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もふもふ雑記  作者: 山目 広介
39/66

マジック

 ある時、目撃した。つい二度見した。

 猫が路上で目玉を飛び出す大奇術。

 こぼれていた。

 朝、さすがに時間がない。

 見なかったことにした。

 帰りには姿は無くなっていた。




 ある通勤中、目撃した。つい二度見した。

 黒猫が地面埋め込みの大魔術。

 私が見たのは、道路で横たわっていた黒猫だった。

 そしてその顔が半分しか見えなかった。

 アスファルトに頭が半分埋まっていた。

 半分埋まっていた。うん、埋まっていた。ちょっと周りが赤黒くなっていたが、そこは見なかったことにして。

 朝、さすがに時間がない、こともなかったが。

 帰り道、姿は見えなくなっていた。

 翌日、その道路を見た。

 どこにも切ったりした跡がなかった。

 古くなって凹みや罅もあるため、全部を取り換えたとは思えない。

 うん、すごい修復技術だ。ドッキリみたいにうまくはめ込んだのでしょう。




 ある時、見てしまったのは、交差点での出来事だ。

 自動車の下から足を引きずるようにした猫だ。

 車に下敷きの大マジックだ。

 たぶん轢かれたのだろう。

 それでも必死に逃げていた。

 轢かれても逃げる元気があった。

 助かったが、その後大丈夫なのかまでは分からない。




 それが視界に入ったのは、ある土砂降りの雨の中。

 冠水した道路の横。

 民家の塀の下で、側溝からは溢れ出た雨水が勢いよく川を作っていた。

 その中を丸々と水ぶくれした体で、両手両足を投げ出し、白い腹を見せていた。

 頭が半分水に浸かっていた。その顔は猫だった。

 水の流れに従って揺れていた。

 私は濡れて重くなった靴を前へ出してその場を離れた。





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