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備忘録 テレビ番組録画用パソコンを作ろう  作者: EPO


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第2話 過去のテレビ録画用パソコン1

 夕飯に市販のルーを使ったビーフシチューにバゲットをガーリックバターでトーストした物を出して、彼女はワインを、俺はノンアルウメッシュを飲みながら話す。

 料理については独り暮らしが長いから結構いろいろ作れる。プロほど美味いものは作れないけど家庭料理としては問題ないだろう。


「いつからパソコンで録画してるの?」

「始めたのは3人でコスイベントに行くようになってしばらくしてからくらいかなぁ。

 その前はビデオデッキで録画してたりしたけど1回買ったテープを電車に忘れたんだよな。録画用のちょっといいテープだったから少し高いのを買ったからもったいなくて。

 それでテープ代もバカにならないし、丁度HDDレコーダーが出始めたころで、パソコン雑誌にチューナーユニットの記事があったからそれでパソコンで録画できればなぁと思ってたんだけど」

「それだけのことでそんな事をしようって思ったの?」

「その前に買ったサードパーティーMACが標準でビデを端子から入力したのを動画に出来たから、いずれはビデオテープに録画したのをパソコンに移したいって思ってたしな」


 当時は当然ビデオデッキは使っていたけど、キャプチャーしてパソコンに動画を保存する事が可能な時代ではあった。

 でも、ビデオテープに録画した物を全部移すには流石に時間もかかるし、HDDの容量も当時は少なかったからテストで数分録画してあったアニメを保存してみたくらい。

 320×240の解像度だったから視るにもあまり視やすくなかったし。

 だからテレビ番組を直接パソコンに保存できるデバイスが発売されてると知った時はすぐに買いに行ったのだった。


 そのせいでHDDレコーダーやBDレコーダーを買ったことがない。パソコンでテレビの録画を始めた頃も100GBのHDDレコーダーはあったのに。

 一応仕事でテレビやレコーダーで外付けHDDへの録画テストをしていたことがあるので使い方は知ってるし使えるけど、先にパソコンでのテレビ録画を始めたせいでレコーダーに興味がない。

 録画機能のあるテレビも数年前に買い替えたけど4K放送の録画を試しただけ。もうパソコンでテレビの録画をすることから離れられない。


 というわけで過去のテレビ録画用パソコンの構成を紹介。



・1台目 I/O DATA 型番覚えてない

 これはパソコン雑誌でたまたま見かけたガジェットで、本格的に使うつもりで買ったわけじゃなかったので本当に覚えていない。

 多分映像系の機器なので「GV−」で始まり、MPEG2で保存するからということで「MPG」、USB接続だから「U」が型番に入っていたはず。

 検索してもちょっと見つからないので不明。


「なんでこういうのを買おうって思ったのよ?」

「雑誌に載ってたのを見て興味が湧いてさ。面白そうなガジェットじゃない?ビデオテープがいっぱいにならないしさ。で、次の日に買いに行った」

「これまでビデオテープに録画してたのを考えるとパソコンに保存できるのは面白いけど」

「ただ、まだこの頃はアナログだったし、電波の受信状態もあんまり良くなかったし、画質もほどほどだったから本格的に保存して残そうとは思ってなかったけどな」


 この製品はアナログのチューナー1つだけの製品。

 この手の製品が出始めた頃だからこれが普通でUSB接続の製品。ただし、複数台の接続での制御は無理。

 USBの製品のため基板をケースに入れた製品だったけど、そのケースが結構熱くなるのでケースに穴を開けて小さいファンを取り付けたりした。


 予約はiEPGというインターネットで公開されていた番組表から予約する形になっていた。

 iEPGのサイトはYahoo!やソニーなんかが提供していたりしてた。アナログ放送時代はこの方法での予約が定番だった。


「Gコードとかじゃないの?」

「古いな。新聞のテレビ番組欄にあったアレだよな。使ったことはほぼないけど」

「お手軽だったけど」

「こっちのiEPGのはクリックすればそれだけで予約が出来たんだよ。コードの入力も必要ないし、番組表見ながらだから分かりやすいし」

「新聞見ながらリモコン操作するとかってやるのよりは直感的でいいよね」

「ただ、自動時間変更は出来なかったけどね」


 さて録画されるファイルについてだけど、当時としてはMPEG2という一般的なフォーマットで、現在の地デジ放送なんかに使われてる映像フォーマットのベースになってる。

 ただ、この製品はそのままMPEG2では保存されず、分割した複数のファイルをフォルダ単位で保存して録画してた。

 理由はその当時のHDDのファイルフォーマットのせい。

 当時のWindowsで使われているHDDのファイルフォーマットはFAT32かNTFS。現行のNTFSへ切り替わる過渡期だった。

 Windows95とか98、MEがFAT32で、まだ結構な数が使われていたため対応が必要だった。

 このFAT32は1つのファイルの最大容量が4GBで、2時間番組なのは確実に容量オーバーする。

 そのため、ファイルを分割して保存していた。

 一応NTFSのファイルフォーマットのHDDのために1つのMPEG2ファイルにするツールが用意されていた。

 自分のパソコンではWindowsNTや2000、XP以降で使われている新しいファイルフォーマットシステム(NTFS)だったので問題はなかったため不便だったんだよな。

 DVDに焼いてファイルを再生するのもちょっと面倒だった。


 あと、当時のパソコンを直接テレビに接続はほとんどできなかった。たまにVGA端子付きのテレビもあったけど。

 そのため、再生用の機器も一緒に購入。これはこの製品で保存したままでも再生出来たので都合が良かった。


「で、これで何を録画してたの?」

「深夜アニメ。当時一緒にコスプレしてた頃だけど深夜アニメはほぼ見てなかったんだよな。それで録ってみようかと思って」

「本当にあの頃なのね。3人でコスプレイベントにいろいろ出かけてた頃」

「その前は友達が録画してるのを借りて観てたけど忙しくなったのか疎遠になってな。で、丁度いいかと思ったけど何本も撮ってなかったかな」




・2台目 カノープス MTU2400FX

 この頃はI/O DATAやバッファロー以外にも何社かからテレビの録画用機器が発売されるようになっていた。

 他にもATI(現AMD)がALL-IN-WONDERシリーズというテレビチューナー月のグラフィックボードを出していたりした。

 その中にグラフィックボードの画質がいいと当時評判だったカノープスも参戦していた。


 それで買ったのがMTU2400FX。

 これもUSB接続の機器でアナログ地上波チューナー1つとビデオ端子の製品。

 結構薄めの辞書くらいの大柄な黒いボディーで、前の製品よりは見た目が良かった。

 この製品を買った頃は引っ越していてテレビの電波状況はだいぶ改善していた。


「当時は婚約して結婚しようと思って探した家に先に引っ越してたんだけど、近所に変電所があってテレビのアンテナは電力会社が周辺にアンテナ網を作ってくれてたんだよね」

「変電所?」

「変電所で高い電力を使うせいでテレビ放送の電波に問題が出るんだよ。それで近くの家に電力会社が対応してくれんの。

 そういうところは結構あるはずだよ」

「そうなんだ。そういう問題のあるところに住んだことがないから初めて知った」

「ただ、地デジには対応しないってんで、その後JCOMが引き継いでケーブルテレビ網を張り巡らせ始めたからそれを使うようになったけどな。

 こっちの方が電波状況が良かったし、ついでに契約もしたんだよ。」


 後日JCOMのおかげで更に電波状況が改善したのだが、それ以上にアニマックスとかキッズステーションも録画するようになったので、大量に録画したファイルを残ることになってしまった……


「録画したファイルってどこに保存してたの?」

「この頃から本格的に録画したファイルの保存用にファイルサーバーを設置してそこに納めるようにした。

 確かHDDを最大8台まで拡張したなぁ。その名残でHDDの名称に未だに7番があったりする。

 そんな事をしてたから電源不足が気になって電源ユニットを1台追加したり……1台のPCが結構とんでもない重量になったけど。

 それからこれまたパソコン雑誌で見た『ネットワークメディアプレーヤー』ってのを買ってそれで再生すようにしたんだ」

「何それ?」

「家のLANに繋いでファイルサーバーとかに保存した動画ファイルを再生するんだよ。

 リモコンでDVDプレーヤーを操作するような感じで使えて便利だったよ」


 ネットワークメディアプレーヤーも長く使ってきた。これもなかったらいつまでもパソコンでテレビの録画をしなかったかも。


 ちょっと話が横道に逸れてたけど、MTU2400FXは途中ドライバーのアップデートがあり複数の製品を繋いでダブルチューナー、トリプルチューナーに出来るようになった。

 当時はネットでドライバーをダウンロードするより雑誌で配布されるのが普通で、丁度買ってる雑誌の付録に収録されてて手に入れられてラッキーだった。

 その時はまだお試しレベルのドライバーだったけど、2台体勢で2番組同時録画するようになった。

 このドライバーは安定して複数同時録画をこなしてくれた。


「そんなに録画する番組があったの?」

「今ほどアニメはやってなかったけど、やっぱり捨てた作品もあったんだよなぁ」

「それで?どうしたの?」

「気にしないことにした。後でJCOMやスカパーに加入して取り直したりしたし」

「どんだけ録ったんだよ、瑛太」


 確か録画したままの30分番組5本に片面1層のDVD1枚を使ってたので、この後どれだけ録ってDVDに焼いたことか。

 DVDも50枚入りのを20も30も買ったんだよなぁ、もっとかもしれないけど。

 その焼いたDVDがまだ残ってて、DVDのファイリングケースの中に残ってる。取り直し次第廃棄する予定だけど、120枚入れられるケースがまだ15個位残ってる……

 いまCSは録画してないからいつなくなることやら。


 そして、本格的の保存するようになって更に困るようになったのが野球やスポーツ番組の延長。

 最近はシーズン中夜に野球中継がほぼなくなったけど、あの当時は巨人の中継は必ず放送されていた。当然何度も延長する。


「延長しそうなときはどうしたの?」

「1時間くらい録画時間を延ばしてた。その後必要な分だけ切り取って見れるように編集ソフトも買ったよ」

「それで大丈夫だったの?」

「確か当時は1時間くらいの延長までになってた気がする。それでも終わらないようだとテレビ放送終了だったかな。野球の人気も落ちてきてたからな」


 そう1番人気の巨人戦も意外に視聴率が上がらなくなって、延長を嫌がる人も増えたせいで延長時間の制限が始まってた。

 そのうちテレビで野球をゴールデンタイムに放送することはなくなったから、日曜日の「ザ!鉄腕!DASH!」が夏場に中止になることがなくなってすごく嬉しかったよ。丁度DASH村の頃だったし。

 今は地デジやBSはEPGも受信してるから自動で録画時間が変更されるようになったからかなり楽になった。




・3台目 カノープス MTV2004

 次に買ったのがこの製品。初の内蔵の拡張ボードの製品。

 当時はパソコン内部のノイズがチューナーボードに影響するとかなんとかと言う話があったからUSBにしていたけど、流石に邪魔になってきた。

 外付けのチューナーユニットが2つも3つもパソコンの横に置いておくのは邪魔だし、ACアダプタでの電力供給のためコンセントが確実に足りなくなる。

 という事で内蔵のこの製品に決まった。


「でも、もう2台外付けのを使ってたんでしょ?もういくつか増えたってたいしたことなくない?ノイズで問題が出る可能性があるなら」

「コンセントの延長に使ってるテーブルタップが大体4個しかコンセントがないものしか持ってなかったし、更に分岐させてタコ足配線にするのが怖い。

 それにACアダプタのせいで隣り合うコンセントが使えない事になるからもう限界だったんだよ」

「まあ、普段ずっとチェックしてるわけじゃないし、居ないときにコンセントから火を噴いて火事になっても困るか……」


 そんなわけで選んだこの製品もアナログ地上波TVチューナー1つとビデオ端子の製品。

 これを2台購入し、MTU2400FX 2台と合わせて4番組同時録画出来るようにした。

 4チャンネル分録画できれば大体の深夜アニメは録画できた。当時はまだ深夜帯のアニメが今みたいに多くはなかったからね。


 番組の予約はMTU2400FXと同じようにネットの番組欄からのiEPGで予約できたのでその辺は問題なし。

 ただし、予約数が増え、JCOMの番組も録画するようになるとたまに微調整が必要になるときがあった。


 あと、この頃は録画していないときはパソコンを休止状態にしていた。ただ、パソコンやアプリの問題もあってか復帰が上手くいくかない時があった。

 これが心配で夜録画が始まるか目が覚めて確認しているときが何度もあった。たまに失敗したんだよな。

 ちょうどイベントがあるので2泊3日の旅行した時、失敗していたのは痛かったよ。

 なので、その後は電源を切らないようにしていた。

 パソコン自体も録画用に性能を落としたCPUを使ってたし、時代的にアイドリング状態の時は省電力化するように作られるようになってきたから、電気代もそんなに増えなかった。


「テレビの録画に使うパソコンって性能は良くなくていいの?」

「録画専用で予約とその時のリモートデスクトップのアプリが動作するくらいだったからそんなに性能は必要ない。

 アナログの信号をデジタルに変換するけどチューナーボードとかに載ってるチップの方でやるから、それの性能が良ければいいからね。

 後はHDDに書き込むのに十分な性能があればいい程度た。

 HDDもSATAに変わってきていて書き込み速度も上がってきていたから、CPUの性能は少々悪くても大丈夫。

 でも今の地デジは更に性能は必要ない。元々デジタルだし、HDDやSSDに書き込む為の書き込み速度が十分あれば全然性能は必要ない」

「そんなもんなんだ」

「元々普通にパソコン使いながらTVの録画をするもんだから、そんなに性能が必要だと使い物にならないしパソコンが高くなりすぎる」


 当時はIntel Celeron(廉価ブランドのCPU)を使っていた。一般向けの安価なパソコンに使われていたCPU。

 発熱も低いのでCPUクーラーやケースのファンの回転数を落として静かにさせることが出来るのも利点だった。

 今のCPUであれば性能が良くてもアイドリング状態に近いTVの録画程度なら大して発熱しないし、マザーボードのファンコントローラーにファンの回転数を制御させてるから概ね静かなんだけど。


 ただ、問題がちょっと出た。ビデオ端子からJCOMの番組を録画すると再生出来なくなった。

 使い勝手は変わりないけどこのメーカーはこの製品の頃からコピーワンス機能を搭載し始めたため、JCOMのCSチャンネルの録画に影響が出た。

 コピーワンス機能とは録画した機器 (今回はチューナーボード)と録画したファイルを紐付けして、その機器がないと再生出来ない機能。

 今のテレビやレコーダーにも搭載されていて、ダビング10という9個までコピーを作成できる機能に変わった。


 ちょうど幽遊白書が放送されてるチャンネルがあって録画したらネットワークメディアプレーヤーで再生出来なかった。

 チューナーボードが2枚あるせいなのか、ボードが搭載されているにもかかわらず録画しているパソコンですら再生出来ず、録画するチューナーボードをもう片方のみにしてもなぜか再生出来なかった。

 結局原因不明でMTV2004のドライバーとかに問題があったのかもしれない。

 それ以上いろいろ手を加えるのが面倒だったので、コピーワンスに関係ないMTU2400FXで録画することにした。

 この場合はこれまで通り録画した番組が再生出来た。


「なんで再生出来なかったのよ?

 内蔵ってぐらいなんだからパソコンに直接取り付けてたんでしょ?USBの機器みたいに簡単に取り外せないんでしょ?」

「分からん。2枚あるからつなぎ変えて録画してみたけど両方ダメだった」

「分からんって……結局それ使い続けたの?」

「とりあえずMTU2400FXでJCOMのCSチャンネルが録画できたからそのまま使ってたけど、あんまり覚えてないけど割とすぐ次のに切り替えたと思う」


 そう著作権保護機能はあると使い勝手が悪くなる。

 基本的に誰かにばら撒いたりしない自分としては邪魔以外の何ものでもない。

 地上波の方はまだそんな信号を埋め込んでなかったから問題にならなかったけど、いずれ組み込むような話しがあったので我が家では短命に終わった。

 そのチューナーボードやユニットはヤフオクで処分した。


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