28 勇者とは何か・勇者2
「はぁはぁ、かなり疲れる…」
「大丈夫か?やっぱり無茶して」
「いや、ちょっと疲れただけですから」
スキルを使うとかなり疲れる。徹夜したときの疲労感だ。
「おーい、開けてくれー!」
「あー!先生!」
「どこに行ってたんですか!」
「何か変な声が聞こえませんでした?」
「悪の組織、ダークソルがついに動き出したか……」
「先生!職業が村人何ですけど、どうやって戦えば良いんですか!」
何か一人変な人居た気がしたけど気のせいかなぁ。そういうことにしておこうか。
やっぱり内側からしか、扉は開かないようになってるのかな。
まあそれは良いとして、皆の職業とか気になるなぁー!でもこう言うのって聞いて良いものなのかな?
「皆の職業を教えてほしいんだけど、ちなみに私は聖騎士よ」
鈴さんに言われてしまった。
「魔法使いです」
「私も魔法使い」
「盗賊だよ」
「山賊なんだけど」
「海賊って書いてあるけど」
「ん?俺は重騎士って書いてあるな」
「えっと、私は賢者って」
「拳闘士だ」
「神官と」
「商人って…え、何か皆の視線が痛い!」
「召喚士」
「戦士です」
「槍使い」
「村人です…何かすみません」
「同じく村人」
「自分も村人です」
「え、僕も村人」
「村長です」
「暗殺者」
「僕は勇者です」
「せ、先生は……剣士だな」
僕のクラスは他のクラスより人数が少ないんだ。秋雄くんは来てないし。
「村人が何人かいるのね。でも武器を持たせればちょっとは戦力にはなるんじゃない?」
村人でも凄いスキル持ってるかもしれないしね。
「竜聖?お前勇者だったのか?すげぇなー良いなぁ!」
「竜太は重騎士でしょ?似合ってるよー」
「あ?そうか?ガッチリしてるもんな俺」
やはり、勇者は珍しい職業なんだ。
「何だこれは?」
先生の手には一枚の紙が。
「なになに、ひとクラスから五名、体育館に集まれ」
五名か、負けは死を意味する。死ぬのは嫌だなぁ。
「行くわ」
鈴さん、決めるのが早いよ。もっと、悩もうよ。
「鈴が行くなら俺も行くぜ」
「あっ…私も行きます」
どうしよう、竜太も瑠花さんも行くの?うーん、僕も行くか。
「僕も行くよ」
「勇者様が一緒なら心強いな!あっはっは!」
勇者様?わ、悪くないかも。
「先生も行くぞ!」
流石、先生!
「皆、行って来るよ」
「頑張って来て!勇者!」
「勇者だから負けないはず!」
「いやいや、勇者でも負けるときあるから!」
「は?勇者はほぼ無敵なんだぞ!手こずるとしても魔王ぐらいだろ」
「初期の勇者なんてスライムにでも負けるだろ」
「初期の勇者なめんなよ」
「んだよおらぁ!」
「やんのかおらぁ!」
ああ、何か始まっちゃったよ。
教室を出て、体育館に向かっている最中での事。
「トイレの方から何か聞こえない?」
「ん?誰か使ってんだろ」
「いや、何か話し声みたいなの」
「どれどれ」
トイレの方に近づいて、耳をすませると。
「おい、体育館に向かってるやつら斬り殺せば人数減らせるし、試し切りできるしどうよ」
「でもよ、あの声の主が怒るかも知れねぇし、止めとかね?」
「ビビってんのか?」
「ビビってねぇけど」
何かヤバイ話をしていた。
体育館の中には刀を持った武士のような男子や魔法使いが着てそうなローブを着た女子が結構いる。
武器とかどうするのかと思ったけど、端の方にメイスやら剣やら杖やら鞭やら、色んな武器が置いてあった。
「私は…この杖にします」
「この剣なんか使いやすそうじゃない?」
「俺もその剣が良いな」
「先生にもその剣一本くれ」
「竜聖は良いのか?」
「自分のがあるからいいよ」
そう、僕のスキルには宝具召喚というものがある。
普通の武器や防具より良いものが出せれるらしい。
『準備ができた者は自分のエリアにつけ』
「ここが僕達のエリアか」
「体育館が凄く広く感じるわね。気のせい?」
「いや、本当に広くなってる。倍以上にね」
「やっぱり、魔法か何か使ったのかもね」
こんなに広いと戦いやすいかもしれない。
油断は禁物、負ければ死ぬ。あぁ、手が震える。
「竜聖?早く自分の武器を出した方が良いんじゃないか?」
使ってる間少しずつMPが消費されていくスキルなんだよね。だから開始直後に使った方が良い。
前のチームが僕を指差して、笑ってる。僕が何も装備をつけてないからだ。あっ、目があった、滅茶苦茶笑われたんだけど。
『後、30秒で開始する』
30秒?やばい、緊張してきた、あぁお腹痛くなってきた。
『20秒』
スキルはいつでもいける。
「なぁ、緊張してるのは俺だけか?」
「いや、僕も緊張してる」
「私もよ」
「…緊張してます」
「先生何か緊張しすぎて頭痛がしてきてるぞ」
『10秒』
「いよいよだな」
「だね」
よし、やるぞ!
『開始だ!』
前チームの一人が雄叫びをあげながら、僕の方に向かって突っ込んできた!
緊張がやばい。やるんだ、やってやる!
『宝具召喚』
眩しい光が僕の体を包み込む。
光が金色の剣と防具に変わった。
「何っ!?光ったと思ったらあいつ!ええ!?」
「あぁ、いい気分だ。この剣の切れ味、君の体で試させてもらうよ?」
凄く心地良い。
「いや、止めろ!く、くるなぁぁあ…」
男の首が地へと落ちる。
「切れ味は良いみたいだね。この調子でどんどん倒していこうかな」
「竜聖!後ろ!」
「もらったぁ!!」
ガキィィンッ!
「何だ…と?」
「僕の鎧が硬すぎて、剣が折れちゃったのかな?」
「く、くそぉ!!」
男の腹に一発、拳をお見舞いしてやる。
「かっっ!?」
男が着ていた鎧がばらばらと砕け落ちた。
回し蹴りを男の顔にお見舞いする。
「ちょっ…」
顔は僕の方を向いておらず、後ろの方を向いていた。
体が軽い。空でも飛べそうな勢いだ。
「おい竜聖!助けてくれ!囲まれた!」
「今、行く!」
もう一回使うか。
『身体強化』
うぁ、頭痛が…でも耐えられないほどではない!
竜太の方に向かって走る!
「なぁ、一人相手に五人ってどうなの?」
騎士らしき男に向かって強力な蹴りをいれる。
「かはっ!」
こいつの鎧は少し硬いな?拳で無理なら剣で切るまで。
騎士風の男の両腕を豆腐を切るかのようにスッと切る。
そして鎧に向かってひたすら剣を振る。
二発で鎧は耐えきれず、切れた。
騎士の男はあまりの痛みでショック死していた。
「まだ四人、残ってるのかぁ」
よし、今は首だけ狙うことにしよう。
「熱く燃え盛る炎よ!阻む者を葬りたまえ!火炎球」
サッカーボールサイズの炎の球が僕の方にとんできた!
炎の球目掛けて、剣を降り下ろす。
炎の球は二つに割れて、僕の後ろの方にとんでいった。
「私のとっておきの火炎魔法が!」
「MPがもうない!」
「逃げましょう!」
「そうしましょ!」
残った女四人の首を胴体から切り離す。
「竜聖、助かったぜ。にしても強すぎないか?」
「そうでもないさ」
まだ、MPには余裕があるけど、早めに終わらせておいた方がいいよね。
「竜聖、1クラスを沈めたわ」
「HPもMPも全然減ってないです」
「先生の剣さばきを竜聖達にも見せてやりたかったな!」
僕達のクラスを除いて後、3クラス。
ちょうど向こうに15人、3クラスがぶつかり合ってる。
あのスキルを試してみようかな。
「ちょっと、行って来るよ」
「竜聖やめとけ、死ぬぞ」
「せめて、少し休んでから!」
僕は荒れる3クラスに向かって走った。
「楽しそうな事してるね~?パーティーかな?」
「パーティー?なめてんのか!」
「命かけて戦ってんだよ!」
「お前も殺してやる!」
「おお、怖い怖い」
さあ、使ってみようかな。
『神剣』
ん??剣にオーラのようなものが…。
3クラスの居る方に剣を振る!
15名の生徒は眩い光に包まれた後、消し飛んだ。
「えっ、つよ」
「何今の?」
「え、え?」
「何が起きたんだ?」
僕もよく分かってない。何だこれは、強い、滅茶苦茶強い。
『生き残ったのは五人か…なかなか良いじゃないか。生き残った諸君らには異世界に行ってもらう。また後で何人かそちらに送るからな』
異世界?でもまあ、僕、勇者だし何とかなるかなー。
「異世界って……何か怖そう」
「そう心配するなって」
「異世界、確かに怖いわね」
「先生がついてるから大丈夫だ!」
『それでは諸君、異世界を楽しんできてくれ』
色々あって、僕達は異世界に転送させられました。
早めに異世界に行けた竜聖達。




