23/45
ー23ー
コウタは目を覚ました。
辺りは真っ暗だ。
腕時計を見ると午前1時を指していた。
場所は洞窟。
少し話し合ったら末にここで野宿する事になったのだ。
コウタの脳裏には、ケイの死体が焼き付いていた。
あんなに怖い思いをしたのは生まれて初めてだ。
皆、それぞれの場所で寝ていた。
入口から少し外を覗いた。
空を見上げる。
満月だった。
少し、その月を見つめていた。
「ねぇ……」
後ろで声が聞こえた。
アヤだった。
コウタと同じく目が覚めたようだ。
「目が覚めたのか?」
コウタが訊ねた。
彼女は少し首を傾げる。
「ずっと起きてた」
アヤが答えた。
よく見ると、目は充血していた。
「体調、崩すぞ」
コウタが言う。
「眠れる筈がない」
アヤが言った。
「まぁ……確かに……」
コウタが呟いた。
ひんやりとした、心地好い風が、洞窟に流れ込んできた。
その時、唸り声が聞こえた。
いや、叫び声だと言うべきだろう。
二人はビクッとして、肩を震わした。
「今の何……」
アヤが怯えたように言う。
また聞こえた。
さっきのより、近い。
そこで、コウタは気が付いた。
叫び声は洞窟の外からではない。
『中から』だと。




