第11話 エリナの特訓
エリナ視点
翌朝、エリナは起きると師匠が魔物の肉を使って料理してくれてるのが見えた。旅の道中はいつも師匠が魔物の肉を使って料理してくれていた。
良く考えれば子供が魔物を使って料理するなんておかしいはずなのに師匠なら料理できてもおかしくないと思って特に考えていなかった。
食べるだけは申し訳ないと思って代わりに料理したことがあったが、師匠には二度と料理するなと怒られた。
昔から魔法以外に関しては不器用で興味も無かったから特に上達することは無かった。
「おはようございます。師匠。」
「ん、おはよう。エリナ」
「え?名前で呼びました?」
「うん?呼んだよ?」
「え?何で急に?いつもはお前としか呼んでくれなかったじゃないですか!」
「い、嫌だった?」
「嫌じゃないです嫌じゃないです!」
く、かわいい!1000歳の癖になんだこのかわいさは!
「じゃあエリナ…。1つお願いがあるんだけど、私が1000歳ということは絶対誰にも言わないでね?」
「別に言いふらすつもりは無いですけど何でですか?1000歳の大魔法使いだと認知されれば絶対に国に特別待遇されると思いますけど」
この世界に不老不死の人間などいないと言われていた。だが、実際はいたのだ。不老不死などSランクより間違いなく脅威になり得る存在。そんな存在を国が見逃すわけがない。
「この世界に不老不死なんて多分あまりいないでしょ?なら国同士のめんどくさい争いに巻き込まれること確定じゃん!それに不老不死なんて知られたら実験の対象になりそうだし!撃退できるんだけどめんどくさいし…。だから絶対誰にも言わないでね?絶対だよ!」
「わ、分かりました…」
師匠の顔が近い!
そんな会話があった後はいつも通りご飯を食べ、魔物を蹴散らしながら黒霧の神殿を目指して進んでいった。
そして、気づけば夜になっていた。
体力の上昇に伴い1日の進む距離は長くなっていたが、それでも黒霧の神殿まで後このペースで行くと1年半はかかると師匠に言われた。
どんだけ遠いんだよと思ったがお母さんのためだから仕方ないと思うことにした。
夜になると師匠はいつも私より早く寝る。
私は師匠が寝てからいつもこっそり遠くに行って1人で練習していた。
私は気づいたのだ。
魔王や未知の魔物との戦いを見て、このままだったら私は足手まといになると。
その事を師匠に言うと
「大丈夫大丈夫!私が全て倒すから心配ないよ!」
って言ってくれたが、私は嫌な予感がしていた。
きっとこの先の戦いは想像を絶するだろう。
そんな予感がしていた。
だから私は師匠に内緒で夜に魔法の練習をしはじめた。
師匠に教わるだけでなく自分で修行してみようと思った。
魔法はイメージだ。
他人に教わってもイメージできなければ意味がない。
そして、他人のイメージを完璧に真似することは不可能だ。
だから自分なりに解釈し、自分なりに魔力を動かし、独自に魔法を考えることこそが魔法を使う上で大事なことだと思った。
でもイメージかぁ。魔法のイメージを考えると言っても、どうすれば良いんだろう。
うーん、私は今までの人生を振り返ってみた。
魔法に興味を持って、魔法学校に入学して、魔法を学んだけどお母さんが不死の呪いにかかって辞めちゃった。
ん?良く考えれば不死の呪いって魔法で治せるのでは?
不死の呪い。それは突然お母さんを襲った未だ解明されていない病気。
もしかしたらイメージさえできれば治す魔法を作れるのでは?と思った。
イメージかぁ。呪いをイメージ?難しいな。
今ある技術をイメージしても、未だ治せる人がいないんだから無駄なんだよね。
私は考え続けたが、結局答えは出なかった。
翌朝は特に何もなく、いつも通り朝食を食べ、黒霧の神殿を目指していた。
すると、数十メートルにもなるようなとてつもなくでかい防壁が見えた。




