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「名前は何て言うの?」
ユウタが優しく女に訊ねた。
「シノ……」
と、女は答える。
「シノ……か……」
コウタが繰り返した。
「何て呼んだら良いかな?シノちゃん?それともシノさん?」
ユウタが訊ねた。
「呼び捨てで良い……」
シノは酷く疲れてる様だ。
髪がぐじゃぐじゃに乱れて、虚ろな目をしている。
それも当たり前か。
と、ユウタは思った。
仲間の一人が死んだことを伝えたからだ。
相当、仲が良かったのだろう。
男の方も元気が無い。
男はヨウスケと名乗った。
一行の隣には、燃え尽きた飛行機が有る。
あの中に残りの一人が居ると思うと、とても直視できなかった。
「どうします?」
サキトがタイチに訊いた。
「どうするって……どうにもこうにも……」
と、タイチは言葉を詰まらせる。
本当だったら引き返すべきなのだろうが、タイチも知らない様な所に来てしまった。
島で迷子とは、非常に不運である。
雨は止んでいた。
夕立だった様だ。
辺りには、夏独特の湿った空気が漂っていた。




