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「きゃゃゃゃ!!」
レナが金切り声をあげた。
コウタは唖然としている。
「おい、ケイ!俺らのことを脅かそうとしてるんだろ!!早く出てこい!!」
イオリが叫ぶ。
しかし、返事は無かった。
イオリの声が虚しく響く。
タイチは何か考えているようなポーズをとっている。
「皆落ち着こう。まだケイが死んだとは限らないんだ」
サキトが言う。
「死んだでしょ!」
レナが反発した。
「あんた見てなかったの!?ケイは殺されたでしょ!?」
レナが凄い形相で叫んだ。
駄目だこの人は。
正気を失ってる。
「サキトが言ったように、まだ、死んでるとは限らないよ。」
ユウタが言った。
「その通りだわ」
アヤが賛同した。
「ケイを探そう。早く見つけてやるんだ」
サキトが言う。
レナ以外が頷いた。
当の彼女は希望を失ったようにうなだれている。
「タイチさん」
サキトがタイチを呼んだ。
しかし、タイチは反応しない。
「タイチさん!」
サキトがもう一度、今度は強く呼ぶとビクッと身体を震わせ振り向いた。
「何でしょうか?」
彼の声は震えていた。
「案内、頼めますか?」
サキトが訊ねた。




