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「私達は今、スカル島に足を踏み入れました」
レナが言った。
それをケイが大きなカメラで録る。
「はい、OK!」
サキトが叫ぶようにして言った。
「レナ、今の表情良かったよ」
サキトが親指を立てる。
「じゃあ、次に行きましょうか」
タイチに促され一行は足を進めた。
木々が生い茂り見たこともないような植物が辺りを被う。
まるで、ジャングルの様だった。
「足元に気を付けてください。滑りますよ」
先頭を行くタイチが振り返り言った。
先ほどまで笑顔だったレナは苦痛の表情を浮かべている。
営業スマイルと言う物だろうか。
「きゃっ……!」
ユウタのすぐ後ろで悲鳴が聞こえた。
「イタタタタ……」
アヤが膝を擦っている。
血が滲んでいた。
「大丈夫か?」
サキトが言う。
「足を滑らせちゃって……大丈夫だから」
アヤが立ち上がる。
ズボンに着いた土をパンパンとはらう。
「早く行こう。時間が無い」
サキトが言った。
しばらく歩くと小さな村がユウタ達の前に現れた。




