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コウタとアヤはすぐに全員を起こした。
叫び声は近づいてきていた。
「何だ……この声……」
イオリが言う。
「解らない……取りあえず外に出よう。ヤバイような気がする」
コウタが言った。
皆、外に出る。
声は近づいている。
ヨウスケが懐中電灯で奥を照す。
「止めて、危ないよ……!」
シノが止めるが、ヨウスケは更に奥まで照らそうとする。
「ん……」
ヨウスケが目を細めた。
一瞬、奥の方に奇妙な物体が光に照らし出された。
その時、『それ』がヨウスケめがけて飛びかかってきた。
深い緑色をしていて、人間と両生類が混ざったような姿だ。
『それ』は四足歩行だった。
凄まじいスピードでヨウスケに飛びかかる。
大きさは、人間の成人位だ。
「……!!!」
『それ』がヨウスケの太股に食らいついた。
「ぐわぁぁぁぁぁ……」
ヨウスケが悲鳴をあげた。
血が飛び散る。
肉片も混じっていた。
「きゃゃゃゃっっ」
シノが叫び声をあげた。
「逃げろぉ!!!」
サキトが言った。
一行は一塊になって走り出した。
ヨウスケは恐らく、死んだ。




