ー13ー
見たことの無い植物や昆虫が辺りを埋め尽くす獣道をユウタ達は歩いていた。
現在、午前11時
徐々に日射しが、きつくなっていく。
皆、黙々と歩いていた。
誰も口を開かない。
開くことが出来ない。
ケイは死んだ。
そんなことは、誰でも解っていた。
しかし、まだ信じられない自分がそこにいる。
ケイは生きている。
笑って済まなさそうな顔をしながら、この列に加わってくる。
そう考える自分も居る。
汗が頬を伝い顎から滴る。
もし、ケイが死んだのなら、いったい何に殺されたのか。
タイチから以前、この島には野性動物やここにしか居ない動物や昆虫も存在すると言う話を聞いた。
ユウタの頭に浮かんだのは熊だった。
ケイは熊に殺されたのではないか?
熊は予想以上に知能が高いとユウタは聞いたことがあった。
だが、カメラに残された映像の音声は奇妙な唸り声の様な不気味な音も録音去れていた。
人間が出す声に近い、人間が焼け死ぬときに苦しくて出す、喉の奥から絞り出すような声だ。
それが、熊では無いことを物語っていた。
では、何か?
熊では無い、何か……
勿論、この島に虎やライオン等居ない。
他に、人を殺して喰うような動物など居るのだろうか?
それとも、ユウタ達や、人間が発見できていない動物が存在するのだろうか?
そんな考えをユウタは頭を振って払い除けた。
ケイは生きている、と心の中で唱えた。
何度も
何度も
親が子を落ち着かすために唱えるオマジナイの様に唱えた。
そうするしか、
今のユウタにはできなかった。




