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アイランド・デッド  作者: 会原 夏武
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27/45

ー27ー

「はぁ……」

ユウタが溜め息をついた。

さっきからずっと歩いているが、どこも似たような景色だ。

「俺ら、どこに行ってんだ?」

コウタがサキトに訊いた。

しかし、サキトは質問に答えなかった。

コウタも黙りこむ。

それから、しばらく歩いた。

すると、前方に突然、山小屋が現れた。

恐らく、二階建てだ。

「あれは?」

サキトがタイチに訊ねた。

「たぶん、狩人が依然狩りの中継地点として使用していた物でしょう」

タイチが答える。

一行は立ち止まった。

「で、どうする?」

イオリが訊く。

「何が?」

サキトがイオリを見た。

「中に入るか?」

イオリがそこまで言ったところで、後ろで叫び声が聞こえた。

『奴ら』はずっとついてきていた。

「走れ!!」

サキトが叫んだ。

皆、小屋に向かって走り出した。

一番に到達したサキトが扉を開けて中に入る。

考えている暇など無かった。

皆、サキトに続いた。

「待ってくれ!!!」

コウタの声が聞こえた。

見ると、コウタはユウタ達より随分後ろを走っていた。

逃げ遅れたようだ。

コウタ以外、小屋に飛び込んだ。

「助けて……!!」

コウタが叫ぶ。

そのすぐ後ろには、『奴ら』が迫っていた。

奇声を発しながら追いかけている。

「コウタ!!頑張って!!」

アヤが必死になって言った。

しかし、扉は閉じられた。

サキトが閉めたのだ。

「サキト……あんた……何やってんだ」

イオリが目を見開いて訊く。

「開けてくれ!」

外ではコウタの絶叫が聞こえる。

「あいつらが中に入ってきたら、俺達まで死ぬぞ!」

サキトが言った。

目には涙を浮かべている。

「まだ、間に合うよ!!」

アヤが言う。

「もう無理だ!死にたくない奴は押さえろ!」

サキトが叫んだ。

こんな、サキトを見たのは初めてだった。

すると、レナが横から手を伸ばし扉を押さえた。

「ごめんね……」

レナは泣いていた。

「お前らも、押さえろよ!!死にたいのか!!」

サキトがまた、叫んだ。

声が枯れている。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!開けろ!!!開けてくれ!!!!」

コウタが外から扉を叩いた。

いつの間にか、皆扉を押さえていた。

「頼む!!!開けてくれ!!!!」

コウタはまだ、生きている。

今なら間に合う。

扉が叩かれる。

「まだ死にたくない!!!!!」

コウタが叫ぶ。

「お前ら、酷いぞ!!!!!!!」

コウタの絶叫を聞きながら、ユウタは泣いていた。

「絶対に………許さないからな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

その瞬間、肉が弾ける音が聞こえた。

引きちぎられ、潰され、血が飛び散り、内臓が露出し、引きずられるコウタの姿を、ユウタは音から想像した。

嫌でも音は耳に入ってきた。

音が止んでしばらくしても、ユウタ達は扉を押さえていた。

コウタが死んだ。

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