ー18ー
凄まじい轟音がユウタを襲った。
同時に地面も揺れる。
木々をなぎ倒す音や、爆発音に島は包まれた。
「一体、何だ!?」
イオリが誰にともなく言った。
音がした方を見ると、大量の黒煙が上がっていた。
「行ってみよう」
サキトが提案した。
音と揺れの招待は小型飛行機だった。
機体はくしゃくしゃに大破している。
パイロットの生存は絶望的だった。
「生きてるぞ!」
そんな中、コウタが叫んだ。
操縦室から人を引きずり出そうとしている。
「手伝うよ」
サキトがそう言ってコウタに近寄った。
皆、それに続いた。
飛行機には、全員で三人乗っているのが確認できた。
まずは、一番先頭に乗っている男を外に出す。
意識は有るようだ。
火の手が強まる。
次は、その後ろに乗っている女の救出を試みる。
「助けて……」
と、女は力無く言った。
頭から血を流しているが、傷はそんなに深くは無さそうだ。
「きゃっ!」
悲鳴が聞こえた。
見るとアヤが服を焦がしていた。
炎が段々と迫っている。
女を何とか引きずり出す。
次はその、後の男にユウタは手を伸ばそうとしたがサキトに止められた。
「もう、間に合わない!」
と、サキトは言った。
炎は大破した機体を、いつの間にか包み込んでいた。




