44 さよなら俺の初恋、おめでとうダイフク!~涙を隠した煮干しパーティ~
3丁目の喫茶店、居住区に戻ったミントとチャイロは、お気に入りのお猫様タワーに登ると、並んでお庭を眺めた。
リーダーとダイフクが、ブランコの側で寄り添い話をいていた。
「オレッチ、ダイフクさんはずっと雄のお猫様と思っていたニャン」
「チャイロさんは、お鈍さんだもの。最初から知っていたけど、ヤキモチ焼きたくないから黙っていたの」
「ミントちゃん、ヤキモチ焼いたのかニャン?」
「..........チャイロさん、お話し聞いてましたの?私、焼きたくないから黙っていたって言いましたの」
少し不貞腐れるミントに、機嫌を良くするチャイロ。
「そっか、ダイフクさんが、女の子って知ったらオレッチを取られるかもって思ったニャン。ミントちゃん、可愛いニャン」
ミントの頬をペロリと舐めるダイフク。
「..........もう」
可愛く首元を竦めるミントは、喉を鳴らしながら、チャイロに寄り添った。
「あ、チャイロさん見て」
「おぉ!リーダーカッコいい」
庭先でダイフクの上に乗るリーダー。ダイフクの首筋に噛みつき雄々しく交尾をしていた。熱い吐息を吐きながら、ミントはお庭を見つめていた。
「..........ミントちゃん、オレッチ達の初めてを思い出したニャン」
「チャイロさんの意地悪」
「オレッチ達の子どもとリーダー達の子ども、きっと良い友達になれるニャン」
お猫様の妊娠期間は約2ヶ月。受精率は90%。ミントのお腹には、チャイロの子どもが育っている。ダイフクもきっちりリーダーの子どもを身籠もることになるだろう。
交尾を終えたリーダーとダイフクは、仲睦まじく、3丁目の喫茶店のお庭から帰って行った。
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ダイフクは、リーダーに連れられてニャンダバーに戻ってきた。
「..........やってるにゃあ」
「アレは、確実にやってるなもし」
ダイフクが醸し出す雰囲気を読み取り、シロジとムーンが囁いた。
クロッチは、ダイフクから漂う色気が半端なく、思わずダイフクから視線を反らせた。
「どうした俺?ポヤポヤしたダイフクだニャン」
「..........クロッチ、お前ダイフクに充てられたにゃあ」
「う~ん、クロッチは、若いからなもし」
戸惑うクロッチに、ニヤニヤしながらムーンとシロジが声をかけた。クロッチの姿を見つけ、ダイフクが駆け寄ってきた。
「クロッチ!さっきは、迷惑かけてごめんダニ。俺、リーダーと一緒になるダニ」
身体中からリーダーの匂いをさせながら、ダイフクはクロッチに報告をした。
ダイフクの雌としての匂いと、リーダーの匂いが2匹のお猫様の関係性を、クロッチに悟らせた。
「ダイフク、お前、絶対に幸せになれニャン」
コクリと頷き、ダイフクはリーダーとともに奥へ消えて行った。
涙がポロリと溢れた。妹分だといつも気にかけていたダイフク。さっきまで、ガキンチョのように側で騒いでいたのに、半日もせず、女になって帰ってきた。
『ダイフクは、貰うにゃ』
名言実行、リーダーは、ダイフクをしっかりと堕として帰ってきた。
「リーダーは、俺の気持ちに気づいていたんだニャン」
シロジとムーンが、ポンポンと前脚をクロッチの肩に載せた。
「リーダーは、最初からダイフクだけを見ていたからにゃあ」
「クロッチ、今夜は煮干しパーティでもするなもしか?」
初めて知った恋心。ほろ苦い思い出とするしかなかった。親友ダイフクが、幸せになれますようにと、クロッチは、芽生えた想いに別れを告げた。
「シロジさん、ムーンさん、俺とっておきの煮干しをもってきますニャン」
お猫様達の煮干しパーティが、開催される事が決定した。




