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アイランド・デッド  作者: 会原 夏武
28/45

ー28ー

ユウタ達は小屋の中を少し見て回った。

それほど大きくなく、一階は玄関と恐らく居間と思われる所、それから、ダイニングキッチンだ。

二階は部屋が三部屋あって、その内の一つは物置として使われていた様だ。

物置の中にはライフルが合った。

しかし、誰も撃てる人が居ないのでそのまま放置している。

そんなことよりユウタが気になるのは、コウタの事だ。

最期の言葉が頭の中でエンドレスで流れている。

「どうした?ボーッとして?」

不意にイオリに話しかけられ思わず声をあげそうになった。

「えっ……あぁ……コウタの事をな……」

ユウタが答える。

イオリが溜め息をついた。

「彼は運が悪かったんだ。仕方が無かった。もう忘れろ。彼は死んだ。サキトも言ってたろ?」

「あぁ……すまない」

ユウタはそう言って、その場から離れ一階の居間に下りた。

居間には、三人がけのソファに、花柄の絨毯だけだ。

ソファには、アヤが腰かけて頭を抱え込んでいた。

たぶん、泣いている。

ダイニングキッチンには、テーブル、それを囲む様に十人分の椅子がある。

それから、簡単なキッチンだ。

椅子には、イオリとアヤ以外の全員が座っていた。

誰一人口を開いてなかった。


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