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アイランド・デッド  作者: 会原 夏武
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19/45

ー19ー

「名前は何て言うの?」

ユウタが優しく女に訊ねた。

「シノ……」

と、女は答える。

「シノ……か……」

コウタが繰り返した。

「何て呼んだら良いかな?シノちゃん?それともシノさん?」

ユウタが訊ねた。

「呼び捨てで良い……」

シノは酷く疲れてる様だ。

髪がぐじゃぐじゃに乱れて、虚ろな目をしている。

それも当たり前か。

と、ユウタは思った。

仲間の一人が死んだことを伝えたからだ。

相当、仲が良かったのだろう。

男の方も元気が無い。

男はヨウスケと名乗った。

一行の隣には、燃え尽きた飛行機が有る。

あの中に残りの一人が居ると思うと、とても直視できなかった。

「どうします?」

サキトがタイチに訊いた。

「どうするって……どうにもこうにも……」

と、タイチは言葉を詰まらせる。

本当だったら引き返すべきなのだろうが、タイチも知らない様な所に来てしまった。

島で迷子とは、非常に不運である。

雨は止んでいた。

夕立だった様だ。

辺りには、夏独特の湿った空気が漂っていた。


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