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090●世界が滅ぶ危機

アレックスはジン・ラベンダーと朝食を取りながら、話をしている。

「で、グナの人質になりにきたのか?」

「はい。公国もボレリアも部族国家の統一は、あなたたちが決めることだと考えています。ですから、その過程には干渉しません。」

「それじゃあ、俺が部族国家を統一して、ラベリアへ侵攻したら、どうなんだ?」

「それも関与しません。ボレリアの国境をこえない限り、ですけどね。あっ、ただ、ヴァルターさんは、祖国防衛に行くって。」

「なあんだとお!閣下が来る?!いや、そりゃあ、イカンだろ!止めてくれ!」

「でも、ヴァルおじさんは、言ったらきかない人だからなあ。斬ると言えば斬る!って何かにつけて言うもんだから、僕、いつも宥めるのに苦労しています。」

「と、ということはですね、あなたの言うことなら閣下はある程度、聞き入れてくださるんでしょ?お願いしますよ。」

「いやあ、こればっかりは・・・。なんか、この頃絶好調で、素手で岩を割るわ、ちぎるわ、投げるわ、で。力を持て余してるんですよお。」

「ひぇえ!お仕えした時より、パワーアップされてるじゃないかあ!」


食事を終え、ジンが暇乞いの挨拶をする。

アレックスは深々とお辞儀をして見送る。

ああ、やめだ、やめだ!武力でラベリアに攻め込むのは、ゼッタイに無理!

考えれば、部族国家間で争うってことは、それだけお互いの力を削ぐよな。

ジン様のおっしゃるとおりだ。

むしろ、みんなで協力して共存共栄する方がいいよな。

取り合えば足らない、分かち合えば余る。

納得だ。相応の対価があれば、帝国にも食糧を送ろう。

ありがとう、ジン様。


藪の中から会話が聞こえる。

「儂たちの出番はないのか?うーむ、残念だ。」

「でも、よかったじゃない。ヴァルターさんとわたしたちが突っ込んだら、最低でも怪我人は出たでしょうね。」

「そうですよ。わたしは自分の剣は置いてきましたが、’神の子’を逃がすときには、随分乱暴なことをしましたからね。あんな風になっていたかも。」

「マイロード、聖者の剣を持ってこなかったんですか?!感情暴発されたら、どうするおつもりだったんですか!」

そうだ、そうだ、とマギ、ガイ、レオがアリスに同意する。

「だけど本当言うと、この7人が力を合わせて戦うって、わたし、一度やってみたいのよね。我が子とも一緒にって、どんな感じなのかな。」

「いや、ウィル、それは師匠として勧められません。あなた一人でも、いまや一軍と渡り合えます。」

「それなら、’7人の侍’ってチーム名だけでもつけない?」

「ウィルフレッダ、なんだ、そのサムライというのは?」

「あっ、ヴァルターさんはご存知ないですよね、それはね、エンジェラム王国の首都、ホワイティで・・・・」


結局、ヴァルターの威を借りるという脅しなのだが、死傷者は無かった。

外交の成果と言えないこともない。

’7人の侍’が戦う事態には至らなかった。

もし仮に、そんなことになっていたら、と考えるだけでもコワイ。


ひとまず、今回は滅亡の危機は去った。

だが、油断はできない。

がんばれ、人類、負けるなヒトたち!

平和のための内なる闘いはまだ、始まったばかりである!


(エンディング・テーマ:「いけ!正義は必ず勝つ!」) 


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