プロローグ~眠いです~
ヴー……ヴー……
「んん……」
空気を震わす、くぐもったバイブの振動に薄っすらと目を開ける。重い瞼を擦りながらカーテンを開けるもそこに朝日はなく、ただただ無機質なコンクリートの塊が、あらゆるものを寄せ付けない絶対的な表情でそびえ立つのみだ。
つい数日前に建てられたばかりである高層マンションは、いともたやすくこのボロアパートから日光を奪い取り、おかげで朝だっていうのにじめっと薄暗く、どこか陰湿な雰囲気を醸し出していた。
朝からこんな事では仕事に行く気力も湧いてこないが……仕方ない。俺は枕元に置いてあるスマホを手に取り、時間を確認する。
「7時40分か……」
朝食は……昨日の残り物とご飯でいいか。そういえば、歯磨き粉が切れていたっけな。帰りにでも買って……
…………
「――7時40分!? ち、遅刻じゃないか!!」
見間違いかと何度も確認するが、時間の流れは残酷で既に時刻は7時45分を表していた。
「と、とりあえず着替えないと!」
スーツの乱れなんかは二の次で、次々と身体に纏っていく。もし早着替え選手権なんてものが存在していたら、間違いなく優勝していただろう。
「ええと、カバンは……と!」
仕事以外では滅多に使う事がないにも関わらず、少々くたびれた感じのそれを、片手に持って玄関へと駆け出す。
――が、ガツンと耳障りな音と共に足のつま先から脳天へと一気に稲妻が駆け上がり、とてもじゃないが立ってはいられず、堪らず床に座り込む。足の小指からは断続的に耐え難い痛みが直接脳に叩き込まれ、もういい大人だっていうのに涙が出そうだ。
「……い、痛ってえええ!!」
――ああ、神様。もしいるのならば、会社には遅れてもいいのでこの痛みを何とかしてください……
皆さんこんにちは、九十九和桜です。沢山の小説が投稿されている中、作者の小説を選んで読んでくださり有難うございます。
スマホで投稿していると、作者の力量不足もあって色々と不具合があってたいへん読みにくいとは思いますが、これから改善していくので、ご了承ください。
さて、今回は少し長めのお話に挑戦してみたいと思います。思いつきのタイトルに話をくっつけただけですので、正直面白いかどうか分かりませんが、面白いと思ってもらえるような書き方をしていきますのでどうぞよろしくおねがいします。




