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「えっと……あの…一緒に食事でも……どうですか?」
彼がそう言ったのは一年前の今頃。
職場で仕事を終えたばかりのレナに声をかけてきた。
「あっ……嫌だったら良いんです」
彼はそう言った。
酷く緊張しているようだ。
「ううん」
レナは首を横にふった。
「喜んで」
彼に笑顔で答えた。
彼女の精一杯の笑顔だった。
そして、二人で行ったところは少し洒落たイタリア料理店。
ワインを飲んで、楽しく喋った。
彼とは、気が合った。
その後、すぐに別れ家に帰った。
数日後に、彼から電話が有った。
「また、会いたい」
との事だった。
それから、彼とは頻繁に会うようになった。
彼と居るときは、心から笑えた。
いつまでも、続いて欲しいと願っていた。
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