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アイランド・デッド  作者: 会原 夏武
37/45

ー37ー

「何だ!?」

イオリが音の方向を向いた。

シノが階段をかけ降りてくる。

「シノさん、一体どうしたんですか?」

レナがシノに訊いた。

「ヨウスケが……ヨウスケが……」

シノが泣きながら呟いた。

イオリとレナが顔を見合わせる。

「レナさん、後ろ!!」

その時、シノが叫んだ。

同時に、レナの真後ろのガラスが割れて、怪物がレナの肩に噛みついた。

「キャッ!」

レナが悲鳴をあげた。

そのまま、外に引きずり出す。

外では、何匹もの怪物が迫ってきていた。

「くそ!」

イオリとタイチがライフルを構え、怪物に向かって発砲した。

シノは頭を抱えてしゃがんでいる。

サキトとユウタも二階から降りてくる。

「レナは?」

サキトがイオリに訊ねた。

「死んだよ!」

イオリが答える。

怪物は割れた窓から小屋の中に入ろうとする。

「ユウタ、手伝え」

サキトがテーブルを持ち上げた。

ユウタが反対側を持つ。

「二人とも退け!」

イオリとタイチにサキトが言った。

テーブルを持ったまま窓に突進する。

テーブルの平らな面で窓を押さえ込んだ。

しかし、押さえきれず、テーブルに穴が開く。

その穴にイオリがライフルで撃つ。

アヤは逃げ惑っていた。

その時、床に敷いた絨毯の下に違和感を覚えた。

絨毯をめくり、中を見る。

すると、取っ手がついた小さな扉の様になっていた。

「何これ?」

アヤが呟いた。

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