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「逃げろ!!」
サキトが叫んだ。
皆、一斉に走り出す。
「きゃゃゃゃゃ!」
その時、シノの悲鳴が後ろで聞こえた。
振り向くと、シノの上に『やつ』がのしかかっていた。
「シノさん!!」
ユウタが銃を乱射して、シノを助け出そうとする。
「止めろ!諦めるんだ!!」
サキトが叫んだ瞬間に天井のダクトから『やつ』がユウタの上に降ってきた。
『やつ』がユウタの首を噛みきった。
「逃げるぞ!!」
生き残った、サキト、イオリ、アヤは走って、『制御室』とプレートが書かれた部屋に飛び込んだ。
『やつ』は追いかけて来ていない。
「ここは何だ?」
サキトが辺りを見回した。
広い部屋に機械が並んでいる。
サキトはとある、レバーを見つけた。
『緊急時以外使用禁止』と書かれている。
その下には『緊急自爆装置』と、書かれている。
さらに、『この装置を作動したら、10分後にこの施設は爆破されます』と、あった。
「なぁ……」
サキトがイオリとアヤを呼んだ。
二人にそれを読ませる。
「これで、『やつ等』ごと、爆破させるか?」
サキトが二人に訊いた。
しばらくの、沈黙。
「10分しか無いんだよ?」
アヤが言った。
「充分だろ」
サキトがきっぱりと答えた。
サキトがレバーに手をかけた。
「行くぞ……!」
サキトが手に力を籠めた。




