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しばらく歩くと、ケイの物だと思われるポーチが落ちていた。
ウエストポーチだ。
紫色のブランド物。
高かったから。
と、言って何年も前から使っていた物だった。
使い古され所々色が剥げ落ち糸が解れている。
間違いなく、ケイの物だった。
それは、づたづたに引き裂かれ所々に赤い染みが飛び散るように付いていた。
血液だ。
サキトがそれを拾い上げる。
「ケイの……だな」
ため息混じりに言う。
「見せて」
と、言ってレナがサキトの手から奪い取った。
皆、それを囲むように集まった。
レナがファスナーを開けて、中身を確かめる。
入っていたのは、何本か残っているマルボロの箱とジッポライター、それから家族の妻の美代子と生後三ヶ月の娘の彩乃と自宅で撮ったと思われる写真が一枚。
確か、ケイはこの写真を見ながら、ユウタ達に自慢していたのを覚えている。
凄く、家族思いの男だった。
ふと、横を見るとアヤが泣いていた。
「泣くな……」
イオリにそう言われ自分も泣いているのに気が付いた。
イオリも、眼にうっすらと涙の膜を作っていた。




