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アイランド・デッド  作者: 会原 夏武
22/45

ー22ー

「母さん……大丈夫かよ?」

ユウタは病院のベットに寝ている母親に言った。

母親が倒れた。

と、電話がかかってきて職場から慌てて田舎に帰ってきたのだ。

「あぁ……大丈夫だよ」

母親が優しい笑顔で言った。

疲れが一気に出たようだ。

命の心配は無い。

と、医者に言われ、胸を撫で下ろした。

「母さん、ちょっと疲れてんだよ」

ユウタが母親に言った。

父親は二年前に癌で他界した。

それからは、父親がやっていた畑仕事は母親がやっている。

ユウタも、連休等は帰って手伝っていた。

倒れるのも納得できる仕事だった。

それに、母親は確か今年で78歳だ。

「それよりあんた、彼女はできたのかい?」

母親がユウタに訊いた。

「はっ……居ないよ」

慌てて答える。

「駄目だねぇ。その年で彼女の一人や二人作っとかないでどうすんだい」

母親が微笑みながら言った。

「ほっとけよ、そんなことより、今はゆっくり休みな」

ユウタは母親にそう言って病院を後にした。

母親に癌が見つかったのは、その数ヵ月後だった。


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