↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/89

28 ボスドロップ

一昨日休んじゃったんで連日投稿です。

 その後はあまりにも圧倒的だった。

 残った『コボルト・ソルジャー』は僅か二体。残党を処理するのに大した時間は掛からなかった。


「グルァァ……」


 情けない断末魔を上げて最後の『コボルト・ソルジャー』が白目を剥いて倒れる。

 その最期を見届けた瞬間、辺りに鯨波が木霊した。


『うおおおおぉぉおおぉぉぉぉぉ!!』


 ボスを倒した感動は凄まじく、互いに手を取り合い喜んでいる。死人が0だったことも喜びに拍車をかけているに違いない。


 それにしても、現実でボスモンスターを倒す日が来るとは思わなかった。

 この達成感、異世界に来た人たちがハッスルしてしまうのもよく分かる。とは言っても、あのクソ神官長や皇帝は絶対に許さないけど。


「恭平、やったな! 勝ったぜ、俺達!」


「ああ、これも偏にみんなのおかげだよ。トドメを刺したのも慎太だしね」


「柊くんの指揮あってこそだよ! 四条くんがトドメを刺せたのも柊くんが隙をつくったからだし、柊くんも殲滅に参加してたしそもそも作戦立てたのも柊くんだし――」


「皆月、お前恭平を崇める宗教にでも入ったの?」 


「え? 柊くんは凄いんだから褒められて当然なんだよ!」


「皆月さんが怖くなってきたよ」 


 さて、おしゃべりもここまでにして……。

 ボスと言えばやっぱりアレでしょ。


「ボスドロップ。一体誰がドロップしてるのかな?」


「四条くんじゃないかな? 四条くんが一番ダメージ与えてたし……」


「おぉー、あったぜ。『司令官の軍靴』だってよ」


 ポンっと音を立てて慎太の手元に現れたのは、奇妙なマークが刻まれた黒い靴だった。魔法で鍛えられているのか、軽いのに硬度は鉄以上だった。


「いいんじゃない。裸足だったから丁度いいと思うよ」


「戦士職向けみたいだから、四条くんが装備するのが一番だね!」


「お、おう。なんか悪いな……」


「気にすることないよ。経験値が沢山入ってきたおかげでレベルが20になったからね」


「おっ、ということはいよいよアレが……」


 ここに来て初日。僕がこの『隷属の首輪』を鑑定したところ『聖呪』のレベルは20だった。牢屋の扉も調べたが、掛かっていたのは鍵だけ。その点に関しては慎太が必要な魔法・スキルを取得しているので問題ない。

 つまり、


「今夜の、初めての脱獄の準備が整ったわけだね」  


 慎太が鷹揚に頷く。その様子は少し緊張しているようだった。

 それも仕方の無いことだ。なにせ脱獄がバレれば僕たちは如何な処罰を受けさせるのか分かったものではない。

 だから、最初は慎重に行動するつもりだ。


「って、ちょっと待ってよ! 何、二人共何考えてるの!?」


 そこに皆月さんが割り込んできた。

 そういえば、彼女には何も話してなかったっけ。

 僕は彼女に脱獄に関してのあらましを話した。


「二人共……初日から脱獄すること考えてたんだね」


 話し終わるなり彼女は呆れた表情で僕らを見上げた。

 いや、だって当然だろう?


「ここ、エアコンもないから夏場とか大変でしょ」


「衛生環境もクソ悪いしな」


「四条くん、初日に私をそれ(衛生環境)でからかってなかったっけ?」

 皆月さんが遠巻きからこちらを見つめる姫を見て言った。

 慎太はニヒルに笑い、


「俺は過去を振り返らない、未来だけを見つめて生きる男なんだよ」


「キメ顔で言ってるとこ悪いけど、それって現実逃避だよね?」  


「皆月さん、人間誰しもそんなものだよ」


「そういえば柊くんも四条くんと一緒に私をからか――」


「よし、帰ろうか!」


 皆月さんが変なことを言い出す前に僕は帰還することを決定した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。