多にいないってー。おばさん喜んじゃう」

おばさんレポーターは、謙遜するふりして、自分をおばさんと言って、ぶりっ子していた。

「では、お知らせお願いしますー」

「今度の日曜日に、○○市市民広場で、特産品まつりを開催します。朝10時から夕方5時までです。色んな特産品がありますので。ぜひお越し下さい。」

リョウタが、詳細を読み上げた。

「その日は、真吾くんの家のお米と、駿くんの家の野菜も、販売するんでしょう。リョウタくんのパスタ屋は、なにかするの?」

「うちのパスタ屋は、出店をだします。」

「パスタするの?」

「パスタは、出店で難しいので、ピザと、ホットドックとかあるんで、食べに来てください」

「おばさんも、行こうかしら?」

おばさんレポーターは、また謙遜するふりして言った。

「ぜひ、来てください。」


「あとリョウタくんから、個人的にお知らせあるんだって。このコーナーは、町の宣伝だから、特別よお」

またまた、おばさんレポーターは、ぶりっ子した。

「来週のの日曜日。ここのライブハウス、voiceで、オレがギターをやってるAvid crownのライブやります。開演は5時からです。チケット完売したんですが、当日券少しでますので、見に来てください」

リョウタは、ちゃっかりライブの宣伝した。

「そこのライブハウス?おばさんも娘と見にいこうかしら」

おばさんレポーターは、誘ってもらいたい感じで言った。

「はい。ぜひ、来てください」


「○○市のイケメン三人組でしたー。」

おばさんレポーターが、コーナーをしめた。

「来てくださいーっ」

そう言って、三人は、テレビカメラに手を振った。



はあ。無事にテレビ出演は終わった。

私は家で、両親と恭ちゃんとテレビを見ていた。

「リョウタくんは、やっぱりライブしてるから、テレビ慣れしてるわね」

母親が言った。

「なんか、あのレポーターの人、嬉しそうだったね」

私が、皮肉って言った。

「やっぱり若い男性だと、嬉しいんだろうね。あのレポーター、やたら自分をおばさんと言ってたけど、年は、京子よりは、上よね。」

自分を、謙遜するふりして、おばさんと言い出したら、おばさんである。




その頃、カットがかかった中継先では、おばさんレポーターは、まだ三人に話しかけていた。

「リョウタくん、そこのライブハウスなら、ライブ行きたいけど、チケット完売なんでしょお」

おばさんレポーターは、リョウタに猫なで声で言った。

「来るんなら、顔パスにしますよ。受け付けに名前言えば入れるようにしときます」

「ほんとお。じゃあ娘と行くっ。行くっ。」

おばさんレポーターは、かなり、はしゃいでいた。



そうなのである。今度の日曜日に、特産品まつりで、うちのパスタ屋は、出店を出すのである。当日は、花江に手伝ってもらうことにした。

ピザ釜を持っていくにわけにいかないので、鉄板焼で出来るピザにして、値段は、安くしようと思っている。あと、リョウタのお父さんの会社から仕入れてるウインナー使って、ホットドックを出そうと思っている。



リョウタ、真吾くん、駿くんのテレビ出演は、県内でかなりの反響があり、お問い合わせが、かなり多かったらしい。当日、市民広場の特産品まつりの様子を情報番組が、レポートに来るらしい。

また、あのおばさんレポーターが来るのだろうか。


特産品まつり当日。

朝から、すごい人だった。こんなに動員できると思ってなかった市の実行委員も、てんてこまいだった。

実行委員で同級生の三塚くんが来て、

「京子の旦那さん達のおかげで、テレビを見た隣の市からも、都会の市からも、来てる人が沢山いるよ」


真吾くんの家のお米も、駿くんの家の野菜も、かなり売れてるみたいだ。

うちの出店は、大変なことになっている。

ホットドックが好評で、すごい並んでいる。

「めちゃ、美味いー」

小学生の軍団で、来た男の子たちが、休憩所のテントで、ホットドックに、かぶりついていた。

ホットドックは、100円にしたので、小学生でも買える値段である。


「リョウタくーんっ。来たわよー」

あの、おばさんレポーターが、手を振りながら、リョウタに駆け寄ってきた。やはり、このおばさんレポーターが、レポートに来たのか。

実際、このおばさんレポーターは、顔を生で見てみると、若作りして、化粧もばっちりしてるが、50歳はいってそうだ。

「あっ。うちの妻です」

リョウタは、私を紹介した。


「えっ。リョウタくん、結婚してるのおー」

おばさんレポーターは、驚いて、雄叫びをしていた。


「えっ。真吾くんも、駿くんも結婚してますよ。言いませんでしたっけ?」

「えー。みんな結婚してるのおーー」

おばさんレポーターは、かなりショックを受けているようだった。




リョウタが、結婚してるとか、してないのとか、おばさんレポーターに、何の関係があるんだ?さては、狙ってたのだろうか。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ