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<#2 巡り合わせ>
「勝負と言うなら、何か賭けよう。俺が勝ったら、お前を頂く!」
「なら私は、君の全財産を貰おうかな?無一文だし」
「全財産なんて言わず、俺ごと持っていけ」
「ゴミはいらない」
「え」
辛辣だ。これが恋というやつか
少女は服を着る
「なら、始めようか。30×30、1万エリア。ここからは神の領域だ。さて、俺の唯我独尊を超えられるかな?」
「絶対に殺す!!」
なんか急に怖い顔になったな……
「私の能力、アラクネる黎明の炎!」
黒い炎?少なくとも、この家とはさよならだ
少女は拳に炎を纏わせた
見たことのない強さをしている……もしあの炎に触れたら余裕で死ぬ。そして、あの速度相手に避けるってのは現実的じゃない。となると、先手必勝か!
礼都はハサミを手に取った
「卑怯で悪いが、お前の負けだ。なぜなら、この状況から俺に勝てた奴は一人もいない!」
「あっそ」
礼都はハサミを前へ向けた。そのハサミが開いた瞬間、刃先が少女の目の前へ現れた。礼都は動いてない。少女が礼都の能力で動かされただけだ
なにこの能力?
目に刺さる寸前、少女は後ろへ行くように床を蹴る。しかし、目の前には誰もいなかった
なんで?
「瞬間移動をさせてるんだ」
少女の視界には、チカチカと変化する景色が映っていた
これじゃ、動けない。それに視界も奪われるし、頭も痛くなって……
ハメ技成立だ。俺を中心に30×30サイズブロックが1万個、100×100の正方形に並べられてるイメージ。好きにブロックとブロックの位置を入れ替えられる能力がこれだ。入れ替わる対象は俺の指定した物のみ。今は無限に移動させているだけの簡単な遊び
「降参するってなら許してやる」
ま、許さないが。油断したら確実に死ぬ
忘れてた。向こうは室外にも飛ばされてるんだ。何話してるか分かるはずもない
そうだ、思い出した。中野礼都だ。言ってたよ。そんな天才がいるかもしれないと。けど、私には及ばない。その能力には、明確な弱点があるから
少女はその炎を体中に纏った
気づかれたか。広範囲の攻撃には勝てないと
炎が膨張すると、礼都は距離を離し、少女を外へ放り、自分は屋根から燃え上がる少女を眺めていた
「乗ってきた。こいつなら、俺の唯我独尊を使いこなせる。それで、どうしようか。こうなれば、俺に勝ち目はない」
仮に無限に距離を離し続けたとして、約15mしか離せない。大きくなり続ける炎の大きさは、15mを遥かに超える。そもそも能力を使う前に気絶させられるからハメ技として成立しているのであって、これじゃただの嫌がらせ止まり
「勝負はここまでだ。勝てるわけがない。全財産はくれてやるが、ネタ抜きで五桁しか持ってないぞ?」
少女は炎を消した
「五桁?」
「6万円だ」
少女は理解していない様子だった
「それより、中野礼都。私と共に強くならない?」
「急だな。しかし、俺も同じことを思っていた」
なんて都合のいい。こっちの望みが勝手に叶った
「それで、お前の意図を聞こうか?」
「その人から言われたのを思い出した。中野礼都は私を誰よりも強く使える」
「そこまで同じ意見とは。運命を感じる。結婚するか?やっぱり」
少女のは何事もなかったかのよう、家へと向かう
「おい、結婚――
「私の名前は酒月美跳。よろしくね」




