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タクシーから降りたとたんに真夏の太陽が
藤野 悠太を照らした。
今はちょうど、正午。
一番暑い時間帯だ。
ユウタは港に来ていた。
前方には小さな船がある。
「よう、ユウタ!」
ふと、声をかけられて振り向く。
そこには、
松山 依央梨が立っていた。
「よっ」
ユウタが軽く返す。
イオリとは高校からの親友だ。
イオリと言う名だが男である。
「他の皆は?」
ユウタがイオリに訊いた。
「レナとケイ、それからコウタはもう船に乗ってる。サキトとアヤはまだ来てないな」
イオリが答える。
「分かった。んじゃ俺、先に船に乗ってるな」
ユウタがイオリにそう言った。
「了解」
イオリが言った。
ユウタ達はテレビ番組の取材をするために今から『スカル島』と言う無人島に船で行く。
名前も不気味な島だが実は数十年前まで人が住んでいた。
ところが、ある日突然人が姿を消した。
その事について、色々な都市伝説が囁かれてきた。
その事をテレビ番組にするのだ。
つまりドキュメンタリー。
ユウタは船の中をさらっと探索していた。
その途中に
藤谷 麗奈
と、すれ違った。
「あっ、ユウタ来てたんだ」
レナからユウタに話しかけてくる。
レナはジーンズに黄色いキャミソールと言う露出の高い格好をしていた。
「おはよう……じゃなくてこんにちはかな?」
ユウタが笑いながら言う。
それから、レナから船の事について訊いた。
寝室は二部屋で男女に別れて使うと言う事や食事はキッチンで作ったら物をデッキで食べると言う事をレナはユウタに話した。
ユウタはこのメンバーなら楽しい船旅になるだろうと考えてこれからの事を考えて一人でワクワクしていた。
しかし、これから起こることをまだ、誰も知らなかった。




