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第壱話~大海洋の冒険~



 港

 辺りには鳥の鳴き声やざわめきが響いている

 賑わいの覆い港町のようだ

レイ(ナレ風に)「初めまして、僕は“ツァペリン・ジュークレイド”。今は理由(わけ)あって、南の大陸を目指している。今はまだ理由を話すことは出来ないけど、重要な依頼らしいのだ。本当なら、こういう依頼は、蒼真さんや紅羽さんの方があっていると思うのだけど、頼まれたからには、依頼を全うする。それだけだ。」

 黒髪、灼眼の少女がパタパタと走ってくる

 危なっかしく、今にも転びそうだ

アキ「レ~イ~!あったよ~!」

 ショップで買い物をしてきたようだ

 中には、いつもどおりのものが入っているようだ

レイ「ねぇ?確か僕は、船を捜してきてっていったよね?」

 元々は南の大陸に行く船を捜しに言ったはずだ

アキ「んもぅ~、何よ~。せっかく、メロンパンを買ってきてあげたのにぃ~。」

 メロンパン―――その言葉に反応する

 今までの怒りがまるで吹き飛んでいる

レイ「メロンパン~vv」

 レイがアキの袋からメロンパンを取り出す

 そして、袋を開ける

レイ「うぅ~ん、やっぱり、メロンパンはかりかりもふもふじゃないとね!」

 一口食べる

 次の瞬間、まずそうな顔になる

アキ「えっ~とね、どれがいいのかわからなかったから、豪華そうなメロンの果汁いりのにしておいたよ(ハート)」

 いつもと違い大きめな声でしゃべる

レイ「そんなの・・・メロンの果汁入りのメロンパンなんて、邪道だよ!」

 咄嗟のことで驚き

アキ「なっ・・・なに、怒ってるのよ!」

レイ「メロンパンってのは、かりかりもふもふが一番なんだよ!果汁が入ることによって、絶妙なバランスがくずれてしまうんだよ!」

 言葉に対して開き直り

アキ「そっ、そんなのわたしが知るわけないじゃない!レ、レイだって、イチゴ牛乳とイチゴミルクを間違って買ってくるじゃない!」

 自分の意見を突き通す

レイ「うっ・・・でも、結局飲むじゃない!それに、その袋の中身は何だよ!」

 中には、イチゴ牛乳じゃなくて、イチゴミルク

アキ「こっ・・・これは・・・これは、イチゴミルクしかなかったのよ!仕方がないじゃない!」

 アキのやさしさがうれしかったはずなのに

 言動がすべて裏目に出てしまう

 喧嘩していると話を聞いていた人が近づいてくる

船主「話を聞いていたんだが、あんたら船を捜しているのか?」

 喧嘩が止まり、レイがいつもの笑顔に戻っている

レイ「えぇ、南の大陸に行きたいんです・・・」

 その言葉を聞いて

船主「そうか・・・だがいまは、南への船は出ていないんだ。」

 レイが落ち込むが

レイ「やっぱり・・・」

 世界的な情勢で、南への船は一般的には出ていない

 かといって、他の国へのパスは持っていない

船主「悪いな。出してやっていいんだが、沖は荒れているは、魔物はでるはで、それどころじゃないんだ。」

 レイががっかりしている

アキ「他に行く方法はないんですか?」

 アキがとりあえず聞いてみる

船主「この時期だと、エリュシオンが近くを通るって言うなぁ~。」

 一つの希望を提示する

 だが、耳を傾けないようにしているようだ

アキ「そうですか、ありがとうございます。」

 アキは詳しく聞かずに話を進める

船主「いや、悪いな。こっちこそ力になれなくて。」

 船主は去っていく

 船主が手をひらひらさせている

レイ「さすがに、南の大陸までは飛んでいけないよな。」

 レイがアキに問い掛ける

 二人とも空を飛ぶ力を持ってはいる

 だが、距離はかなりある

アキ「・・・仕方がないでしょ。エリュシオンを通りましょう。」

 アキの出した答えはエリュシオンを通ること

レイ「だけど、いいのか?」

アキ「な~に~?心配してくれてるの~??」

レイ「そもそもどうやって・・・」

 疑問点があるようだ

アキ「えぇ~とね、この近くにエリュシオンへの転送装置があるから、それを使えばOKでしょ。」

レイ「で、エリュシオンに行った後は?」

アキ「あとは、南の大陸への転送装置を使えばなんとかなるよ。帰りまでは責任取れないけど。」

 エリュシオン

 ―――翼ある民、アキの故郷

レイ「・・・本当に良いんだな?」

 レイが確認を取る

 アキはいつもの無邪気な笑顔で

アキ「うん、たまにはさ、里帰りもしないとさ。」

レイ「(M)・・・ってか、アキって追われるのでは・・・?」

 一つの疑問が再び浮かぶ

 かつて、話していたこととは違うこと

アキ「どうしたの?変な顔して?」

レイ「いや、なんでもない・・。では、出発しましょうか?」

 レイが確認を取る

アキ「うん、その前に買い物してからネ。」

 いつのまにかイチゴミルクがなくなっている

 それと共にレイの手に握られていたメロンパンも姿を消している

 アキの口元には、メロンパンのかすがついている

レイ「あぁ、そうだな・・・」

 仕方がなさそうにあきらめるかのように

 うなずき、そして、歩き出す

ショップ

 店内には、ほとんど人がいない。

 どうやら混みのペースは終わっているようだ

店員「いらっしゃいませ~。」

 店員の挨拶が辺りに響く

 レイは籠を持つと目標の場所へと向かっていく

 アキも自分の目的の場所へと向かっていく

レイ「(M)アキが戻ってくる前に買い物を終わらせないとな。」

 アキの方に視線を送りつつも目当てのものへと向かっていく

 まずは、飲料品の売り場へと

レイ「(M)イチゴ牛乳は、これくらいあればいいかな。」

 陳列されている分、すべてを籠へと入れていく

 そして、今度は自分の飲み物を手にとって入れていく

レイ「(M)これだけ買っておけば大丈夫だろう。次は食料だな。」

 飲料品売り場を後にして、食料品売り場へと移動する

お菓子売り場

 アキが輝く顔でお菓子を見ている

アキ「う~ん、どれにしようかなぁ~。」

 その様はまるで、子供のようだ

アキ「あんまり悩んでいる時間はないよね。レイのことだから、必要最低限だけで終わらせるに決まっているし・・・」

 お金はレイが持っている

 無駄な消費を抑えるために

アキ「よし、ここから、ここまで買っていこう!」

 とりあえず、適当に籠に入れていく

 そしてぱたぱたと走っていく

食料品売り場

 もう、ほとんど買い物が終わっている

 最終チェックをしながら、歩いている

レイ「(M)どれくらいかかるかは、わからないけど、とりあえずこれくらいあれば、大丈夫だろう。」

 籠の中をのぞきながら、そして、

 レジへと向かう

レジ前

 レジに籠を置く

 すると、脇からアキが籠を置く

店員「一緒ですか?」

 レイが返事する前に

アキ「はい、一緒にお願いします(ハート)」

 アキが勝手に返事をする

店員「では、お預かりいたします。」

 店員が次々にスキャンしていく

レイ「また、無駄なものを・・・」

アキ「無駄なんかじゃないよ。わたしのエネルギー源だもん♪」

 アキの笑顔に何もいえなくなる

 店員はスキャンを終えて、

 袋に商品を入れていく

レイ「あと、2ndを。」

 一枚のカードを提示しながら言う

 店員はカードを確認して、

 スキャンすると、厳重に封をされた箱から、

 一つの紙袋を取り出す

店員「こちらになります。」

 レイが紙袋を受け取る

アキ「なんで・・・?」

 アキが不思議そうに言う

 ここへ来る前にも買ったのを覚えていたようだ

レイ「念のためだよ。」

 レイがお金を取り出して、

 ちょうどの金額を渡す

店員「ありがとうございます。」

 レイが袋を持って、店を後にする

 それをアキが追いかけていく

公園

 辺りには人っ子一人いない

 静かな空間

 少し歩けば子供は遊んでいるだろう

レイ「ほら、イチゴ牛乳だ。」

 レイがアキに向けて、先ほど買ったイチゴ牛乳を投げ渡す

アキ「あっ・・・」

 咄嗟のことで反応が遅れたが、

 意地で落とすことなくキャッチする

レイ「さて、残りはしまっておくぞ。」

 その言葉と共にレイは、コートに入れていく

アキ「ほんと、どこにそんな量を入れるスペースがあるの?」

 不思議そうな顔をしながら、

毎度のことだが、レイのコートは不思議だ。

容量以上の物も簡単に収納してしまう。

しかも、保冷もきちんと出来ている。

レイはいつもの笑顔で

レイ「企業秘密♪」

 謎が募るばかりだ

 いつもの回答

 これ以上の詮索はせず、話題を変える

アキ「じゃぁ、行きましょうか。」

レイ「どれくらいかかる?」

アキ「えっ~とね、ここからだと、明日の昼には、入り口につくと思う。」

 レイが少し考えながら

レイ「それは、アキが迷うことも入れての計算?」

 アキが少しむくれながら

アキ「えぇ~、えぇ~、もちろん計算に入れていますよ!?」

レイ「だったら、一般人なら今日中にはつくよな。」

 その言葉を言うと同時に

 アキの肩を掴む

 そして、キスでもしそうな体勢(?)になっている

アキ「なっ、何よ・・・(照)」

 アキは照れているようだ

 そんなのをお構いなしにレイはアキの瞳を見ている

レイ「じっとしていて・・・」

 レイの瞳が妖しく輝いて見える

 その光がアキの瞳を捕らえて

 アキの中へと入っていく

アキ「(M)なにかが・・・わたしの中に入って・・・」

 アキへと入っていった光が、再びレイに戻っていく

レイ「よし、じゃぁ、行こうか。」

 光がレイの瞳へと入ると肩においていた手を放して

 言葉を突き出す

アキ「うっ・・・うん。」

 今の感じに頭が呆然としている

レイ「ほら、おいていくぞ。」

 レイが珍しく先導する

 アキは、それに従う

アキ「(M)今のは、何だったの?変な感じだったけど、嫌じゃなかった。」

移動途中

 砂嵐が起こっている

 だが、その風も砂も二人だけは避けている

アキ「ねぇ?」

 アキが話し掛ける

レイ「なに?」

 レイが返事を返す

アキ「さっきの何だったの?」

 先ほどの現象

 不思議な体験

レイ「そうだね、アキになら話しても良いかも。」

 いつもどおりの回答はなかった

アキ「ほんとに?」

 アキが聞き返す

 だが、そんな辺り前な回答はせず

レイ「さっきのは、祠鏡眼(しきょうがん)――他人の知識、記憶、スキルをコピーする能力。それが、僕の瞳なの。」

 さっきの能力の説明をする

アキ「“祠鏡眼”・・・」

 アキには聞き覚えがある能力のようだ

レイ「ただ、僕は完全なスキルコピーは出来ないけどね。」

 付け足すように言う

 しばらくの沈黙が続く

 その沈黙を破るのは、いつもながらアキの方だ

アキ「ねぇ、レイ?」

 アキが怖い顔で見てくる

レイ「なっ、なに?」

アキ「うんうん、何でもない(M)まさかね。祠鏡眼の持ち主なんて・・・・」

 レイには、アキにいえない事。

 アキにとってはレイの祠鏡眼が希望に見えている

レイ「そう―――(M)僕は永遠に癒されることのない傷を背負い生きていく。これまでも、そして、これからも」

過去―教会

 辺りには、血の粉が舞い散っている

 赤く染まった結界

レイ「ごめんなさい・・・、僕を恨んでくれていい・・・。だから・・・」

 レイの手は、血にまみれている

 その手で、一人の女性を抱いている(?)

 女性の背中には、純白の翼が生えている

 だが、辺りには黒翼も舞っている

シンク「(息を乱して)いいのよ、吸血鬼さんは何も悪くない・・・。」

 傷を負った少女は、死にかけのようだが、

 微笑んでいる

レイ「なんで・・・どうして!?」

 レイは涙を流している

シンク「泣かないで、わたしの大好きな吸血鬼さん。」

 出血が激しい

 たとえ、ここに治癒を使えるものがいても間に合わないだろう

シンク「ねぇ?最後のお願い聞いてくれる?」

 言葉が途切れ途切れになっていく

レイ「何でも聞く!だから!!」

シンク「じゃぁ・・・」

 レイの耳元で何かを言う

 その言葉と共にシンクは、息を引き取る

 しばらくの沈黙が流れる

 それを破るかのように、走る音と声が聞こえる

アキ「おねえ~ちゃ~ん!?どこにいるの~!?」

 その音共に扉が開く

 そこにレイの姿はない

 ただ、血にまみれて倒れるシンクと、

 戦闘があったであろう領域だけが残っている

アキ「お姉ちゃん!」

 アキがシンクに駆け寄る

 シンクは既に動く気配がない

 シンクの首筋には、吸血鬼に吸われたような後だけが残っている

洞窟―入り口

 いつのまにか、二人は寝ていたようだ

 無用心に、堂々と

 先に目を覚ましたのは、レイの方だ

レイ「(欠伸)ふぁ~、よく寝た。」

 ふと辺りを見回す

 辺りの情報から、丸一日くらい寝てしまったようだ

レイ「少し休憩するつもりが、一日寝てしまったんだな。」

 今度は、アキを探すために見回す

 近くにアキはいない

レイ「ったく、寝相が悪いにもほどがあるんだけどな~。」

 辺りを見回しながら、探し出す

レイ「僕のベッドの中だと、普通にねているのに・・・」

 何かの吐息を感じて

 ふと、後ろを振り返る

レイ「なるほど、今日も寝相は悪くなかったと。」

 自分の隣に寝ていた

 レイは自分の頭を掻きながら、

レイ「(M)もう少し、この寝顔を見ていても良いよな。」

 黙っていればかわいいのに

 このまま、顔を見ているようだ

 しばらくは黙っていようと誓っているようだ

過去-町並み

 辺りは賑わいでいる

 時折、鳥の鳴き声も聞こえる

レイ「(M)シンク・・どうして君は、この瞳を僕に・・・」

 先ほどまでは、茶色だった瞳

 現在は、光加減にもよるが、

 銀色の瞳に変わっている

 幼い容姿の少年

 辺りからは偏見もあるようだが、

 普通に歩いていられる

レイ「(M)この瞳を渡す相手なら、他にもいただろうに・・・」

 考え込みながら、歩いていると

 後ろのほうから、叫び声が聞こえる

アキ「見つけたぞ!吸血鬼!!」

 ぱっと見た目なら、確かに吸血鬼のように見える

 レイは無視をしている

 いや、気づいていないのかもしれない

レイ「(M)これから、どうしようかな・・・」

 今後のことを考えているようだ

A「やだね~、吸血鬼だってよ~。」

 吸血鬼には、特に偏見があるようだ

 他人の源素を吸い取る吸血鬼には特に。

アキ「待てって、行っているだろう!この吸血鬼!!」

 アキがレイの肩を掴む

 レイは振り向きながら

レイ「人違いです。僕は、人間です。」

 それだけ言うと、アキの手を払い

 再び、歩き出す

B「早く出てってほしいわよね~。」

 町の人の眼が急に厳しくなる

 周りの人たちも疑いだしたようだ

アキ「待ちなさい!」

 レイがすたすたと郊外の方に向かっていく

 それをアキが追いかけていく

過去-郊外

 町並みからかなりの距離はなれている

 人の気配も少ない

アキ「待ちなさ~い!」

 レイが唐突に止まる

 そのため、アキがレイに止まる

アキ「いったぁ~い!」

 反動でアキが転ぶ

レイ「で、僕に何のよう?」

 手をさしながら言う

アキ「あなた吸血鬼でしょ。」

 アキがレイの手を払いのけて立ち上がる

レイ「えぇ、そうですよ。僕は吸血種です。」

 意外にも素直に答えられ、一瞬、間があく

アキ「だったら・・・」

 アキの背中に翼が生える

 純白の羽根が

レイ「ちょっ・・・」

 その姿にシンクがかぶる

アキ「遠慮なく、行くよ!」

 純白の羽根が舞い散る

 その羽根が辺りとの霹靂を作り出す

レイ「待てよ!」

 アキの攻撃すべてを紙一重で交わしている

 辺りには、余波が満ちている

アキ「吸血鬼は許さない!」

 アキの脳裏にもシンクの姿が浮かぶ

レイ「何の恨みがあるかはわからないけど、僕には関係ない!」

 レイの体が光を上げる

 その光が辺りに漂う源素を無力化する

アキ「無効化されても関係ない!」

 アキの羽根が刃のように鋭さを持つ

 そして、レイに向かっていく

レイ「(M)くっ・・・傷つけたくはないけど・・・」

 近くにあった木の枝を拾う

 すると、その気が剣になる

レイ「何で、こんなことするの!?」

 剣で、羽根を破壊していく

アキ「だったら、これでどう!“永霊なる源素の渦、我が灼焔なる意思!永久(とわ)なる扉を開け!裁きを(くだ)さん天空なる剣よ!!”」

 アキの輝きが強まる

 膨大な力が集まっていく

レイ「ちょっと痛いかもしれないけど・・・“黄泉から呼び起こされし魔のもの!すべての悲しみを背負いし力!今こそ慟哭()き叫べ!!”」

 剣を構える

 すると、剣に何かの印が刻まれていく

アキ「“イノセント・シャイン”!」

 アキの腕から放たれた光がレイに襲い掛かる

レイ「我慢してください!“ブラッティ・ハウリング”」

 剣に刻まれた刻印が浮かび上がり、

 時の叫びと共に光を切り裂き、

 アキにまで届く

アキ「くっ!?」

 物理的なダメージは負っていないようだ

 だが、そのまま倒れこむ

レイ「・・・すみません、これしかとめる方法が思いつかなかったので・・・」

 レイがアキに近づき手当てをする

洞窟―入り口

 レイがまだ、アキの寝顔を見ている

 すると、咆哮が聞こえる

 その声で、アキが目覚める

アキ「なっ、なに!?」

 唐突に起き上がっため、

 レイとアキがキスをする形になる

 二人が慌てふためく

レイ「ごめん!

アキ「ごめんなさい」

 二人がほぼ同時に言う

 二人は同じように顔を真っ赤にしている

 だが、時の獣は、その間すらも待たずに、

 進行してくるようだ

獣「グルルルッ!?」

 まとわりついた疾風を使い

 獣が走ってくる

 咄嗟のこと+さっきの出来事で

 防御できずに吹き飛ぶ

 そして、岸壁にぶつかる

レイ「くっ・・・」

 レイが、大量の血を吐く

 防御しないだけで、これだけのダメージは負わないはずだ

アキ「レイ!?」

 アキが心配そうにレイに近づこうとするが、

 辺りの雰囲気の変化に気づき

 はなれる

裏レイ「ったく、どうしてこうも出番が多いんだ?」

 レイの髪の色が銀色に変わる

 それと共に辺りに血の香りが漂う

 血の羽根をまとった吸血鬼が姿をあらわす

獣「グルルルッ!?」

 辺りに飛び交う二つの殺気

 一つはレイが放ち、もう一つは獣が放つ

アキ「(M)また変化した・・・」

 レイのコートが血に変わり自在の形をとる

裏レイ「一気にけりをつけさせてもらう。今日は、機嫌が悪いのでな。」

 地面にレイの血が何滴か落ちる

 その血が辺りに充満して、

 敵を串刺しにする

獣「グルッ・・・・」

 獣は何本もの刺に貫かれ、

 そのまま生きたえる

裏レイ「貴様の源素はもらっておくぞ。」

 獣は、灰になり、散っていく

アキ「レイ・・・」

 アキがレイに問い掛ける

裏レイ「ほぉ~、あの時の餓鬼か。」

 レイは戻る様子がない

アキ「あなたは・・・」

裏レイ「うっ・・・」

 レイが頭を抱えて悶える

 どうやら、意識が交錯しているようだ

アキ「レイ!戻ってくるんだ!」

レイ「うっ・・・」

裏レイ「邪魔するな・・・」

 壁の一部が破壊される

 交錯する意識

 その二つの意識がぶつかり合い

 そして、暴発する

過去―郊外2

 辺りには複数のロボットに囲まれている

レイ「まったく、こいつのせいで・・・」

 アキはまだ気絶したままのようだ

ロボット「ハカイする・・・」

 機械が一斉に襲ってくる

レイ「ロボットなら、容赦はしないよ。」

 複数の帯をまとう

 その帯が螺旋を組み刻印を作り出す

 その二つが呪文となり、

 すべてを破滅させる呪となる

レイ「“吸血種(ネクロマンサー)の名の元に、天空の刃よ、落ちろ!”」

 更に言霊が追加され、

 幾重にも重なった力が

 敵を一蹴する

 その爆発などにより目を覚ます

アキ「・・・吸血鬼さん・・・わたしを・・・」

 アキがレイに抱きつく

レイ「うわぁ!?」

 レイは驚いて、そのまま倒れる

アキ「あの・・・わたし誤解してました・・・よね?」

レイ「あぁ、たぶんな。」

 アキの下敷きになり、レイは話している

アキ「すいませんでした。この不始末は、あなたとごいっしょさせてもらい・・・」

 レイが少し照れながら

レイ「いや、そこまでしなくても・・・」

アキ「いえいえ、ちょうどわたしも行き場所がなかったし・・・ほら、女の一人旅は危険って言うじゃありませんか~?」

 どこか正当化している

レイ「いや、それはそうだけど、あんだけの力を使っておいて、危険とかって、たぶん、あなたのほうが危険な気ような・・・」

 アキがぶすくれて

アキ「何を言いますか!?わたしはか弱い女の子ですよ(ハート)」

 急に語尾にハートがつくように言う

レイ「・・・わかったよ。好きにして。」

アキ「はい、では、よろしくお願いします。わたしのことは、アキって読んでください。」

レイ「僕は、ジュークレイド。好きにして。」

 アキが少し考えて

アキ「はい、では、吸血鬼さんって呼びますね。」

 レイが呆然とするが

レイ「いや、人の話聞いてる?」

アキ「はい、だから、吸血鬼さんで。」

レイ「あの~、聞いてますか?」

アキ「うん。聞いてますよ。吸血鬼さん。」

 二人の問答がしばらく続く

レイ「・・・で、これから、どこに行くんだ?」

アキ「どこでもいいですよ。わたしは、吸血鬼さんについていきますから。」

レイ「・・・わかった。」

 レイが歩き出す

アキ「あっ、待ってくださいよ~。」

 アキが追いかけていく

洞窟―最深部

 アキはほぼ無傷

 レイはかなりへとへと

レイ「なぁ?まだ、つかないのか?」

アキ「う~ん、そろそろだとおもうんだけど・・・」

 辺りを見回している

 どうやら、迷ったようだ

 ふとレイが気づく

レイ「なぁ、転送装置ってどんな大きさなんだ?」

アキ「~んとね、かなり大きいよ。」

  レイが立ち止まる

レイ「なぁ、これがそうなんじゃないのか?」

 さっきから、グルグル回っていた場所

 それが、その機械だったようだ

アキ「うわぁ~、ほんとだ~」

 レイも少し疑問がある

レイ「ところでだ、使い方はわかっているんだろうな?」

 アキは硬直する

 図星のようだ

アキ「えっ~とね・・・つまり・・・」

レイ「忘れちゃったわけね。」

 アキが笑っている

レイ「まったく・・・」

 レイがコントロールパネルに立つ

 レイは一通り見ると

 操作し始める

アキ「うわぁ~、起動した~、よかったよかった。」

 機械がうねりを上げ、動き出す

レイ「これでよしと。」

 装置が完全に起動する

 二人が機械の中心に入る


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