96/96
番外話005⚫️というか、先に書いちゃうぞ!
第18部 039⚫️例えダルマさんが転んでも、最初の第一歩
ついに彼の世界線でも、戦争の影響が目に見える形で現れ始めた。
ダルマ(不倒翁)が転ぶなど、なかったはずなのに
あり得ないと思っていたのに、
サプライチェーンは乱れ、身近なものが静かに消えていく。
例えば、ビニール袋の不足。
診察を終え、薬局で名前を呼ばれるのを待ちながら、彼は思う。
取り合えば足らない 分かち合えば余る。
何もできない、サイレント・マイノリティの自分。
だが、本当に何もできないのだろうか。
名前を呼ばれ料金を支払うとき、彼は静かに言った。
「袋は要りません。」
「えっ・・あ、無料ですけど・・そうですね・・。ありがとうございます!」
局員は一瞬驚き、そして笑顔になった。
それは、彼にできるほんのささやかな一歩だった。
だが、どんなに遠い目的地であっても、
道のりはいつだって
最初の第一歩から始まるのだ。




