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074●ホコリ

「艦長、目的地宙域に到達です。」

「うーん、この恒星系、惑星が1つだけだな。光学的分析はどうか。」

「はい、大気成分その他は、いわゆる‘火星型’と思われます。」

「よし、惑星軌道に乗る。僚艦を1隻着陸させろ。探査機や探査車をだして詳細なデータを取るぞ。」

「‘操舵手’了解!「‘その他’了解!」「‘おまけ’了解!」


僚艦1隻が大気圏に突入する。

というとカッコいいが、実際は大気との摩擦熱の発生を避けるため、

周回軌道を周りながら、ゆっくりと降下していく。

「大気成分の詳細が判明しました。二酸化炭素が約95%を占めています。次に多いのは窒素で、約2.7%。そしてアルゴンが約1.6%を占めています。」

「ということは、やはり宇宙服なしでは我々は上陸できんな。」

「艦長、探査機は間もなく展開可能です。」

「よし、僚艦から空中発艦させろ。映像は随時、送らせろ。」

「‘その他’了解!」


僚艦が地上に着地した。

探査機からのデータをもとに、周囲に探査車を走らせる。

全部で5万台。大人が抱えることができる大きさだが、性能はすごいぞ。

おっ、地質調査で何か見つけたな!

「金属反応があります。しかも純度が高い!あっ、もしかしたら人工物かも?」


なんやて!また、未知との遭遇かいな?!

サード・コンタクトやで、わしからしたら!


「何かの通信、入ります!音声データです。チャンネル開きます。」

ルナの元気な声!ええなあ!いやいや、それどころやない!

「銀河連邦テラの諸君、ようこそ。フッ、フッ、フ、会ったばかりで残念だが、君たちにはここで消えてもらおう。」


聞き慣れた連邦標準語やないか?

サード・コンタクトやないな。だれや、お前?!


「申し遅れたが、わたしはスター・バス社の駐在員、ドリップ・ホットだ。わが社が極秘裏に進めているテラフォーミング惑星の存在を知られたからには、しかたがない、生きて帰すわけにはイカンのだ。覚悟してもらおう!」


スター・バスていうたら、スター・トラック社のライバル企業や!

最近は飲食業にも参入してるで。あそこの飲みもんは、美味い。


「なにいうてんねん!連邦宇宙軍の調査艦隊やで!そんなことしたら、どうなるか、わかってるんか!」

わしの言葉にも、ドリップは動じへん。

「スター・トラック社製のエンターサプライズなど、僚艦もろとも吹っ飛ばしてやる。多宙域企業にとって、君たちなどチリ、アクタのようなものだ。企業は常に利益の先行投資をしているのだよ。さばら、いやちがった、さらばだ!」

通信が途切れる。


「急速離脱!惑星軌道を抜けて、ワープに入るで!」

「‘操舵手’了解!エンジン全開!推進機全力噴射!」

「惑星上より、エネルギー収束波、来ます!」

「加速中!亜光速まで、あと5秒!4・3・2・うわあ!」

「やられたあ!推進機関破損!出力低下!惑星引力を振り切れません!痛え!」

「‘その他’大丈夫か?そやから、‘シートベルトは命のベルト’っていうてるんや!わしのキャッチフレーズやんか。ナースロボットだしたれ!」

「艦長、自分はだいじょうぶですう。まだ、やれますう。」

「なにいうとんねん、頭から血ぃだしとるやないか。治療受けなあかん!」

「‘おまけ’、 通信チャンネルを全開!救難信号発信します!」


SOS:すごく有名なやつ。

メイデイ:これも有名。

Red Alert:艦内緊急事態を示す警報。

Code Black / Code Omega:極度の危機を示すコードネーム。

Signal 9:通信プロトコル内の緊急信号。

Beacon Pulse:遭難信号をパルスで送る形式。

Quantum Distress Burst:量子通信による緊急信号。

どれかは誰かが、拾てくれるやろ。

そやけど、受信して来てくれるまで、わしらもつかな?


猛烈なビーム攻撃が続く。

ドリップ、遊んどるな。

こんなノロイ艦なんか、本気だしたら、一発で撃沈や。

あほんだら!くやしい!ここで終わるんか?!


「みんな、聞いてくれ。ありがとう。ほんまに、ようやってくれた。あんたらは、チリやアクタやあらへん。わしのホコリや。けど、すまん、あとはあの基地めがけて艦をぶつけるしかない。わしが操縦する。みんな、脱出ポッドで逃げてくれ。」

「艦長、なに言ってるのよ!ばかあ!」

バチーン!ルナの平手がわしの頬に炸裂!

「一緒に逃げてください!お願いですから!生き延びる可能性はあります!」

「・・・せやけど、脱出ポッド、こないだの点検で不良品があって、4つしかないやん。」

「わたし、小柄ですから!一緒に乗りましょう!さあ、行きますよ!」

なんや、こいつ強引なやつやったんやな。

・・・泣かれるとわし、弱いねん。


ドリップは笑う。

脱出ポッドか。目標が小さいな。

よし、戦闘機を出そう。

行け、F2025−スィート・ミスト!

ん?なんだ?接近するものがあるぞ?人型?12m?どこの所属だ?!

構わん、脱出ポッドともども、やってしまえ!


「さやちゃん、なんか惑星から戦闘機がいっぱい出てきて、船を攻撃してるよ。」

「あれって、さっき受信した救難信号の船だよね。」

「ソレイユさんの言ってた、この世界戦の銀河連邦テラの所属みたい。」

「あっ、人口知能もそうだと言ってるよ。」


ーそうです。惑星の連中をやっちゃってください!

「えっ、いいの?誰か死んじゃわないの?」

ー惑星上の生命体反応は1つしか、ありません。そこだけ気をつけて攻撃しましょう。

「わかった!やってやろうじゃないの、なっちゃん!」


ちょっと突然で、無謀な気がするなあ。

まあ、手加減しながら、そのだれかさんを撃たないように気をつけよう。


惑星上の基地・施設は信じられない攻撃を受け、完全に沈黙した。

エンターサプライズ号から脱出した乗組員はそれぞれのポッドから、

巨大パワードスーツを見上げる。

そのうちの1機が、持っている艦艇を差し出す。

「なんやて。この艦艇に乗るんか?見たことないやつやけど。」

「あっ、艦長、この艦艇使えますよ!生命維持装置も推進機関も大丈夫です!」

「あとは連邦宇宙軍の救援を待つだけですね。持ち出した食糧なんかも、十分ですね。」


デウス・エクス・マキナやな。

ありがとう。ほんでルナ、あんたにも感謝や。


「すいません、艦長・・・。思いっきりぶっちゃいました・・・。ごめんなさい。」

「いや、こちらこそすまなかった。生きていられるのもルナのお陰だ。」


狭いポッドでからだをくっつけあうふたり。

紅葉のような手形を頬に残した、独身のグレッグに恋のチャンース!

この続きはどこかで語れるといいなあ。


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