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「何だ!?」
イオリが音の方向を向いた。
シノが階段をかけ降りてくる。
「シノさん、一体どうしたんですか?」
レナがシノに訊いた。
「ヨウスケが……ヨウスケが……」
シノが泣きながら呟いた。
イオリとレナが顔を見合わせる。
「レナさん、後ろ!!」
その時、シノが叫んだ。
同時に、レナの真後ろのガラスが割れて、怪物がレナの肩に噛みついた。
「キャッ!」
レナが悲鳴をあげた。
そのまま、外に引きずり出す。
外では、何匹もの怪物が迫ってきていた。
「くそ!」
イオリとタイチがライフルを構え、怪物に向かって発砲した。
シノは頭を抱えてしゃがんでいる。
サキトとユウタも二階から降りてくる。
「レナは?」
サキトがイオリに訊ねた。
「死んだよ!」
イオリが答える。
怪物は割れた窓から小屋の中に入ろうとする。
「ユウタ、手伝え」
サキトがテーブルを持ち上げた。
ユウタが反対側を持つ。
「二人とも退け!」
イオリとタイチにサキトが言った。
テーブルを持ったまま窓に突進する。
テーブルの平らな面で窓を押さえ込んだ。
しかし、押さえきれず、テーブルに穴が開く。
その穴にイオリがライフルで撃つ。
アヤは逃げ惑っていた。
その時、床に敷いた絨毯の下に違和感を覚えた。
絨毯をめくり、中を見る。
すると、取っ手がついた小さな扉の様になっていた。
「何これ?」
アヤが呟いた。




