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変わる世界  作者: オピオイド
49/90

大戦

君達はノストラダムスの大予言って知っているかな?

多分知らないと思う、だからそこから説明しよう。

ノストラダムスの大予言とは日本において、1990年代に流行り1999年にピーク迎えて収束して終りを迎えたオカルトを指す。

この予言の内容は面白くてな彼は、「1999年の7の月に空から恐怖の大王が降ってくる」なんて言う滑稽な終末予言を残した。

何故滑稽かって? 簡単な事だ、今我々は生きている。

この予言は結構、信心深い日本人に受け入れられて

終末予言は日本で流行って、外れたんだよ。

そう表向きには外れた、しかし裏の世界においては『外された』と言うのが一般的だったんだ。

一説によれば辰学院の重金教授曰く、『古い文献からノストラダムスは、未来予知系の能力者であり、的中率の悪さが逆にそれを裏付ける』らしい。

とまあ本題からかなりずれたが、実はそのノストラダムスが予知したある出来事が問題だった。

そう、奈緒美と出会う4年前………14年前にあった『大戦』。

これが総ての発端だった。




「『大戦』ですか?」

「またそれは大きな話ですね」


桂二と天子は初めて聞いたのか、訝しげな表情で言葉をつむぐ。


「妄言を吐く馬鹿を見るような疑いの眼差しでみるな、この話は能力者にとってかなり密接な話なんだ」

「密接………ですか?」

「ああ、そうだ。君達は知らないだろうが、今いる能力者には若い人間ばかりなのを気付いているか?」


そう言われてみればと誠一達が今まで会ってきた能力者を思い出せば、年若い人間ばかりだ。

天子の先生や誠一の師匠も明らかに二十代、出会いが限定的だから確かにとは言えないが見るかぎりはそうだった。


「若い人しかいないって、もしかして死んだって事ですか?」

「そうだ。君達は国には能力者を雇用する専門機関があるのをしっているか? 日本においての内閣調査室の分室『六花機関』やイギリスの『墓掘り』、ローマの『十三人機関』が有名だ。」

「………思ったよりすくないですね?」

「当然だ。『大戦』により有名処はほとんど『消えた』んだ………物理的にな」

「物理的って………殺し合いですか」


そうだと言って頷く灯に、周りはシンと静かになった。

『大戦』とは1990年の湾岸戦争から始まる、裏の世界の戦争だった。

湾岸戦争とはイラクがクウェートに進攻した時、国際連合が多国籍軍を派遣し始まった戦争をいう。

ここで湾岸戦争の詳細をするべきだろうが、本編に関係ないので割愛させていただく。

問題はその裏で起こっていた事。

実の所、クウェート進攻から湾岸戦争に入るまで、半年近くある。

その間の事いや正確に言えばクウェート進攻の約二週間後、イラクが国際発表した事が発端だった。


「『人間の盾』ですか」

「そうだ、自国に滞在している外国人を盾とする………解りやすく言えば人質をとったと言う事だ。それに慌てたのはとられた国だった。そこでとられた方法は………」


秘密裏にスパイや特殊部隊を投入し、人質の安全確保を行ったのだ。


「歴戦の能力者による救助ならば、誰もが早期解決すると考えていた。しかし、現実は違った」


湾岸戦争で儲けようと企てていた、武器商人たちが横槍を入れて来たのだ。


「あの類は儲けるためならば何でもやるのさ。しかし、その武器商人も誤算があった。あの当時の裏の世界での能力者組織の軋轢は、誰もが思っていたより酷く、苛烈だった。最初は小競り合いの様な戦いから、段々とエスカレートしていき」

「大戦となったと?」

「そうだ。組織のプライドを守ったり、仲間の仇討ち、勢力拡大や陰謀阻止。記録によると、あの頃の戦闘回数は湾岸戦争が始まるまで約半年の間で五千にも届く程だったらしい」


そして人質が全員解放され、湾岸戦争が始まり裏の戦いが終わる筈だった。


「だが終わらなかった。戦いは続いたんだ。血を血で洗い、屍が積み重なる様に増えた。それが9年続いたある日、フランスのブランケット家がとんでもない計画を立ち上げた。終末予言を実行しようとする馬鹿げた計画だ」


所謂『狂信者』と呼ばれる集団だった。

召喚系の儀式を使い、異界の魔物や魔神を呼び寄せて世界を滅亡させようとしたのだ。


「なるほど、それが『大戦』ですか」

「違う。桂二」

「へっ?」


したり顔て頷く桂二を灯は簡単に切り捨てた。

それもその筈、彼は能力者ではないからだ。

ここで能力者の特徴を挙げてみよう。

一つ、空間になんらかしかの影響を与える能力をもつ。

二つ、生物としての枠を超えさせる励起法。

三つ、上記二つを為すための神の領域たる『神域結界』。

そこまで聞いた時、彩が気付く。


「『神域結界』………だね。あれはある種の自分だけの空間を作り出すから、多分異界からの魔物どもはそれが突破できない。能力者にとっては魔物はモノともしなかったんじゃないかな?」

「正解だ。以前見たレポートにも同じ事が書かれていたよ。流石は奈緒美の妹だ」


褒められた彩は、少し頬を染めながらも何でもないように振る舞う。

それを見ながら灯は話を続けた。


「要するにノストラダムスが見た光景はこれだったんじゃないかと言われている。まあ魔族とか恐怖の対象になるからな。結局、大戦の終始は能力者の戦いに尽きたと言う事となる。最終的にはブランケット家の壊滅で終了。ブランケット家での交配実験により産まれた能力者と、能力者組織の連合軍との戦いで更に死人が出たせいと、九年間の戦いで能力者の数は約一割強まで減った………と此処までがさわりだ」


言われて一同は驚いた。


「一時間近く喋って触りなんですか?」

「そうだ誠一。これから話す事に重要な話だからな」

「てっ、まさか?」

「君が思っている、その通りだ。折紙家は六花機関の工作員であり、奈緒美と彩のご両親は大戦で亡くなっているんだ」


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